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4:命をかけて、祝う仕事。奈良時代も。21世紀も。

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2013年2月26日(火)

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「インターネットは、まだまだ現実社会に届いてない」

國分:坂本さんでさえ、ニューヨークに住んでみなければわからないことがあった。しかも、なんと音楽のことで知らないことがあった。失礼ながら、とっても面白かったです。

坂本龍一(さかもと・りゅういち)
音楽家。1952年生まれ。78年「千のナイフ」でソロ・デビュー、同年YMO結成に参加。88年映画「ラスト・エンペラー」でアカデミー賞作曲賞を受賞。常に革新的なサウンドを追求する姿勢は世界的評価を得ている。2006年には新たな音楽コミュニティー「commmons」をエイベックスとともに設立。また、2007年一般社団法人「more trees」を設立し森林保全と植林活動を行なうなど90年代後半より環境問題などへ積極的に関わる。東日本大震災後、「こどもの音楽再生基金」などさまざまな被災者支援プロジェクトに関わるとともに、脱原発を訴える活動をおこなっている。主な作品に「B-2 UNIT」「音楽図鑑」「BEAUTY」「LIFE」「out of noise」、著書に『音楽は自由にする』、共著に『縄文聖地巡礼』、『いまだから読みたい本――3.11後の日本』、『NO NUKES 2012 ぼくらの未来ガイドブック』など。2013年1月から放送がはじまったNHK大河ドラマ「八重の桜」のテーマ曲を担当している。90年より米国、ニューヨーク州在住。
(撮影:大槻純一、以下同)

坂本:でしょう? 音楽において知らないことがあるんだ、とショックを受けている自分自身にもショックでしたけれど。

國分:いまはウェブを通じて情報がすぐ入ってくるから外国のことなんて知ってるよと思いがちだけれども、やっぱり行ってみないとわからないことのほうが大半なんですよね。

坂本:逆に情報があふれていると言われすぎていて、かえってわかっているだけの気分になっている人も多いと思うんだよね。ネットがあるので何でも知っているつもりになっている。僕自身にもそういうところがあるかもしれないし、みんなどこかあるんですよね、そういう危うさ。

 でも、現実世界とネットの世界には、いまも相当なギャップがある。それを特に痛感したことがあります。

國分:いつですか?

坂本:青森県六ヶ所村の核燃料再処理施設の危険性を訴える「STOP ROKKASHO」という運動をやりはじめた6年前です。

 ネット上ではけっこう話題も拡散したし、あれをやったことで、僕のまわりにいるデザイナーをはじめとする片仮名商売の人たちは、いままで六ヶ所村なんてちゃんと知らなかったのをきっちり認知してくれて、ずいぶん協力してくれた。本も出しました。

國分:今の流れにつながる仕事でしたね。

坂本:でもね、現実社会に届いたとは到底言えない。ウェブの中では世界中を飛び回ったプロジェクトだったけれど。現実社会に届けるための工夫をしてなかったので、ネット上だけで終わってしまった。そこに、ものすごく限界を感じたんです。

國分:ずいぶん早くから、ネットをやっている人とやってない人の差、ネットデバイドを経験されたんですね。

坂本:ネットデバイドというのはやっぱりものすごくあって、僕らみたいにネットでいろいろな情報をゲットしている人たちと、してない人たちの格差がものすごい。やっぱり大手の新聞とかテレビからしか情報を得てない人たちも大量にいるわけで。若い人でも。

國分:大量にいますね。やっぱりそっちのほうが多いかもしれない。

坂本:むしろ毎日のようにウェブをチェックして、内容の真偽も確かめながら、リテラシーを高めている人間のほうが少ないわけです。3.11以降、余計にいまのネットデバイドの現実というのがすごくはっきり見えたなと思うんです。

Twitterと文藝春秋の間に横たわる深く暗い川

國分:僕、民主党政権を総括する文章を書いて欲しいと言われて、『文藝春秋』の2012年8月号に寄稿したんです。『文藝春秋』と言えば、日本のおじさんたちが全員読んでいるみたいな雑誌ですよね。だからものすごく緊張して書きました。僕としてはそれなりの自信作だったんですが、Twitterで検索しても1回も引っかからなかった。お客さんが、まったく重ならないんです。

坂本:世界がちがう。読者60代から上でしょ、おそらく。

國分:まったくちがう世界です。何十万部も出ている雑誌なのに。あの雑誌に力がない、ということじゃなくて、ウェブの世界と重なってない、ということなんでしょうね。

坂本:「文藝春秋」がネットの世界には出てこないというのは面白いですね。

國分:まったく、1回も引っ掛からなかったんですよ。あんな一生懸命書いたのに(笑)。

坂本:僕らはいつもネット側から見ているから、向こうを……。でもその話は面白いですね。

國分:いや、笑いました。

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