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TPPで日本と協調することが米国の長期戦略

渡部恒雄・東京財団ディレクターに聞く

2013年4月2日(火)

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 安倍晋三首相の正式表明で動き出したTPP(環太平洋経済連携協定)への交渉参加。農協、医師会に自民党内の反対派を“抑えて”ここまで来たが、本当の難所はこれからだ。カギは「聖域なき関税撤廃を前提にしない」とする自民党政権に理解を示し、TPP交渉参加へ背中を押す格好になった米国の動向。米国の政官とシンクタンクなどに広い人脈を持つ東京財団の渡部恒雄・ディレクターに米国の本音を聞いた。

(聞き手は田村賢司=日経ビジネス編集委員)

2月末の日米首脳会談で「すべての関税撤廃が前提ではない」とした共同声明が日本のTPP参加表明を大きく後押しする結果になった。米国の意図はどこにあるのか。

渡部 恒雄(わたなべ・つねお)氏
東京財団ディレクター(政策研究)兼上席研究員。1963年11月生まれ。東北大学歯学部卒業後、歯科医師に。その後、米国留学。ニューヨークのニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチで政治学修士課程修了。1995年に米CSIS(戦略国際問題研究所)入所。日本の政党政治と外交政策、アジアの安全保障、日米関係を分析。2005年から三井物産戦略研究所主任研究員などを経て2009年から現職。渡部恒三・元衆院副議長の長男。

渡部:日本から見ると、米国は一丸となってTPPを推進しようとしているように思えるかもしれないが、一般の人の関心が高いわけではない。日本の国内のように多くの人が知っていて注目している問題でもない。

 だが、米国にとってTPPはやはり重要なテーマになっている。それは国益に密接に絡むからだ。この側面からTPPの先行きを眺めれば、(日本で考えるのと)別の見方ができる。

 バラク・オバマ政権にとっての重要な課題は、(世界経済の成長センターである)アジアでの米国のプレゼンス(存在感)を維持し高めること。そのために、TPPには意味がある。

 これを通じてアジア・太平洋地域で「協力の枠組み」を作る。しかもそれを米国と、日本や豪州のような同盟国が主導して進めることが重要だと考えている。国内の関心が高いわけでもないのに、オバマ大統領が今年2月の一般教書演説で「TPPの交渉妥結を目指す」と明言したのもそのためだろう。

中国に「協力の習慣」をつけさせたい

「協力の枠組み」とは何か。その狙いはどこにあるのか。

渡部:「協力の枠組み」とは、貿易、外交、安全保障など様々な面で多国間協力の仕組みを作るということだ。オバマ大統領は、一般教書演説でTPPについて「輸出を増やし、成長を続けるアジアと公正な競争条件を整える」と説明し、協議を加速するとしたが、念頭にあるのは中国だ。

 TPPは経済の自由主義を重視する経済連携協定だ。(政府調達や外資の投資規制など様々な領域で)自由化が要求されるTPPには、国家資本主義型の中国は入りにくい。だが、中国も貿易で利益を上げているわけだからTPPに関心はあるはず。今は、いいとこ取りだけをする「唯我独尊的傾向」が強いが、他国と協力することが自国の利益になることを理解してもらう。中国に、いわば「協力の習慣」をつけさせたいというのが米国の狙いだろう。

 TPPのような協力の枠組みを多数作れれば、中国も国益上参加せざるを得なくなる。その中で「協力の習慣」をつけさせるというわけだ。

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「TPPで日本と協調することが米国の長期戦略」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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