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規制改革、速やかな実行へ政治決断あるのみ

八代尚宏・国際基督教大学客員教授に聞く

2013年3月11日(月)

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 アベノミクスで3本目の矢とされる成長戦略。その成否は規制改革にどこまで踏み込めるかにかかっている。第一次安倍内閣で経済財政諮問会議の民間議員を務めた八代尚宏・国際基督教大学客員教授は「政治決断あるのみ」と訴える。

アベノミクスが動き出しましたが、これまでの進め方をどう評価しますか。

(写真:都築雅人、以下同)

八代:アベノミクスでは、金融緩和や財政政策だけでなく、規制改革を通じて内需を増やすことが3本の矢ですが、この他に社会保障の給付を見直して危機的な状況にある財政を立て直すことも大事だと考えます。

 規制改革会議がようやく動き出しましたが、規制改革はすでに長い歴史があって、議論はし尽くされています。内需創出に有効な項目に絞って、速やかな実行への政治的な決断あるのみ、と言えます。同時に、時代の変化に合わない過去の規制の徹底したレビユーも必要です。例えば、駐車違反防止のために1960年代に定められた車庫の義務付けは、駐車違反取締りの民間開放をさらに進めれば不要になるはずです。その結果、カーシェアリングやレンタカーの乗り捨てが容易になり、国民の利便性も高まります。

 財政赤字の問題の基本は社会保障にあります。一部には「アベノミクスで公共事業を拡大すると、また赤字が増えるのではないか」という懸念が聞かれます。しかし、最大の赤字要因は高齢化によって増え続ける社会保障給付なのです。これは毎年2.5兆円(消費税の1%分に相当)程度、増加する一方で、これを賄う社会保険料は賃金に比例するため、2000年初めごろからずっと横ばいが続いているわけです。この社会保障収支赤字の持続的な拡大が財政を脅かす主因なのです。(詳細はNIRAの「国債に依存した社会保障からの脱却」を参照)

「行列ができるところ」に潜む参入規制

規制改革はどこから手を付けるといいのでしょうか。

八代:「需要はどういうところにあるか」と考えると、答えは簡単。旧社会主義国のような慢性的な行列があるところです。お客がたくさんいるにもかかわらず、提供する事業者が限られているサービス分野では、供給を増やせば確実に需要は付いてくるはずです。

 今、混雑しているサービスの代表例と言えば、都市部の保育所があります。なかなか子供を入れられないのに、なぜ供給が増えないのかといったら、参入規制があるからです。厚生労働省の明示的な規制はないものの、各自治体が事実上、社会福祉法人と競合する企業の参入をブロックしているところが多いのです。

 企業経営の保育所なら、子どもを預かってもらうだけでなく、同時に学習面の付加価値を付けてほしいというニーズにも対応できます。「幼保一元化」という大騒ぎをしなくても、今の保育所に、受益者負担で教育機能を付ければいいだけです。参入企業としても、追加的な収入が見込めれば採算性が向上し、さらなる参入が見込まれます。これを妨げているのが、厚労省の「保育所は福祉」という時代遅れの発想なのです。保育を介護と同様に、誰もが利用できる公共的なサービスとして位置づけるべきだと考えます。

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「規制改革、速やかな実行へ政治決断あるのみ」の著者

松村 伸二

松村 伸二(まつむら・しんじ)

前日経ビジネス副編集長

日刊紙の日本経済新聞、リアルタイム速報の日経QUICKニュース(NQN)、テレビの日経CNBC、週刊誌の「日経ビジネス」と、日経グループの様々な媒体を渡り歩き、マーケット記事を中心に情報発信を続ける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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