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安倍政権は再び、「憲法第9条」改憲に挑む(後編)

2012年12月26日(水)

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 「今回【憲法第9条】をテーマに憲法学者の小林節氏(慶応義塾大学教授)と対談を行いました。「憲法は主権者である国民が「国をあずかる権力者、すなわち政治家と公務員に対して、正しく振る舞わせるための指図書、すなわちマニュアルである。」小林氏は、憲法は規律されるべき権力から無視され、現在、全く守られていないと語る。一方で改憲派でありながら立憲主義の基づかない改憲については反対の立場をとります。対談の中で、小林氏は戦争と戦争の手段放棄を謳った9条と自衛隊について国家の自然権を元に解説し、自衛隊の海外派兵を法律で制定する動きを否定しています。時の政権によって左右されないよう「侵略戦争放棄、自衛戦争堅持。自衛権を持ち、保持する軍隊を、国際貢献のために必要な場合は海外派兵をする。」と語り、海外派兵の条件として国連決議と国会の事前承認等を、憲法改正時に織り込むよう主張しています。

 「憲法、とりわけ9条に関する基礎知識が国民全体を通して正しく共有されていない」と小林氏は語っています。憲法及び第9条、規律対象である国家を含めて良い方向へと導く議論の出発点となり、読者自身が主権者として、日本の選択を進めて頂ければ幸いです。

 この「日本の選択:13の論点」について。現在の国民的議論となっている13の政策テーマを抽出し、そのテーマごとに、ステレオタイプの既成常識に拘らず、客観的なデータ・事実に基づきロジカルな持論を唱えている専門家と対談していきます。政策本位の議論を提起するために、一つのテーマごとに日本全体の議論が俯瞰できるよう、対談者の論以外に主要政党や主な有識者の論もマトリックス表に明示します。さらに、読者向けの政策質問シートを用意し、読者自身が持論を整理・明確化し、日本の選択を進められるものとしています。

(協力:渡邊健、深谷光得、薗部誠弥)

前編から読む)

金野:前編の話に続く発展的なテーマになります。通常、「集団安全保障と集団的自衛権」ということがよく出てきますが、先生は特に集団的自衛権についてはどうお考えですか。必ずそれはアメリカとのかかわりの話になるわけですが。

小林 節(こばやし・せつ)氏
東京都生まれ、日本の憲法学者・慶應義塾大学教授。本海新聞・大阪日日新聞客員論説委員。日本公法学会、全国憲法研究会、日米法学会、比較憲法学会、憲法理論研究会、憲法訴訟研究会、国際憲法学会、国際人権法学会に所属。
著書に、『「憲法」改正と改悪―憲法が機能していない日本は危ない』『国家権力の反乱 新貸金業法は闇金を利するだけではないか』『そろそろ憲法を変えてみようか』『対論!戦争、軍隊、この国の行方 九条改憲・国民投票を考える』などがある。

小林:それは構わない。アメリカと集団的自衛権を結んだところで、アメリカの奴隷になるわけではない。しかも、集団的自衛は絶対強い。

 だって、集団的自衛権は、国連憲章にも書いてあるように、自衛権の行使には集団と個別とがあって、これは自然現象です。だから、国連憲章でも認められているように、我々は自衛権を持っている以上、それは集団も個別も込みです。

 ただ、大事なことは、集団的自衛権だからといって、同盟国のアメリカがどこかで明らかに侵略戦争をしている時に、我が国の判断においてそれは侵略戦争だと思ったら、「我が憲法の規定で、海外派兵につきましては国連の決議が必要です。どこかの単独の国の要求では出られないことになっています。」と言えばよい。アメリカだって日本のために無理をしてくれたことは一度もないのだから。

金野:そうすると、先生の立場としては、国際法上は個別だろうが集団だろうが、自衛権というのは自然権として存在している。現状、憲法では集団的自衛権は違憲だということで、そこを合憲にするように改正したい方々がいらっしゃる。この点はどうでしょうか。

コメント4件コメント/レビュー

憲法問題を国民の議論にするのは、大変難しいと思います。まわりを見ていると、逃げている人が大部分です。論者が議論を進めて、一部の政治家の先導で進めるしかないように思えるこの頃です。(2012/12/26)

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「安倍政権は再び、「憲法第9条」改憲に挑む(後編)」の著者

金野 索一

金野 索一(こんの・さくいち)

財団法人日本政策学校・代表理事 / 多摩大学経営大学院・客員教授

コロンビア大学大学院国際公共政策大学院修士課程修了。平成維新の会・政策スタッフ、政策学校・一新塾、起業家養成学校アタッカーズ・ビジネススクールの経営、公益財団法人東京コミュニティ財団評議員等を経て現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

憲法問題を国民の議論にするのは、大変難しいと思います。まわりを見ていると、逃げている人が大部分です。論者が議論を進めて、一部の政治家の先導で進めるしかないように思えるこの頃です。(2012/12/26)

前編から一貫して、シンプルで判りやすい主張だと思いました。核武装のところは、若干の異議がありますが。こういう改憲論であれば、大歓迎です。憲法を錦の御旗のように振り立てて、改憲絶対阻止というのは、おかしいと思います。実態にあわない部分があれば改めて行けば良いのです。その際に、きちんと考えて、小林教授のご意見のように、歯止めとなる予防策まで入れておけば良いわけです。いまの憲法が絶対に正しいという考え方は、思考停止状態としか言えないでしょう。(2012/12/26)

憲法前文こそは、決められない政治の根本。あれは「平和を愛する諸国」(=連合軍)に対する「もう戦争しません」という敗戦国日本が差し出した起請文である。日本国憲法と国連憲章で、日本は三等国(旧敵国)になってしまった。これでは何も決められない。まず、憲法調査会でもう一度憲法制定時について詳しく調べ、現憲法が占領下の暫定基本法にすぎないことを明らかにし、その上で国会で現憲法の効力が将来に向かって消滅すると決議してもらいたい。本当は「成立無効」とするべきなのだが、それでは成立時まで遡及して無効となってしまう。そうなると、半世紀以上の法律関係を全て見直さなくなってはならなくなり、著しく法的安定性を欠いてしまうので、将来に向けて効力を失うとする。その上で、一旦明治憲法を復活させ、明治憲法の改憲手続きに従って改憲を進めてもらいたい。迂遠なやり方だが、現憲法の規定に従って改憲するのはふさわしくない。なお、明治憲法の改正という体裁を取るものの、改憲に際し立ち返るべきは、明治大帝が示され、昭和天皇も言及された『五カ条の御誓文』である。この精神にまず立ち返り、そこから改めて近代から現代へ至る我国の歩みを確認し、未来への礎となる素晴らしい憲法に仕上げてもらいたい。(2012/12/26)

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