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商社経営は「多元方程式」だ

住友商事・中村邦晴社長に聞く

2013年3月22日(金)

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 大手総合商社の経営が岐路に立たされている。この10年、商社の好業績を支え続けてきた資源相場が踊り場を迎え、大手5社中4社が2013年3月期に最終減益となる見通し。資源に次ぐ成長のモデルを描けるのか。大手商社トップに戦略を聞く。

この1年に、資源価格の下落もあり、世界経済の情勢は不安定さを増しています。現在の経営環境をどう認識されていますか。

中村:期待をしている部分としては、米国の景気回復があり、これが一番のキーになってくると思っています。やはり米国の市場は巨大で、世界経済に与える影響力もまだ大きい。経済指標を見ても、住宅着工件数や自動車販売台数、雇用もだいぶ戻っています。実際に企業業績も良くなってきました。

 それが個人消費に広がるのが今年なのかと思いますから、今まで世界経済の牽引役は中国、アジアでしたが、これが今年は米国になると見ています。欧米に元気がないと、アジアからそこへの輸出も元気になりません。やはり米国が元気になってくれることが一番です。

中村 邦晴(なかむら・くにはる)氏
1950年大阪府出身。1974年大阪大学卒業後、住友商事入社。国内外で自動車販売に長く携わってきた。2005年執行役員。2012年から現職(写真:新関雅士、以下同)

 中国も10%台の経済成長は期待できないとしても、7~8%ほどを維持するでしょうし、それ以外のアジアもかなり元気になってくるだろうと考えます。あとは日本。自民党政権になって為替も円安に動き、株価もずいぶん上がりました。企業が元気になる素地が出てきています。これが企業業績に反映されるようになればもっと景気に弾みがついてくると思います。

それにしてもここ最近の経済情勢は短期的かつ激しく変化しています。

中村:最近は政治と経済がかなり密接につながっていることも背景にあるでしょう。米国の「財政の崖」もそうですし、日本も財政問題が景気に与える影響が大きい。ですからどういった政策が出てくるのかは注視が必要です。ただし、政権交代は世界で一巡しました。政治が落ち着いてくる中で、世界経済は回復基調に向かうと見ています。

 僕は最近、商社の経営はだんだん複雑になってきていると感じています。これだけ資源価格が変動する中で、どういった事業のポートフォリオを持つかが問われる時代に入ったと思います。

 当社は2019年に創業100周年を迎えます。そこで、中期経営計画の策定と同時に、もう少し中長期的な見方、2019年にどういう姿になりたいかを現在考えています。来年度からの中期経営計画の内容は、2019年の姿を目指すための、1年目、2年目と位置づけています。

 では我々が目指す場所、どういう会社にするか、どう成長するかということですが、これは昨年に社長就任の際にも言いましたが、やはり僕は「会社が存続すること」だと考えています。みなさん、それは当り前だと思われるかもしれませんが、過去には米国の大きな企業があっという間に消えていったケースもありますし、日本でもそうだったわけです。

同じサイズでいたら消えていく

 そうなってはいかん。100周年を迎えるにあたり、さらに50年、100年続けていく。「住友」には400年の歴史がありますが、やはり企業というのは継続していくことが一番のあるべき姿です。立ち止まり、同じサイズのままでいたら、これは消えていく可能性がありますので、成長もしていかないといけない。急激な成長ではなく、安定的に、確実に成長していく、成長し続ける会社を目指したい。そのための礎を2019年までに作りたいと思っています。

 その時、安定的に、継続的に成長していく会社にするための、事業ポートフォリオは何か。例えば資源の比率が非常に高くなると、これはボラティリティー(変動性)も高くなりますよね。我々はボラティリティーの高い企業を目指しているわけではない。

 その際、資源の比率はどうしたらいいのか。現在、総資産の中で我々の資源の比率というのは12%くらいですが、これはもうちょっと増やしても、非資源の部分で吸収できるんじゃないかと思います。例えば今年度においては、2月に、通期の連結純利益の予想を2300億円に下方修正しましたが、資源価格の変動を全体の10%くらいで収められたイメージです。資源の比率が20%になっても、この変動部分は吸収できると思います。

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