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20世紀向けの組織では生き残れない

エリック・ブリニョルフソンMIT教授に聞く【後編】

2013年4月19日(金)

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 世界経済は金融危機から回復途上にある。だが、その足取りにもどかしさは否めない。先進国ではとりわけ雇用の回復が遅れている。理由はなぜか。デジタル技術の進化が雇用を奪ったことを実証的に提示し、米国で話題を呼んだ『機械との競争』(日本版は日経BP社)の筆者、エリック・ブリニョルフソンMIT教授に聞いた。

「デジタル技術の進化が速すぎたことで雇用を失った」ということでしたが、一方で、対応次第ではチャンスにもなると主張されています。

ブリニョルフソン:もちろんそれは簡単ではありません。工学や科学、技術の世界にいる人たちは、非常に優秀なロボットを作ることに成功しました。一方、経済学者や社会科学の専門家、あるいは企業のマネジメント層は、テクノロジーとの協業に対応できていないのです。

 そうしたミスマッチに直面しているのに、なお以前の制度のままでいる。テクノロジーが変化したのに合わせて制度も変えねばならないのです。それは大きな挑戦です。

エリック・ブリニョルフソン(Erik Brynjolfsson)氏
米ハーバード大学卒。米マサチューセッツ工科大学(MIT)にて博士号(経営経済学)を取得。現在はMITスローン・マネジメント・スクール教授。デジタル・ビジネス・センターのディレクターやスローン・マネジメント・レビュー誌の編集長なども務める。著書に『インタンジブル・アセット』(ダイヤモンド社)などがある。『機械との競争』(日経BP社)は、デジタル・ビジネス・センターのアンドリュー・マカフィー主任リサーチサイエンティストとの共著。(写真:常盤武彦)

企業を含め、既存の組織形態ではもはや対応できなくなりつつあるわけですね。

ブリニョルフソン:そういうことです。伝統的な組織は20世紀に対してデザインされたものに過ぎません。つまり、オールドテクノロジーに合わせて作られたものなのです。デジタルテクノロジーに合わせられてはいません。それもあって、多くの人は自らが貢献する方法を見つけられないでいる。だから雇用が減ったのです。

 (リーマンショックを契機とした)大不況が起きた時、企業の幹部は「我々は10%とか20%、30%の人を削減できる」と私に言いました。経済が回復し、需要が戻ってどうなったか。彼らのことを再雇用する必要はなかったのです。人を戻さなくても生産性が上がったからです。そういう人はもう必要とされていない。テクノロジーとコンピューターが彼らのやっていた仕事をできるようになってしまったのです。

伝統的企業は自己変革しなければならない

新たな時代にうまく対応している企業はあるのでしょうか。

ブリニョルフソン:わずかですが。たとえば、アマゾンはその1社でしょう。うまくやっているシェア経済の会社*もある。しかしまだ初期の段階です。そうした会社はたくさんの従業員を雇っているわけではありません。ですから、我々はデジタル技術と雇用とを融合できる新たな道を考える必要があるのです。

* 既存のレンタル産業だけではなく、個人がインターネットを通じて、自分が所有するモノを直接貸し借りするサービスも含む

伝統的な企業は自己変革しなければならない。

ブリニョルフソン:その通り。自分で自分を変えねばならない。個人もです。働き手も自分を変える必要があります。さらには社会そのものも変わらねばならない。

「技術は雇用を破壊する ~『機械との競争』著者が語る~」のバックナンバー

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「20世紀向けの組織では生き残れない」の著者

細田 孝宏

細田 孝宏(ほそだ・たかひろ)

日経ビジネス 副編集長

1995年早稲田大学卒業。日経BPに入社し、日経ビジネス編集に配属される。日経アーキテクチュア編集、日経ビジネス・ニューヨーク支局長などを経て現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長