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コンビニのレジに立って分かった「相手目線」の大切さ

コミュニケーションの大切さ 岩瀬大輔編

2013年2月4日(月)

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 前回、相手の眼鏡をかけてみることの大切さについてお話しました。僕の場合、「相手の眼鏡をかける」重要性に気づいた経験が学生時代にありました。大学生時代、司法試験を受験していた時のことです。

 実は僕は筆記試験には合格したのに、口述試験では落とされてしまったんです。

 なぜ、口述試験で落とされたんだろう。自信があったのでけっこう不満に思っていました。そんなある時、司法試験の学校で口述の模擬試験の添削の手伝いをすることになりました。

 試験を受けたのは100人近く。僕は彼らの答案を全部目の当たりにすることになったのです。苦痛でしたね。が、この経験で、大切なことに気づきました。
「採点者の目からは、答案はどういう風に見えるのか」についてです。

 そう、答案を読む側の眼鏡をかける、というやり方を知ったのです。

できの悪い答案に「これ、オレじゃないか…」

 答案の多くは、「僕はこれだけ勉強しました」「私はこれだけ覚えています」のアピールで溢れていました。つまり知識を誇っているわけです。だから“勉強してますアピール”“覚えてますアピール”をするわけです。「僕、誰より頭いいでしょ!だから合格させて」という声が答案から聞こえてきます。

 できの悪い答案を見ながら、はたと思いつきました。
(……これ、オレじゃないか)

 自分がいかにみっともなく「頭いいでしょアピール」をしていたかということを、他人の答案をたくさん読むことで否応なしに知るはめになったわけです。

(これじゃあ、落とされるわけだ)
 口述試験では「知識」以上に、「考え方」が問われるのです。知識は考え方を伝えるための道具に過ぎない。なのに、答案の大半は、知識が9割以上で自分の考えはほとんどなし。これじゃあ合格できません。

 他人の答案で、僕は自分の犯していたミスに気づくことができました。そもそも知識をいくら持っていようと、試験を出す側は驚くわけがないのです。考えてみれば当たり前です。でもその当たり前を想像することができなかった。

 つまり僕もこの模擬試験を受けた大半の人たちも「試験官の眼鏡をかける」という頭がなかったのです。
 これをきっかけに、自分が口述試験を受けるとき、それまで知識と考え方の比率が9対1だったのを半々くらいにして、「考え方」をどう伝えるかに注力しました。おかげで口述試験に通り、司法試験に合格できたのです。

 試験ひとつをとっても、「相手の眼鏡をかける」ことができるかどうかで結果は大きく変わるのです。

 ましてや日々のビジネスの相手は、さまざまな出自のさまざまな年齢や性別の人。常に相手の眼鏡をかける努力を重ねなければ、コミュニケーションは完了しないのです。

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「コンビニのレジに立って分かった「相手目線」の大切さ」の著者

岩瀬 大輔

岩瀬 大輔(いわせ・だいすけ)

ライフネット生命保険社長兼COO

1976年埼玉県生まれ。98年に東京大学法学部を卒業後、ボストン・コンサルティング・グループなどを経て、2006年、副社長としてライフネット生命保険を立ち上げる。2013年6月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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