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英雄のいない国が不幸なのではない。英雄を必要とする国が不幸なのだ

田坂広志氏と伊勢谷友介氏が語る新しい民主主義の形・その1

2013年4月2日(火)

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今、民主主義が問われている。昨年12月の衆院選では自民党が大勝し、絶対安定多数を握ったものの、エネルギーや国防、通商など国の将来を左右する問題は山積しており、いずれも国論を二分する事態に陥っている。

民意はなかなか反映されず、世の中は一向に良くならない。そんな民主主義の限界を打ち破るため、昨年12月に発足したのがデモクラシー2.0イニシアティブだ。様々な組織や団体が参加し、現状の民主主義を新しい参加型民主主義に変革していくことを目指す。

今、なぜ民主主義の変革なのか。デモクラシー2.0イニシアティブの発起人の一人で、日経ビジネスオンラインではコラム「エネルギーと民主主義」の執筆者としてもおなじみの田坂広志氏と、俳優・映画監督で、自ら代表を務める株式会社リバースプロジェクトにおいて、新しい政治参加の方法を考え提案する「クラウドガバメントラボ」などの活動にも力を入れる伊勢谷友介氏が対談した。

昨年12月、お二人は「デモクラシー2.0イニシアティブ」という新たな活動を始めました。現在の民主主義を新しい参加型民主主義に変革する活動ということですが、では、お二人は現在の民主主義のどこが問題だと考えているのでしょうか。

田坂 広志(たさか・ひろし)氏
多摩大学大学院教授。1974年東京大学卒業、81年同大学院修了。工学博士(原子力工学)。1987年米国シンクタンク・バテル記念研究所およびパシフィックノースウェスト国立研究所の客員研究員を経て、1990年日本総合研究所の設立に参画。取締役・創発戦略センター所長を務める。2000年多摩大学大学院教授に就任。同年シンクタンク・ソフィアバンクを設立、代表に就任。2003年社会起業家フォーラムを設立、代表に就任。2008年世界経済フォーラム(ダボス会議)GACメンバーに就任。2010年世界賢人会議ブダペストクラブ・日本代表に就任。2011年3~9月、東日本大震災に伴い内閣官房参与に就任。原発事故への対策、原子力行政の改革、原子力政策の転換に取り組む。2012年民主主義の進化をめざすデモクラシー2.0イニシアティブの運動を開始。著書は60冊余。近著に『官邸から見た原発事故の真実』『田坂教授、教えてください。これから原発は、どうなるのですか』(写真:竹井 俊晴、以下同)

田坂:「今の民主主義がおかしい」ということは、おそらく多くの国民が感じていると思います。昨年12月に行われた衆議院総選挙について言えば、私はどの党派を応援するといった立場ではありませんが、出てきた結果が民意を反映しているのかというと、勢力を伸ばした側ですら「これは国民の信任を得たものではない」と語らざるを得ない状況になっています。

 国民も同じように感じています。例えば、現在の選挙制度は、民意を大きく歪める形で議席が与えられてしまうと考えていると思います。また、各政党とも、毎回の選挙でマニフェストを掲げるようになりましたが、「マニフェストで約束したことを実行しますから、我々に一票を」と言っていた政党が、現実に政権を取ってみると、マニフェストに書いてあったこととは逆のことを実行するということが起こりました。

 もちろん、そこに政党なりの理屈や論理があるのは分かります。しかし、国民は、そもそも「民意を反映する」という言葉に象徴される間接的な議会制民主主義の限界を感じているのです。それは、政治家の方々も本当は分かっているのでしょう。では、選挙制度を小手先で変えれば、こうした状況が変わるのかというと、誰もそれには期待していない。現在、衆議院の定数削減の議論がなされていますが、仮に定数削減がある程度、実現したとしても、多くの人はそれで問題が解決されるとは思っていません。

 さらに言えば、参院選に向けネット選挙の問題が注目されています。これは当然、やらないよりはやった方がいいのですが、ネット選挙が解禁されたからといって、「間接民主主義」という民主主義のあり方が大きく変わることはない。それは、民主主義の変革のごく小さな一歩に過ぎないのです。

「政治をする側」と「される側」に分かれてしまった

伊勢谷 友介(いせや・ゆうすけ)氏
俳優、映画監督、株式会社リバースプロジェクト代表。1976年生まれ。東京藝術大学美術学部修士課程修了。大学在学中の1998年、ニューヨーク大学映画コース(サマーセミスター)に短期留学、映画制作を学ぶ。1999年映画『ワンダフルライフ』(是枝裕和監督)で俳優デビュー。2003年、初監督作品『カクト』が公開。2008年、地球環境や社会環境を見つめ直し、未来における生活の新たなビジネスモデルを創造するプロジェクト『リバースプロジェクト』をスタートさせる。2012年に「おまかせ民主主義から参加型民主主義へ」を掲げクラウドガバメントラボを設立。主な出演作に『金髪の草原』(犬童一心監督)、『ブラインドネス』(フェルナンド・メイレレス監督)、『CASSHERN』(紀里谷和明監督)、『嫌われ松子の一生』(中島哲也監督)、『十三人の刺客』(三池崇史監督)、『あしたのジョー』(曽利文彦監督)、「白洲次郎」(NHK)、「龍馬伝」(NHK)などがある

伊勢谷:私は「政治をする側」「される側」に分かれてしまったことが大きな問題だと考えています。例えば、TPP(環太平洋経済連携協定)の話が出てきたとしても、「TPP?」とクエスチョンマークが出る人も多いのではないでしょうか。これを徹底的な情報公開のもと、全員が参加し、議論し、その声を政策に結び付けていくという方向に持っていかなければならないと考えています。

 リバースプロジェクトや監督としての映画制作など、私の活動もすべて、現状を直視したうえで個人としてどのようなアクションが取れるのか、ということが行動原理になっています。

 例えば、2009年に設立した株式会社リバースプロジェクトでは、「人類が未来の地球に生き残るためにはどうするべきか?」という命題のもと、衣・食・住を中心に様々な取り組みをしています。現在の人類は物質を消費しすぎており、これが未来に多大な影響を及ぼすということは、多くの人が理解しています。しかし、それに対して何か行動をするかというと、なかなかできない人が多いのではないかと思います。そこに新しい選択肢を提示するのが、私たちの活動だと考えています。

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「英雄のいない国が不幸なのではない。英雄を必要とする国が不幸なのだ」の著者

田坂 広志

田坂 広志(たさか・ひろし)

多摩大学大学院教授

1974年東京大学卒業、81年同大学院修了。工学博士(原子力工学)。米シンクタンク客員研究員などを経て、2000年多摩大学大学院教授に就任。2011年3~9月、東日本大震災に伴い内閣官房参与に就任

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

伊勢谷 友介

伊勢谷 友介(いせや・ゆうすけ)

俳優/リバースプロジェクト代表

1976年生まれ。東京藝術大学美術学部修士課程修了。1998年、ニューヨーク大学映画コース(サマーセミスター)に短期留学。数々の映画やドラマに出演。地球や社会を見つめ直す活動にも力を注ぐ。(写真:©操上和美)

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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