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景気後退? いえ既に回復が始まっています

嶋中雄二・三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長に聞く

2012年12月20日(木)

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 景気は今春から後退局面に入ったと言われている。26日にも発足する安倍晋三政権は景気テコ入れのために大規模な補正予算案を編成し、日銀にも大胆な金融緩和を迫る方針だ。景気循環論の第一人者である嶋中雄二・三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長に現状と先行きを分析してもらった(聞き手は渡辺康仁)。

景気は後退局面に入っていると言われています。足元の状況をどう見ていますか。

嶋中 雄二(しまなか・ゆうじ)氏
三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長。1955年東京生まれ。1986年早稲田大学大学院経済学修士。仏リヨン経営大学院留学などを経て97年に三和総合研究所主席研究員。2006年三菱UFJリサーチ&コンサルティング投資調査部長兼主席研究員。2010年から現職。内閣府経済社会総合研究所の景気動向指数研究会委員や景気循環学会常務理事なども務める。(撮影:松谷祐増)

嶋中:景気の循環を見るうえで重要なのは鉱工業生産指数です。生産指数は4~6月期に前期比2.0%減、7~9月期も同4.2%減と大幅なマイナスを記録しました。しかし、10~12月期は予測指数を織り込むと前期比で0.6%増となります。この数字が実現するかどうかはわかりませんが、単月で見ても10月の生産指数は前月比で1.6%増加し、9月の4.1%減からプラスに転じました。どうやら、鉱工業生産の底は9月だったということになりそうです。

 12月の生産予測指数は前月比7.5%増と大幅な伸びが見込まれています。自動車などの輸送機械工業や電子部品・デバイス工業、電気機械工業といった代表的な産業を中心に好調の見込みで、流れとしてはうまくいきそうだと言えます。

 注目すべきなのはトヨタ自動車が11月下旬に発表した生産計画です。月々の動きを見るために弊社が独自に季節調整をかけたところ、11、12月と前月比でプラスになったのに続き、2013年1月は23.7%増となります。四半期で見ると、10~12月期の前期比14.1%減の後、2013年1~3月期(1~2月平均で計算)は27.1%の大幅な増産を計画していることになります。

 裾野の広い自動車メーカーの積極的な生産計画を前提にすると、1~3月期の生産は相当強いものになる可能性が大きいのです。

 景気が底入れする「谷」の時期を議論する場合、景気動向指数をもとに算出する「ヒストリカルDI」と呼ぶ指標を見て判断します。11の個別指標のうち50%以上の指標がプラスであれば景気が上向きと判断するわけですが、11月にはそのラインを上回ってくるでしょう。50%を上回った前の月が景気の「谷」となりますので、2012年3月に「山」をつけて後退局面に入った国内の景気は10月には「谷」を迎えたと言えます。つまり、12月の今の時点では景気が回復局面に入ってから2カ月目になっているのです。

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「景気後退? いえ既に回復が始まっています」の著者

渡辺 康仁

渡辺 康仁(わたなべ・やすひと)

日経ビジネス副編集長

1994年日本経済新聞社に入社。2002年から2004年まで日経ビジネス記者。日経新聞に戻り、編集局経済部などを経て2013年から日経ビジネス副編集長。アベノミクスの行方に関心を持つ。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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