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「博愛のCSR(企業の社会的責任)」はもういらない

ネスレ会長 ピーター・ブラベック氏に聞く

2013年1月16日(水)

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CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)という言葉が聞かれるようになって久しいですが、ネスレはCSRではなくCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)というコンセプトを掲げています。そもそも、CSVはCSRと何が違うのでしょうか。

ピーター・ブラベック-レッツマット氏
ネスレ会長
1997年にCEO(最高経営責任者)に就任し、2008年から現職。「Creating Shared Value(共通価値の創造)」を経営の根幹に位置づけ、株主価値と社会的価値の両立を目指してきた(写真:永川智子、以下同)

ブラベック-レッツマット:まず、CSVどのようにして誕生したか、お話しましょう。6年ほど前、ダボスで開かれた世界経済フォーラムで、CSRをテーマにした討議が開かれました。多くのビジネスマンやアーティスト、映画関係者などが参加して、彼らは口々に「私たちは社会に利益を還元しなければならない」と発言していました。それが、当時のCSRのフレームワークでした。

 しかし、私はそのような考え方に疑問を感じていました。そこで5日間に渡る議論の最後に、「私には、社会に還元するものなど何もない。なぜなら、社会から何かを盗んだことは一度もないからだ」と言って聴衆にショックを与えました。これが、従来のCSRのやり方は上場企業としては正しくないと、私が信じている理由です。

 博愛主義的に社会に利益を還元することで、社会的責任を果たしたと考える人たちがいます。しかし、私はそのような手法を信じません。私は、企業戦略の根幹に社会的価値の創造を位置づけることで、株主価値と社会的価値の両方を同時に作り出すことが可能だと信じています。

CSRが博愛的な“施し”でいいのか

 こうした考えから、(CSVを提唱しているハーバード大学の)マイケル・ポーター氏とマーク・クラマー氏にアプローチし、ラテンアメリカにおけるネスレの事業を分析してもらいました。その結果が、ネスレが(2008年に発表した)最初の「CSVレポート」です。それ以来、私たちは、本当の社会的責任は、それが企業戦略のメーンストリームに統合されることによって実現できるという考えを広めてきました。CSRは単に、良心を得るための博愛的な施しの問題ではないのです。

 企業は、資本を提供してくれた株主と、事業をすることを許可してくれた社会の両方のために、価値を創造する必要があります。ベルリンの壁が崩壊する前、世界の半分は企業にビジネスをすることを許してくれなかった。しかし、今では当たり前のように世界中でビジネスができる。私たちは、株主と社会、その両方に責任があります。これこそ、根本的なCSVの考えです。

CSVという概念を掲げたことで、何が変わったのでしょうか。

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「「博愛のCSR(企業の社会的責任)」はもういらない」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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