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米国は「クリントン・ドクトリン」の継続を

中国の勢力拡大は東・南シナ海だけではない

2013年3月13日(水)

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 第2期オバマ政権がスタートし、ジョン・ケリー氏が国務長官に就任した。前任のヒラリー・クリントン氏が積極的に展開していたアジア回帰政策が変わる可能性がある。JETROアジア経済研究所の塩田光喜氏はこれを強く危惧する。

(聞き手は森 永輔)

第2期オバマ政権が始まり、国務長官がヒラリー・クリントン氏からジョン・ケリー氏に代わりました。オバマ政権の対アジア政策に変化はあるでしょうか。

塩田 光喜(しおた・みつき)
日本貿易振興機構アジア経済研究所 貧困削減・社会開発研究グループ主任研究員。 1979年、東京大学教養学科文化人類学課程卒。 1979年、アジア経済研究所調査研究部に入所。 1985年、海外派遣員としてパプアニューギニアへ。 2003年、海外調査員としてオーストラリアへ。 2005年から現職。 近著に『知の大洋へ、大洋の知へ!--太平洋島嶼国の近代と知的ビックバン』(彩流社 2010年)

塩田:私は、まさにその変化を危惧しています。

 第1期オバマ政権は、アジア太平洋へのピボット(旋回)を宣言しました。ブッシュ政権下の8年間、アメリカはイラク戦争とアフガニスタン戦争に力を集中させました。この間、アジア太平洋地域におけるプレゼンスが低下。この間に中国が台頭し、米中のパワー・バランスが大変動しました。

 これに危機感を抱いたクリントン前長官が「クリントン・ドクトリン」を唱え、アジア太平洋地域へのピボットを始めたのです。ケリー長官がこれを継承するのか、注目していく必要があります。

クリントン・ドクトリンとはどういうものですか。

塩田:クリントン前長官が2010年10月28日に行った演説にその主旨が凝縮されています。同氏が東南アジア・オセアニア6カ国――ベトナム、カンボジア、マレーシア、パプアニューギニア、オーストラリア、ニュージーランド――訪問に旅立つ際、そのスタート地点のハワイで行ったものです。アメリカはアジア太平洋地域におけるヘゲモニーとリーダーシップを手放すつもりはない、と宣言しました。

「米国はアジア太平洋地域のリーダーであり続ける」

 クリントン前長官はまず「21世紀の歴史はアジアで書かれる」と予言しました。「この地域は、世界で最も飛躍的な経済成長を経験するでしょう」。

 そして、アジア太平洋地域においてアメリカのプレゼンスが衰えている、という見方を全面的に否定しました。「米国のアジア太平洋地域におけるリーダーシップが終わろうとしている、と言う人たちがいます。アメリカはアジアにとどまらない、と言うのです。しかし、米国の実績を見てください。実情は全く違います」

 続けて、米国が21世紀においてもこの地域に関与しリーダーシップを発揮していく考えを明らかにしたのです。

 「私たちは共に、これから何十年も先の遠い未来に目を向けています」

 「今後、すべてのアジア諸国が米国のリーダーシップとともに達成できることについても、楽観し自信を持っています」

クリントン前長官のこの宣言は、中国のアジア太平洋に向けての海洋進出、および政治・軍事的膨張に対する反撃の煙火であったと言えます。

何とも力強い宣言ですね。

塩田:そうです。クリントン前長官はこの時、「こうした訪問や、その他の様々な方法によって、私たちは前方展開とも呼べる外交を実践します」とも述べました。私はこの「前方展開」という表現に驚きました。実際には「フォワード・ディベロップメント(Forward Development)」という表現でした。これは、軍を前線に進めるという意味の軍事用語です。

 米国は、アジア太平洋地域におけるシーパワーとして再び立つ考えを示したと言えるでしょう。

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「米国は「クリントン・ドクトリン」の継続を」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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