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高い目標に向かって潜在力を活かす経営を

日本企業が抱える問題と再生への処方箋【3】

2013年1月31日(木)

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 ともに経営コンサルタントとしてのキャリアを持ち、現在はビジネススクールでMBA教育に携わっている遠藤功・早稲田大学教授と清水勝彦・慶応大学教授が日本企業の抱える問題点と再生の処方箋について話し合う対談企画の最終回。
 新たな成長を求めて、海外進出する日本企業は多い。しかし、企業は強みの範囲内でしか経営を行っていないのではないか。成長を望むのであれば、目標を「ストレッチ」し、潜在力を十二分に活かす経営者のリーダーシップが必要なのではないか。
 現場の優れた能力を大事にしながら、組織として日本企業がグローバルに勝てる経営とは何かを、対談を通して浮き彫りにする。(聞き手は飯村かおり)

国内市場の縮小傾向を背景に、企業の海外進出が活発になっています。

清水:今、どの企業もアジアに成長を求めていると言っていいでしょう。私もいくつかのプロジェクトに関与して関係者にインタビュー調査しています。その中で、日本の会社で一番国際化していないのは本社。タイや中国の現場は頑張っているのに、本社は機能していない、わかっていないというケースが目立ちます。

権限のない現場、情報のない本社

遠藤:それは「権限のない現場、情報のない本社」という問題です。これが日本の組織運営を悪くしています。リアリティーをわかっている現場には権限がないから決められない。権限はあるが肝心の情報がない本社が悪さをしている。この構造を変えていかなくてはいけません。本社は何をするところなのか、現場は何をするところなのか、その役割分担を明確にしないといけません。

 私は企業にコンサルティングするとき、最近は「ミッション別組織」にするようにアドバイスすることが多い。それぞれの部門のミッションをできるだけ明確にし、シンプルにする。できればシングル・ミッションが望ましい。あれもこれも望むのはこの動乱期には望ましくありません。

遠藤 功氏(右)(写真:大槻純一)

清水:結果として、海外の現場はポテンシャルがあるのに十分生かし切れなかったり、逆に本社の目の届かないところで暴走していたりするということも起こっています。

遠藤:だから、「君たちの部門はコストダウンして利益を徹底して上げろ。売り上げはどうでもいい」というところもあれば、「君たちは、投資していいから成長をめざせ」というところもあるように、事業部、部門ごとにミッションを明確にする。今の時期は、複雑なマトリックス組織にしても機能しません。

 本社のミッションは何か、現場のミッションは何かをもう一度考えるべきです。権限移譲は中途半端だし、本社は効果的に権限を行使できていません。

清水:海外のビジネスの実態が本社に伝わっていないことが大変多いのではないでしょうか。インタビュー調査で気づいたのは、中国で相当苦労していると思える企業でも、担当役員に聞くと「いろいろありますが、徐々に成功している」という答えが往々にして返ってくるということです。

 それは日本での成長率よりも中国での成長率が高いですという話だったりする。当たり前です。あるいは、「わが社はアジア全体では3位です」と語っていても、それは日本市場の売り上げを含めての話で、日本を除くと7位か8位だったりするということもありました。

 これは過去の成功体験でプライドがあるからかもしれないですが、アジアに出て行ったときの厳しさから目を背けている企業が多いと思います。余剰人員の問題(この対談の第1回を参照)もそうですが、悪いニュースに向き合う姿勢がとても弱くなっているのではないでしょうか。一方で、「中国ではこうだ」なんて地元のあやしげなコンサルタントに言われると、すり寄るようにそれを取り入れてしまうようなところもあると聞きます。

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「高い目標に向かって潜在力を活かす経営を」の著者

遠藤 功

遠藤 功(えんどう・いさお)

早稲田大学ビジネススクール教授

ローランド・ベルガー日本法人会長。1956年生まれ。79年早稲田大学商学部卒業、三菱電機入社。米系戦略コンサルティング会社を経て、2000年ローランド・ベルガー社長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

清水 勝彦

清水 勝彦(しみず・かつひこ)

慶應義塾大学大学院教授

東京大学法学部卒業。ダートマス大学エイモス・タックスクール経営学修士(MBA)、テキサスA&M大学経営学博士(Ph.D)。戦略系コンサルティング会社のコーポレィトディレクションを経て研究者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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