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「社外取締役を増やすだけで統治を強化できるわけがない」

企業統治研究の第一人者、メイヤー教授が示す2つの提案

2013年2月12日(火)

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 2011年に巨額の損失隠しが発覚したオリンパスの事件を受けて、コーポレートガバナンス(企業統治)の強化が改めて議論の的になった。社外取締役の義務付けなどを軸とした会社法の改正まで論じられたが、実現には至らず、企業統治をどう強化して不祥事を防ぐべきか、その具体的な方策は課題として残されたままだ。

 欧州の企業統治研究の第一人者で、ヨーロッパ・コーポレートガバナンス研究所(ECGI)のフェローも務めるコリン・メイヤー英オックスフォード大学経営大学院教授に、企業統治の強化の具体策について聞いた。

(聞き手は中野目 純一)

日本では2011年にオリンパスの損失隠しが明らかになり、コーポレートガバナンスをどう強化すべきかが議論になりました。実現には至りませんでしたが、社外取締役の義務付けを軸とした会社法の改正まで俎上に上りました。このような日本での議論の流れについてどう思われますか。

メイヤー:オリンパスには既に社外取締役がいましたが、彼らは損失隠しを把握してオリンパスの経営を正すことはできませんでした。このことは、社外取締役が必ずしも有効ではないことを示しています。

 実際、日本以外の国々で行われてきた研究でも、社外取締役が企業のパフォーマンス(行動)に及ぼす影響はさほど強くないことが明らかにされています。社外取締役を増やしたからといって、企業の経営が良くなるとは言うことはできないのです。

 英国では企業の取締役の過半が社外取締役ですが、それが必ずしも企業統治の強化に結びついているわけではありません。

現在の社外取締役に2つの相反する役割がある

では、社外取締役の意義は何なのでしょうか。

コリン・メイヤー(Colin Mayer)氏
1953年生まれ。81年オックスフォード大で博士号(経済学)を取得。94年に同大ザイード経営大学院の創設に尽力し、教授に就任。2006年から2011年まで同大学院の学長を務める。専門は企業財務、企業統治、法人税など。ヨーロッパ・コーポレートガバナンス研究所(ECGI)のフェロー。(写真:陶山 勉、以下同)

メイヤー:社外取締役に求められる役割は2つあります。問題は、その2つの役割が相反するものであることです。

 第1の役割は、企業のCEO(最高経営責任者)やほかの役員に助言することです。コンサルタントのように振る舞い、企業をどう経営すべきかについて独自の助言を経営陣に授ける。

 社外取締役による助言は有効です。なぜなら彼らの多くは異業種で違った経験をしており、企業の経営陣とは異なる視点からその経営についてのアドバイスを与えることができるからです。

 私自身もいくつかの企業で社外取締役を務めてきましたが、企業の経営陣が求めているのは、そうした異なる視点からの助言であることを実感しました。

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「「社外取締役を増やすだけで統治を強化できるわけがない」」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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