• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

成長が止まらなくなる「稲盛和夫・4つの金言」

町の床屋を激変させた言葉~大串哲史・オオクシ社長に聞く

2012年12月19日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 景気の停滞が続く中で、10期連続2ケタ成長を続けるカットチェーン、オオクシ。千葉市稲毛区で32店を展開する同社は、過当競争と淘汰が進む業界で、異色の成長企業として注目されている。客が再来店する比率は「6割あれば優良店」と言われる理美容業界で、オオクシは83.2%という驚異的な数字を上げている。

 これを可能にしたのは、1997年に父親から理容店の経営を引き継いだ大串哲史社長(44歳)の、独特の経営手法にある。コンビニでバイトした経験から、独自にPOSシステムを開発して、きめ細かく顧客情報を管理・活用する。数値データは全従業員と共有し、顧客の満足度を確実に高める手法を磨き上げていく。そのために、歩合給制度はとらず、チーム(組織)としてのパフォーマンスを優先する。そこに、「助け合う」という社風が醸成されていく。

 急成長していることで、他業界からの視察も絶えない。そんな大串社長の経営手腕は、「経営の師」である稲盛和夫氏(日本航空取締役名誉会長)の目にもとまった。今年、稲盛氏が主宰する「盛和塾」の第20回世界大会で「世界一」に輝いた。米国やブラジル、中国など海外も含めて約70カ所に展開する巨大経営塾には、8000人を超える経営者が参加している。その中で栄冠をつかんだ。

 なぜ、急成長を続けることができるのか――。その背景には稲盛氏から直接聞いた、「4つの金言」があった。

(聞き手は金田信一郎)

これまでも経済産業大臣や千葉県知事などから、数々の経営賞を受賞していますが、今回の受賞はどこが決め手だったのでしょうか。

大串:これだけ厳しい経営環境の中で、10年連続の2ケタ成長ができたことが大きいと思いますね。まあ、本当の受賞理由は分かりません。受賞の時、稲盛さんとはテーブルが一緒でしたが、そのことについては教えてもらえませんでした。でも、私が考えるに、そこが大きかったと思います。

カットチェーン「オオクシ」の大串哲史社長

 今年の世界大会は横浜で開催され、世界から4000人の経営者が集まりました。会場には中国やブラジルから来ている人がかなりいらっしゃいました。稲盛さんがJAL(日本航空)の業績をV字回復させたことで、日本だけでなく海外でも稲盛さんの経営に学びたいという人が急増しているんですね。

 経営賞は、製造業と非製造業に分かれていて、それぞれ企業規模別に4部門あります。うちは売上高が中規模のグループで1位になったのですが、小規模グループは米ロサンゼルスの経営者がトップに選ばれていました。

これだけ経営賞を総なめにしていると、あまり感動もないのでは。

大串:いや、今回の受賞は正直言って、うれしかったんです。確かに、いきなり「あなたを経営者賞に選びました」という類のものもありますから、そういう場合は実感がありません。でも、稲盛さんからは会社をうまく回すための、重要なアドバイスを頂きました。だから、その稲盛さんから認められた今回の賞は、感慨深いものがあります。

いつ盛和塾に入ったんですか。

大串:親父から借金まみれの町の理容室を継いだ頃のことです。10年以上も前のことになります。まだ1店だけの時で、しかも倒産寸前ですから、不安で仕方がない。大学で経営を学んだわけでもない理容師の私は、「経営の軸」を求めていました。実際に活躍している「生きた経営者」に、薫陶を受けたいと思ったんです。そこで、稲盛さんの経営塾の千葉事務所に足を向けました。

 もちろん、コンサルタント会社にお願いするという手もあります。でも、実際に経営をしている人と、理論上だけの人の言葉は、かなり違っています。しかも、盛和塾は年会費6万円ですから。コンサルタントにお願いしたら、ケタが2つ上がるかもしれません。

それで、どんなアドバイスを受けたのですか。

大串:当時はまだ小規模な勉強会だったので、稲盛さんと会員が直接言葉を交わすことができました。まあ時間は短いのですが。自分の順番が来ると、稲盛さんにこう聞きました。

 「私の店はまだ1店舗ですが、多店舗展開するには何が必要でしょうか」

 そうたずねると、稲盛さんは真剣な表情で考え込みました。そして、一言、こう言ったんです。

 「大きくなっても使える仕組みを、小さいときから作っておくことだな」

 私はこの言葉を考え抜きました。当時はまだ1店舗でしたが、次の店を出すときには、仕組みが完成していなければならない、と解釈しました。ただ漠然と店を増やしていくと、どこかで行き詰まるという教えだと解釈したんです。

 今でも、この教訓はオオクシの経営判断を決める上で、重要な軸となっています。現在は32店舗ですが、これを80店舗まで拡大する目標を立てています。ただ、80店舗近くになった時、どのような経営上の問題があるのか、今から想定して、対策を打っておく必要があります。

コメント4

「キーパーソンに聞く」のバックナンバー

一覧

「成長が止まらなくなる「稲盛和夫・4つの金言」」の著者

金田 信一郎

金田 信一郎(かねだ・しんいちろう)

日本経済新聞編集委員

1990年横浜国立大学経済学部卒業。同年、日経BP社入社、日経ビジネス記者、ニューヨーク特派員、日経ビジネス副編集長などを経て2014年より現職。産業、金融、経済事件を中心に取材・執筆。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授