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資源相場に一喜一憂は短絡的

丸紅・朝田照男社長に聞く

2013年3月25日(月)

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 大手総合商社の経営が岐路に立たされている。この10年、商社の好業績を支え続けてきた資源相場が踊り場を迎え、大手5社中4社が2013年3月期に最終減益となる見通し。資源に次ぐ成長のモデルを描けるのか。大手商社トップに戦略を聞く。

これまで資源・非資源の事業バランスの重要性を訴えてこられました。資源相場が大きく変動する中で、今後のバランスをどう考えますか。

朝田:これから総合商社の活躍の場を考えると、やはり新興国だと思うんですね。そこで新興国を考えると、やはり資源は決して無視できない。当然のことながら資源価格というものは変動が激しく、上がったり下がったりするわけです。ですが、それに一喜一憂して、資源価格が下がったから資源への取り組みをやめようとか、抑えようとかいうことは、僕はあまりに短絡的かなと感じています。

 石炭や鉄鉱石の価格が調整局面であるという問題以上に、現在の資源の問題は採掘コストが上がっていることにあります。建設や機器のコスト、完工した後も人件費がこれまでの資源ブームに乗っかって非常に高い。ですからそこが見直されて、まともな状況に戻ることが必要です。

朝田 照男(あさだ・てるお)氏
1948年東京都出身。1972年慶応大学卒業後、丸紅入社。財務畑を歩み、大手商社の中で同部門出身初の社長となった。2002年執行役員。2008年から現職(写真:新関雅士、以下同)

 例えば同じ銅の開発プロジェクトにしても、僕が社長になったばかりの2008年に手掛けたチリの「エスペランサ」と、同じチリ国内でこれからやろうとしている「アントコヤ」のプロジェクトでは、設備投資やその後の運営にかかる金額がまったく違うわけです。倍とは言いませんけど。コストが上限に張り付いているわけで、こういう状況ではやはり高値掴みになってしまう。でも我々商社はある一定割合は常に資源は手掛けていかなければいけないと僕は思いますね。

商社が資源を手掛けなければいけない理由とは。

朝田:新興諸国が経済発展していく過程において、当然資源は必要になってくるわけで、何をやるにしても設備投資には鉄が必要になる。鉄が必要になれば原料炭や鉄鉱石が必要になる。同じように銅のようなベースメタルや石炭は、レアメタル(希少金属)と比較した時に、今後とも永続的に需要が高まっていくと思います。

 リーマンショック後のような世界同時不況にならない限りは、やはり資源市況は調整局面はあっても暴落は絶対にないと見ています。もちろん2割くらいの上下はあるでしょう。原油が1バレル=100ドルが75ドルとか、銅で言えば1トン=9000ドルが7000ドルとか。もちろん、このようにボラティリティー(変動性)は高いわけですが、それ以上の大きな暴落や暴騰が起こりにくい値動きになるんじゃないかと思います。その中でこれはという優良案件は、初期費用、運営費用を見ながら手掛けていきます。

資源一極集中では商社の強みが出ない

 ただし、商社ですから、やはり資源一極集中はダメですよ。逆に言えば、資源一極集中してしまうと商社の強みが出ないんですね。ですから、まず事業を大きく4つから5つのグループに分けます。当社では資源・エネルギー、インフラ、生活産業、もう1つは環境その他になります。こうした4つか5つの分野を均等に攻めていく。そしてそれぞれの分野で強みを発揮することが極めて重要です。

 (米穀物トレード大手の)ガビロン買収手続きが今期中に終了するという前提ですが、この3年の新規の投融資は1兆円の規模になります。この内訳は、ガビロンがありますので生活産業がこのうち35%と、やや高くなりますが、ほかの分野はそれぞれ20~25%ずつです。

 あのリーマンショックの時も、10年前の丸紅では赤字になっていたかもしれないけれど、1000億円前後の利益が稼げたということは、我々のポートフォリオが分散されているということ、収益構造がバランスしているということです。商社のコンピタンスが何かを考えると、やはりそれだけ多くの事業を抱えて、あらゆる方面に投資をしながらトレードしていくことじゃないでしょうか。

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