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原発賛否の前に直視しなければならないことがある

「わかりやすい国会事故調プロジェクト」を立ち上げた石橋哲氏に聞く

2013年4月18日(木)

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 4月8日、衆議院で「原子力問題調査特別委員会」が開かれた。昨年7月に提出された「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」いわゆる国会事故調の調査報告書に基づいて設置されたものだ。原発事故から2年。その教訓を生かすための第一歩を国会がようやく踏み出したのかといえば、実態はそうではないらしい。

 国会事故調の報告書は、黒川清・政策研究大学院大学アカデミックフェローを委員長とする10人の有識者が、スタッフ選びから着手し、約7カ月間で事故の原因、被害の状況、国会への提言をまとめた。延べ1167人、900時間を超えるヒアリングを実施し、被災住民アンケートでは1万633人、東京電力及び協力会社の従業員アンケートでは2415人から回答を得、20回の委員会で計38人の参考人を招致して作った力作だ。

 しかし現在、この報告書を国民の代表である国会がどう受け止めるのか、今後の取り扱いはどうなるのかは不透明だ。このままでは報告書は宙に浮いてしまいかねない。より多くの人に報告書の意義を理解してもらうため、「わかりやすい国会事故調プロジェクト」を昨年11月に立ち上げた、元国会事故調事務局の石橋哲・調査統括補佐に聞いた。

(聞き手は田中太郎)

国会事故調は、原子力発電を進めてきた事業者側である政府事故調や東京電力事故調と比べ、中立的な立場で調査・報告する組織だったと受け止めています。

審議機関の在り方をイノベーション

石橋哲(いしばし・さとし)氏
1964年和歌山県生まれ、87年東京大学法学部卒業後、日本長期信用銀行入行。2003年5月産業再生機構参加、2006年12月クロト・パートナーズ設立。主に事業会社における事業・組織再構築にかかる計画策定・意思決定工程の支援面で活動中。東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)に調査統括補佐として参加、プロジェクトマネジメントなどを担当した。現在「わかりやすい国会事故調プロジェクト」を推進している。

石橋:「中立的」とは、国会事故調は今回の事故の当事者である事業者および政府・霞が関から完全に独立した第三者の立場であったということです。具体的には、従来の政府が設置する審議会や今回の政府の事故調査委員会とは違い、各委員が国会の指名人事で、各党からの推薦を受けた人たちであることに加え、それをサポートする事務局のスタッフも、政府あるいは事業者の関係者が排除され、中立的立場の人たちが集められたということです。

 政府の審議会は国家行政組織法に基づいて、○○省といった行政が事務局を務めます。行政は精緻な原案を作成するためにものすごく準備して、委員からの質問に答えられるようにしています。実際の文章も事務局が書くので、委員の先生方がそれにコメントすることしかできません。したがって、審議会の短時間の議論では、内容をがらりと変えるようなことはありません。事務局が作った原案がほとんどそのまま答申書など成果物になることがきわめて多いのです。これでは中立性は担保できません。

 これに対して国会事故調は、政府や原子力事業者とも関係がなかったスタッフからなる調査・広報・総務などのチームを事務局として設置し、調査統括が中心となって委員と綿密に打ち合わせながらアジェンダ設定や報告書作りを行いました。結果として、委員の方たちが報告書のグラウンドデザインから参加することになります。委員の意見や調査結果はすべて成果物に反映されています。

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「原発賛否の前に直視しなければならないことがある」の著者

田中 太郎

田中 太郎(たなか・たろう)

日経エコロジー編集長

1990年早稲田大学卒業、日経BP社入社。「日経レストラン」「日経オフィス」「日経ビジネス」「日経ビジネスアソシエ」「日経エコロジー」「ECO JAPAN」などを経て2014年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官