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インフラの“見える化”で分かった衝撃の事実

米国で脚光浴びるトラブル予防とコスト削減の新手法

2013年3月4日(月)

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 日本より先にインフラの大量老朽化を経験した米国。1930年代のニューディール政策を契機に大量に建設された橋や道路で、1980年代以降に問題が一気に噴出。落橋や穴だらけの道路が事故を誘発し、「荒廃するアメリカ」と呼ばれた。

 そんな米国で今進むのがコンピューターやソフトウエア、センサーの技術を活用したインフラの維持管理だ。インフラ運営の「可視化=見える化」は、どのような効果を生むのか。

 米テキサス州南部のメキシコ湾に面した人口29万人の港湾都市、コーパスクリスティ市。同市ではソフトウエア技術を活用したインフラ管理の徹底した「見える化」に取り組んでいる。

 総延長2000kmの下水道管と2400kmの上水道管、下水処理場と浄水場、総延長1760kmの市道、8万世帯を対象にしたガス供給システム……。様々な公共インフラを網羅する形でリアルタイムに監視・管理する仕組みを導入する。

 何かトラブルが発生すると、市のコールセンターの職員が地理情報システム(GIS)と連動したシステムを活用して場所を特定。市民からの通報内容などを入力して必要な補修作業を迅速に指示して作業の進捗も確認する。

水道管の破裂は1時間、ガス漏れは30分以内に対応

コーパクリスティ市が導入したインフラの監視・管理システムの一画面
地理情報システムと連動した米IBMのインフラ監視・管理システムの一画面

 通報を受けて、保全の担当者が現地で対応するまでの時間は、上水道管の破裂の場合は1時間以内、ガス漏れの場合は30分以内。国土が広い米国の市町村では、インフラのトラブル解決に時間がかかるケースが多いのに対して、極めて迅速に対応できるようになった。

 水道管の破裂は、道路の陥没などの問題に発展する場合も多いが、水道関連の部署だけでなく、同時に道路の保全を担当する部署にも、補修作業の指示書を自動的に作成して通知する。

 事後対応だけでなく、ソフトを活用して集めたデータを詳細に分析することで、将来的なインフラのトラブルを減らす「予防」に活用しているのが特徴だ。

 コーパスクリスティ市では、インフラ関連のデータ分析を進めた結果、衝撃的な事実が分かった。下水道を管轄する部署の仕事の33%が、人口比でわずか1.4%の地域で発生する問題の解決に費やされていることだ。該当する各地域ではいったい何が起きていたのか。

 以前は雨水による増水などで下水道管が滞留してトラブルが発生すると考えられてきたが、データから浮かび上がった実態は異なっていた。晴天時でも事故が頻発する場所を調査すると、埋設から時間が経った下水道管自体に問題があることが分かったのだ。

 空間分析の機能を使って、下水道管の問題箇所を特定して補修計画を策定。大幅なトラブルの減少につなげた。コーパスクリスティ市が2008年に導入したシステムは進化を続けている。

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「インフラの“見える化”で分かった衝撃の事実」の著者

山崎 良兵

山崎 良兵(やまざき・りょうへい)

日経ビジネス記者

日経ビジネス編集部、ニューヨーク支局、日本経済新聞証券部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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