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得意の現場力を組織力に活かせないのはなぜか

日本企業が抱える問題と再生への処方箋【2】

2013年1月18日(金)

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 ともに経営コンサルタントとしてのキャリアを持ち、現在はビジネススクールでMBA教育に携わっている遠藤功・早稲田大学教授と清水勝彦・慶応大学教授が日本企業の抱える問題点と再生の処方箋について話し合う対談企画の2回目。
 ユニクロの柳井さんは昔からすごいリーダーだったのか? 大ヒット商品「ガリガリ君」は生まれた現場とはどんなところか? 現場の力を組織の力として活かすために、経営者が今すぐ取り組むべき課題を指摘する。(聞き手は飯村かおり)

「日本には選手とキャプテンはいるが、監督はいない。企業の適正規模を考えてキャプテンが率いる少数精鋭の組織に変えるか、海外からプロのCEOを呼ぶかしかないのでは」というのが前回の議論でした。では、お二人が教えていらっしゃるビジネススクールではリーダー教育はできないのでしょうか。

遠藤 功(えんどう・いさお)氏(写真:大槻純一、以下同)

遠藤:MBA教育ではリーダーは育たないというのが私の持論。リーダーシップに関する授業はありますが、そういう授業を取っているような人間はリーダーには育たない。リーダーシップは教えられても、リーダーをビジネススクールで育てることはできない。

 ビジネスの第一線で責任を背負い、一皮むける体験をしないと、本当のリーダーの器になりません。成功しようが失敗しようが、辛酸を舐めるといった経験をするのが日本人には一番いい。若いうちから、できれば30代のうちに子会社の社長をやらせるといったことを思い切ってやることが必要だし、現実的なリーダー育成法だと思います。

IBMなど外資系でも「カバン持ち」で学ぶ

清水:私はリーダーシップが完全に教えられないとは思っていません。ただ、教えることができる人は限られているというのはあるでしょう。リーダーシップはリーダーにしか教えられないような気がします。キャプテンがリーダーを育てることはできないということです。リーダーとは何か、そのつらさが何かを分かっていない人は教えられないと思うのです。

 IBMなど外資系では、リーダー候補に社長のカバン持ちを2年くらいやらせるということがあります。社外からは理知的でスマートなリーダー教育をやっているように見えるのですが、実際には、リーダーの経験を身近に見て、自分でやって失敗してという、のたうち回って、上がったり下がったりのプロセスになっています。

遠藤:教えるというより「盗む」ということでしょうね。リーダーのいいところを盗んでいく。自分のスタイルをつくる時、それに合うものは吸収していく。いろんなリーダーと接するというのは大きな財産になるでしょう。いろんなリーダーの生きざまを見るというのはとても重要です。キャプテンから学んでもキャプテンにしかなりません。

清水:リーダー育成にもっとお金もエネルギーをかけてたほうがいいと思います。最近は選抜型研修というのもやるようになってきましたが、以前であれば、選抜型研修をすると、リーダーが一番大事なのに、他の選ばれなかった人をどうするということを考えてしまいます。和という面とも関係しますが、和を尊ぶあまり、それを乱すことによって得られる利益が得られなくなっていると思います。

コマツの坂根さんは希有な例

遠藤:器を大きくするというのは難しい。スキルは学べても、器は教育では大きくできない。器は器だから、器にあった教育をするしかない。

 コマツの坂根正弘会長(※1)は稀有なリーダーの例だと思います。リーダーシップはあるし、決断力もあり、和を尊ぶ、きわめてバランスのとれたリーダーです。でも、坂根さんは会社の中の傍流が長く、傍流で生まれ傍流で育った。アメリカの子会社の社長になった時に一皮むけたと本人がおっしゃっています。

コメント6件コメント/レビュー

「ビジネスの第一線で責任を背負い、一皮むける体験をしないと、本当のリーダーの器になりません。」という表現そのものだろう。最近の経営者は自身も含めて「失敗」というリスクを冒したがらない風潮があるのだろう。「一度失敗したら出世街道からはじき出される」という事実が世間に多過ぎるのではないだろうか。その為にリスクの低いタスクにしか責任を負いたがらない。それと、日本で仕事が出来ると評価されている人の多くは、自分の過去の知識や成功体験を否定出来ない。言葉を替えると自分自身を改革出来ずに、過去にしがみついてしまう。今の世のビジネスは昨日の成功体験がそのままでは明日の成功の鍵にはならない程めまぐるしく変化している。だから他人の成功事例を真似て成功しようとする事自体無理がある。成功事例は参考には出来てもコピーした途端失敗の道を歩み始める事になる。日本が得意として来た現場での「カイゼン」は事実を積み上げて行くだけなので、過去の成功は十分そのままで参考になる。詰り、多くの日本人は応用問題が不得意なのではないだろうか。これは私自身がコンサルタントとして働いた期間に強く感じた事だ。(2013/01/18)

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「得意の現場力を組織力に活かせないのはなぜか」の著者

清水 勝彦

清水 勝彦(しみず・かつひこ)

慶應義塾大学大学院教授

東京大学法学部卒業。ダートマス大学エイモス・タックスクール経営学修士(MBA)、テキサスA&M大学経営学博士(Ph.D)。戦略系コンサルティング会社のコーポレィトディレクションを経て研究者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

遠藤 功

遠藤 功(えんどう・いさお)

早稲田大学ビジネススクール教授

ローランド・ベルガー日本法人会長。1956年生まれ。79年早稲田大学商学部卒業、三菱電機入社。米系戦略コンサルティング会社を経て、2000年ローランド・ベルガー社長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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「ビジネスの第一線で責任を背負い、一皮むける体験をしないと、本当のリーダーの器になりません。」という表現そのものだろう。最近の経営者は自身も含めて「失敗」というリスクを冒したがらない風潮があるのだろう。「一度失敗したら出世街道からはじき出される」という事実が世間に多過ぎるのではないだろうか。その為にリスクの低いタスクにしか責任を負いたがらない。それと、日本で仕事が出来ると評価されている人の多くは、自分の過去の知識や成功体験を否定出来ない。言葉を替えると自分自身を改革出来ずに、過去にしがみついてしまう。今の世のビジネスは昨日の成功体験がそのままでは明日の成功の鍵にはならない程めまぐるしく変化している。だから他人の成功事例を真似て成功しようとする事自体無理がある。成功事例は参考には出来てもコピーした途端失敗の道を歩み始める事になる。日本が得意として来た現場での「カイゼン」は事実を積み上げて行くだけなので、過去の成功は十分そのままで参考になる。詰り、多くの日本人は応用問題が不得意なのではないだろうか。これは私自身がコンサルタントとして働いた期間に強く感じた事だ。(2013/01/18)

ビジネススクール人気教授の対談ということですが、二人の言葉が、ぜんぜん「心に迫ってこない」のですよ。学生時代によくいる秀才の「お前が理解できないっていうのが理解できない」みたいな感じです。日本企業のそれぞれのビジネスプロセスを抽象化して問題分析をしていると思われるですが、会社にしろ社会全体にしろ、構成しているは「一人」「一人」の集合体。個々にもつ能力や生き方やさらには抱えている問題は千差万別。見方をかえれば、ビジネススクールの教授という職業でさえ「世間にぶら下がっている」と言えるのではないでしょうか?(2013/01/18)

自分の出向先探しも、落書き消しですかね。(2013/01/18)

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