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「PFIのような“付け焼刃”は役に立ちません!」

「国土強靭化」のブレーン、藤井聡・京都大学教授に老朽化対策を聞く

2013年2月12日(火)

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 2012年12月に中央自動車道・笹子トンネルで起きた天井板崩落事故。9人の犠牲者を出す大惨事は、高度経済成長期に急ピッチで建設された大量のインフラが、一斉に老朽化し始めていることに対して、改めて警鐘を鳴らした。

 国や地方自治体の財政が悪化の一途をたどる中、これから容赦なく訪れるインフラの膨大な改修・更新需要にどう立ち向かえばいいのか──。日経ビジネスでは2013年2月11日号の特集「インフラ クライシス」で、老朽化先進国である欧米諸国の取り組みを紹介する現地リポートを交えて、答えを探った。このコラムでは、特集の連動企画として、国内外の専門家や実務家へのインタビューを通して、大改修時代への備え方を考える。

 初回に登場するのは、昨年12月の衆院選で自民党が圧勝して発足した安倍晋三内閣のアドバイザー役である内閣官房参与に就任した藤井聡・京都大学大学院工学研究科教授。自民党が以前から提唱し、衆院選の政権公約にも盛り込んだ「国土強靭化」のブレーンとして、安倍政権がこれから実施する公共投資に大きな影響を及ぼしていくことになる藤井教授に、インフラの老朽化対策の進め方について聞いた。

(聞き手は、中野目 純一)

昨年12月に中央自動車道・笹子トンネルで天井板が崩落する事故が起き、高度経済成長期に急ピッチで建設されたインフラの老朽化に改めて注目が集まりました。自民党が昨年6月に国会に提出して成立を目指している国土強靭化基本法案には、10年間に200兆円を集中投資して国土強靭化を進めることが明記されています。その中でインフラの老朽化対策はどれだけのウエートを占めることになるのでしょうか。

藤井:インフラの老朽化対策は徹底的にやっていかなければならないというものですから、優先順位はつけにくいと思います。

藤井 聡(ふじい・さとし)氏
1968年奈良県生まれ。93年京都大学大学院修了後、京都大学工学部助手。98年同大で博士号(工学)を取得。スウェーデン・イエテボリ大学客員研究員や東京工業大学大学院教授などを経て2009年から現職。『公共事業が日本を救う』(文春新書)、『列島強靱化論―日本復活5カ年計画』(文春新書)、『救国のレジリエンス 「列島強靱化」でGDP900兆円の日本が生まれる』(講談社)など著書多数。(写真:山田 哲也、以下同)

 優先順位の高いものは3つあります。まずは東日本大震災の被災地の復興。次に(首都直下地震や南海トラフ巨大地震といった)地震への対策。そしてインフラの老朽化対策です。

 必要性という観点から言うと、3つの中での優先順位はつけにくい。すべてに果敢に取り組んでいく必要がある。

 優先順位がつけにくいといっても、当然ながらプライオリティー(優先度)が最も高いのは、震災復興です。安倍総理も内閣のメンバー全員が復興大臣のつもりで対応してもらいたいとゲキを飛ばしておられます。

 その次にインフラについてのいろいろな施策が来るわけですが、例えば、1月15日に閣議決定した2012年度補正予算案には、(1)復興・防災対策(2)成長による富の創出(3)暮らしの安心・地域活性化、の3つの柱があります。

 これらの3つの柱のそれぞれにも、インフラに関わる施策がある。例えば道路を建設して地方の経済を活性化したり、港を整備して地域経済を発展させたりする。あるいは、首都圏ではミッシングリンク(道路の未開通区間)を整備するということもあります。これらをきちんとやっていくことが必要になります。

コメント18件コメント/レビュー

JRになって廃線が増えたり、新幹線が全国に作られなくなったのが問題みたいなことが言っているが、むしろ赤字垂れ流しの路線が無くなっていいことでないのか。数人しか利用しない路線のために税金をバンバン投入することの方が大問題である。こういう全国津々浦々に無駄なインフラを作りたがっている人の言うことはまともに受けない方がいい(2013/02/15)

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「「PFIのような“付け焼刃”は役に立ちません!」」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

JRになって廃線が増えたり、新幹線が全国に作られなくなったのが問題みたいなことが言っているが、むしろ赤字垂れ流しの路線が無くなっていいことでないのか。数人しか利用しない路線のために税金をバンバン投入することの方が大問題である。こういう全国津々浦々に無駄なインフラを作りたがっている人の言うことはまともに受けない方がいい(2013/02/15)

資本主義の良い点は、良いと思える入口で投資して、儲かればよし、儲からなければ投資した人が損をして責任を取る出口をもって、適者生存を行っている訳で、これがどうも一番よいシステムであろう。ほとんど生物の進化の過程を見れば明らかである。さて、公共投資したものが、公共に便益を与えると思った(おかしなものに投資してしまったものも含め。)が、与えていなければ、止めればよい。つまり、公共財を廃棄することが重要で、何でもかんでも、過去に投資したものを改修する必要はない。使えなくなったら、(a)そのまま、放棄安全対策を施して、放置する。廃棄: 数軒のために橋を作るようなことはせず、居住を移転させるか、そこに住み続けるかは本人たちの自由決定である。(b) 延命策の投資効率があるものは、再使用できる程度に、投資する。(c) 再投資便益が高いものは、別に新たに投資して、現状公共財は (a) と (b) で対応させる。 無理やり、維持費を絞った人の責任を問わず、目先を再投資に論をすり替えるのは疑問だ。問題の接着剤にしても、その向後寿命検査をすれば済むはずで、一律に、議論をまとめるのは疑問だ。自分の経験で新しい材料を取り入れたら、その材料劣化を促進させて、取り替え時期、向後寿命時期を図り、対応することが安全で有効な手段だ。 お金がない倒産寸前の国、地方に、第三者破産管財人が擁立されないのがおかしい。そこで、健全化まで面倒を見させる以外にない。(2013/02/13)

>中央線の笹子トンネルも築109年ですが、崩落事故は聞きません。これは、どう説明すればいいのでしょうか。■鉄道も結構壊れていて報道されてますよ。例えば「トンネル*剥落」とかでググってみれば。■ちなみに、中央道笹子トンネルは、トンネルの躯体そのものは壊れておらず、躯体からつるした天井板などが落ちたのですから。(2013/02/13)

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