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「今年は完全に韓国を出し抜きました。技術ではね……」

デジタルメディア評論家・麻倉怜士氏に聞く「テレビの行方」

2013年1月25日(金)

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 2012年の薄型テレビの出荷台数は前年比で67.5%減(電子情報技術産業協会調べ)と、すさまじい勢いで市場がしぼむ日本。電機各社にとって、もはやテレビは業績低迷の悪玉にすぎず、デジタル製品の主役はスマートフォンやタブレット端末に取って代わられた。世界市場における韓国メーカーの存在感も、元・テレビ王国の自信喪失を誘う。しかし、本当に日本のテレビは魅力を失ったのか。デジタルメディア評論家の麻倉怜士氏に、先頃米国で行われた世界最大の家電の見本市、「2013 International CES」での様子を振り返ってもらいながら、今後のテレビの行方を探った。

(聞き手は酒井康治)

米国で「2013 International CES(以下、CES)」が終了しましたが、これからテレビがどうなっていくのかを中心に、話をお聞かせください。

麻倉:まず、近年のCESにおけるテレビの流れを説明しましょう。例年、CESではホットな話題が急に出てくるのが特徴です。例えば3年前、3Dテレビもわっと出てきて、翌年以降は潮が引くように消えていくとか……(笑)。大きく米国でのトレンドを見ていくと、1998年にテレビ放送のデジタル化宣言を行い、そのうねりが2008年に終わりました。それに続いて、ネットサービスの高速化、低価格化に伴い、軸足をネットに移します。その背景には、ネットフリックス(米国のオンライン映像配信会社)の躍進があります。安い定額料金で数万タイトルのコンテンツが見放題というものです。

麻倉怜士(あさくら・れいじ)氏
麻倉怜士(あさくら・れいじ)氏
オーディオ・ビジュアル/デジタル・メディア評論家、日本画質学会副会長、津田塾大学講師(音楽学)。1950年生まれ。73年横浜市立大学卒、日本経済新聞社、プレジデント社を経て、91年にデジタルメディア評論家として独立。現在は評論活動に加え、映像・ディスプレイ関係者による「日本画質学会」の副会長、さらには津田塾大学の講師(音楽史、音楽理論)という“3足のワラジ”をはきこなす。超高級なAV機器と大量のブルーレイやDVD、CD作品に埋もれた(?)自宅ホームシアターは結構有名

既に日本でも、定額の映像配信サービスがいくつか立ち上がっています。

麻倉:ええ、ただ日本ではテレビのネット接続が10%くらいですが、米国では50%ぐらいがネットにつながっています。この点は、テレビという機器を考える上で大きな違いとなります。米国はテレビがネットにつながっているのが当たり前という“インフラ”ができているので、後はそこに色々なサービスを乗せて魅力を高めましょうという発想がすごく簡単に出てくる。しかし、日本ではまだテレビ放送を受信する機器という発想にとどまっているため、どうしても製品自体に広がりが出てこない。こうしたネット対応の流れが2011年ごろから出てきて、「スマートテレビ」という言い方で話題になったのはご存じの通りだと思います。

日本でのスマートテレビの評判は、あまり芳しくありません。実際のところ、消費者もそのメリットがよく分かっていませんよね。

麻倉:これまでも「IPTV」や「インターネットテレビ」というものがありましたが、それらはおそらくネットフリックスのような映像配信サービスのようなものでしょう。これに対してスマートテレビというのは、もっと広範でたくさんのサービスがテレビを通して展開されると考えれば分かりやすいでしょうか。それが2011年、2012年の流れです。私は最近こう言っています。「スマートテレビ」では意味不明だから、「サービステレビ」と呼ぼう。かっこよく「マルチサービステレビ」も良いぞ、と。

今年もまだスマートテレビは健在なんですか。

麻倉:もちろんあることはあるのですが、今年の話題はどう見ても「4Kテレビ(画素数がフルハイビジョンの4倍、4K×2K=3840×2160ピクセルの高精細テレビ)」です。私が事前に想定していたよりも、はるかに大きな規模で出てきました。

 4Kテレビの展示自体は昨年もありましたが、韓国メーカーもあまり真剣にやっていたとは思えませんでした。例えばLGエレクトロニクスなどは、自社の3D方式を4Kを使ってやりましたという程度です。彼らの製品は偏光メガネで3D映像を見るので、垂直解像度が半分になります。それを補うために、解像度の高い4Kパネルを使いました、ということです。これでは3Dテレビの延長であって、4K自体の魅力をアピールしたとは言えません。

 その後、昨年9月にベルリンで開催された「IFA2012」でソニー、東芝、LGが84V型の4Kテレビを発表し、4Kの本格デビューを見せました。とは言っても、価格的には非常に高く、どれもごく一部の富裕層向けという位置づけですが。

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「「今年は完全に韓国を出し抜きました。技術ではね……」」の著者

酒井康治

酒井康治(さかい・こうじ)

日本経済新聞社 電子報道部

にっけいでざいん、日経マルチメディア、デジタルARENA、日経トレンディネットを経て、2013年1月から日経ビジネス副編集長。日本経済や地球の未来のことより、いつも猫のことを考えながら仕事をしている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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