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「我々の離職率は高くない」

ワタミ・桑原豊社長が、若手教育について語る

2013年4月16日(火)

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 激務の割には低賃金。過大なノルマと軍隊的社風に支配され、離職率は常に高止まり――。劣悪な労働環境の企業が、ネット上で「ブラック企業」と呼ばれ始めたのは、10数年前からだという。匿名掲示板の隠語の1つとして生まれた言葉はその後、若年層に急速に浸透していった。厳しい社員教育や猛烈営業をモットーとするスパルタ系企業、さらには若者の目に「時代遅れ」に映る古い体質の企業までもが、今では「ブラック」呼ばわりされている。

 企業が「ブラック」と呼ばれないためには、採用や教育をどう変えるべきなのか。日経ビジネス4月15日号特集「それをやったら『ブラック企業』~今どきの若手の鍛え方~」では、「ブラック」と呼ばれないための、企業の新人教育、採用方法などについて紹介している。

 日経ビジネスオンラインでは、同特集との連動連載をスタート。1回目はファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、若手社員の教育方針について語った(リンク:「甘やかして、世界で勝てるのか」。

 2回目はワタミ。若者の間ではワタミに限らず、低価格飲食チェーンの多くが「ブラック企業」とされている。その中でいかに若手社員のモチベーションを高めるのか。ワタミのトップ、桑原豊社長が今の思いを独白する。

ワタミ・桑原豊社長

 「ブラック企業」という言葉が急速に浸透していますが、現段階で「ブラック企業」の定義が明確ではありません。我々としては、定義が明確でないものに対する見解を述べる立場にはないと判断しています。

 ただ「ブラック企業」であるということばかりが喧伝される状況は決して、良いことではない。そこで今回は、改めて我々が実施している、社員教育について、きっちりと説明したいと思いました。

 かねてから、ワタミグループでは年4回の理念研修と、年2回の幹部理念研修、月1回の階層別研修を実施しています。これ以外にも毎月、ビデオレターなどを通じて、経営トップや本部スタッフと、店舗や施設の現場スタッフがコミュニケーションを取るように努めています。この取り組み自体はとても実のあるものでしょう。

 ただ一方で、研修会場でスタッフと話すと、「自分たちの頑張っている姿を、現場でしっかり見て欲しい」という声を多くもらっていたのも事実です。そこで、社員みんなが頑張り、輝いている瞬間を、我々経営トップが現場で直接見ることが必要だと思いました。現場に訪れて、スタッフに対して直接「ありがとう」という言葉を伝えたい。その一心で、今年1月からは遠隔地の拠点を中心に訪れる「ありがとうツアー」を実施しました。

6泊7日で社員に「ありがとう」ツアー

 「ありがとうツアー」では、会長の渡邉美樹と私が6泊7日で、富山、金沢、福井、仙台、長野、熊谷、名古屋、広島、福岡を訪問しました。外食店舗42店と3つの介護ホーム、宅食の5営業所のほか、手づくり厨房の3センターを回り、各地でスタッフとの交流会を3回開きました。

 我々は、「ありがとうツアー」に備えて、直筆メッセージを書き込んだ「ありがとう名刺」を900枚持参しました。ですが2日目には早くもそれが足りなくなり、急遽増刷して、計2300枚の「ありがとう名刺」を配りました。名刺のほかにも、1550枚の写真と、サインを書いた約600枚の色紙も配布しました。

渡邊美樹会長が、スタッフに配布した「ありがとう名刺」

 ワタミグループの社員やアルバイトメンバーさん、準社員さん、まごころスタッフさんとの対話を繰り返して実感したことは、入社5年目くらいの、各地で頑張っている生え抜きの社員たちが、実にワタミらしく成長していたことです。厳しい外食不況の下でも、上司が彼らをしっかりと育てていたのでしょう。

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「それをやったら「ブラック企業」」のバックナンバー

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「「我々の離職率は高くない」」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネスクロスメディア編集長

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・運輸業界や小売業界などを担当。2017年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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