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官民連携の先駆者、英国の“教訓”に学ぶ

英エンジニアリング会社アラップの幹部に聞く

2013年2月22日(金)

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 財政難に苦しむ英国では、インフラの建設や維持管理にかかるコストをいかに引き下げるかが大きな課題となっている。民間活用の先駆けとして「PFI(パブリック・ファイナンス・イニシアチブ)」を1992年からスタートしてきたが、コストを引き下げるどころか、結果的に納税者の負担が増えているとの批判も根強い。

 そうした中で政府は2010年10月、「National Infrastructure Plan2010(国家インフラ計画2010)」を発表。公的資金の有効活用や民間活用の促進などで、5年間で2000億ポンド(約30兆円)の投資を実現することを掲げた。

 その一方で、エンジニアリング会社アラップのテリー・ヒル前会長をトップに据えたコスト評価プロジェクト「Infrastructure Cost Review」を立ち上げている。その結果、英国は欧州諸国よりもインフラコストが高いことや、年間で20億~30億ポンドのコスト削減余地があることなどが明らかとなっている。

 コスト評価の事務方として中心的な役割を果たしたアラップのディレクター、ビル・グロース氏に話を聞いた。

 (聞き手は、大竹 剛)

まず、政府がインフラのコスト評価に乗り出した背景について教えてください。

グロース:2010年に現在の連立政権が誕生した当時、英国は景気が後退していました。そこで、政府は2つのことを決断したのです。

ビル・グロース氏(写真:永川 智子、以下同)

 1つは成長で、そのためには経済インフラ、つまり、すべての交通手段や電力、エネルギー、水などへ投資が必要だと考えました。これらの投資は雇用を生み出すと同時に、発展の基礎となるからです。

 しかし、その一方で財源が不足していました。そのため、インフラは今まで以上によりコスト効率の良い方法で建設しなければなりません。政府は英国のインフラ建設や維持管理にかかっているコストは、ほかの欧州諸国よりも高いという話を聞いたこともあって、財務省にコスト評価を実行させました。

 私はそこで1年間、コスト評価に関わり、エンジニアとしての知見を提供しました。私たちは、なぜ、英国のインフラはカネがかかっているのか、それを解決するために何ができるかということを調査したのです。

島国と老朽化で、英国のインフラコストは高い

 英国の独自性として、どうしてもインフラコストが高くついてしまうという側面もあります。国土が狭く、人口密度の高い島国であることがその1つです。例えば、人口密度がより低いためにインフラを安く作れるフランスと比べると、英国はより都市化が進んでいて開けた土地が少ないのです。

それは日本も同じです。

グロース:私は日本に行ったことはないですが、そう言えるかもしれません。

 そしてもう1つが、インフラが非常に古いことです。そのため、資産状況に関する情報が不足しており、既存のインフラに新たに手を加える際に何が起きるか予測がつきにくく、結果としてコストが高くついています。

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「官民連携の先駆者、英国の“教訓”に学ぶ」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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