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あなたは大和魂を持っていますか?

今、改めて愛国心について考える(2)

2013年1月23日(水)

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 米国で生まれ、第2次世界大戦を迎えた日系2世と、米国で生まれ日本で学び帰米した日系米国人は、愛国心をめぐって苦闘した。彼らを追いかけ、ドキュメンタリー映画「442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍」「二つの祖国で・日系陸軍情報部」をまとめた映画監督、すずきじゅんいち氏と、「愛国心」について考える。2回目のテーマは「大和魂」。果たして現代に生きる日本人も、大和魂は持ち続けているのだろうか。

(聞き手は森 永輔)

 ※前回はこちら

日系2世に残る「大和魂」

愛国心に続いて、「日本人とは何か」についてお伺いします。442連隊に参加した日系2世たちは「大和魂」を意識して戦いました。ルース・ベネディクトの『菊と刀』にあるように「恥」は罪悪で、残った家族が恥しめられないように自分が頑張るという意識があった。これはアメリカ人の発想じゃなくて日本人の発想だと思います。国籍はアメリカだけど考え方が日本人。

すずき:まさに日本人ですね。昔の日本人。

私自身を振り返ると、「恥」について考えたことがほとんどありません。私は日本国籍を持っていますけど、それで「日本人なのか」と考えさせられました。
 すずきさんは「日本人とは何か」と聞かれて、どう答えますか。

すずきじゅんいち(鈴木潤一)氏
映画監督、映画プロデューサー、シナリオライター。
1952年、神奈川県生まれ。東京大学文学部卒業後、日活に助監督として入社。現在はフリーランスとして活動。過去30年の監督生活で24本の長編映画を監督、12本の映画をプロデュース、15本の映画のシナリオを執筆した。テレビドキュメンタリーなどにも活動の幅を広げている(写真:加藤 康、以下同)

すずき:「442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍」を観た人たちから、「今、失われている何かを見せてもらった。なんか日本人もいいな」「日本人の原点はこれだ」という感想を数多く頂きました。

 日本人は今、自信を失っているじゃないですか。高度成長の時は、国力が上がっていたから自信を持っていた。だけど、今は国力が落ちており、自信がないんですよね。

 「442 日系部隊」や「二つの祖国で・日系陸軍情報部」に登場する日系2世の人たちの生きざまを見ると、彼らは誇りを持って生きている。観衆は、日本人の原点みたいなものを見て、「ああ、日本人もいいんじゃないか。もう少し、俺たちも誇りを持って生きようぜ」と感じてくれたんですね。

映画に登場する日系2世たちは日本人ではないんですけどね(笑)。

すずき:つまり、大和魂的なもの、恥の精神とかを今の日本人は失っているんだけど、やっぱり残っているんですよね、根っこに。簡単には消えない。何百年もかけて培われたものだから、何十年かでは消えなかった。

 僕が「大和魂」という言葉をテレビで聞いたのは、藤猛という日系2世のプロボクサーからでした。彼が世界チャンピオンになったのを、テレビで放送していたんです。「藤猛」という日本人の名前なんだけどアメリカ人で。彼が勝って、「大和魂」と叫んでいたわけですよ。

 第2次世界大戦に負けた我々にとって「大和魂」は禁句になってしまった。だから、藤猛が「大和魂」と言った時はショックだったんです。「何なんだ、こいつは。日本人じゃないくせに、日本語もしゃべれないくせに」なんて思ってね。日系2世は戦争に負けていないから、日本人の原点を失わないんですね。

そうか、日系2世は大和魂で戦争を戦って、勝っているわけですね。

すずき:そうなんですよ。我々は負けちゃったので、大和魂はよくないと考えるようになった。だから、日本人の考え方や暮らしはけっこうアメリカ型になっていますよ。日系人と比べて、日本人の方がずっとアメリカ人っぽいと思います。

そうなんですか。

すずき:はい。僕が米国に住む日系人と付き合って感じるのは、明治の人間の良さのようなものです。年長の人を大事にするとかね。

コメント6

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「あなたは大和魂を持っていますか?」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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