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安易に大企業に就職してはいけません

2013年4月25日(木)

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 チョコレートの「キットカット」やインスタントコーヒーの「ネスカフェ」などを販売するネスレ日本の高岡浩三社長兼CEO(最高経営責任者)は、父も祖父も42歳で亡くなったことから、自らの寿命も42歳で尽きることを覚悟して生きてきた。42歳を人生の「〆切」と定め、42歳からの逆算で人生を駆け抜けようと決めた結果、高岡氏は、今では1つの文化にまでなっているキットカットの受験生応援キャンペーンを成功させ、生え抜きの日本人として初めて社長に上り詰めた。

 このコラムでは人気プロデューサーおちまさと氏のプロデュースで高岡氏が自らの考えを綴った初の著書『逆算力 成功したけりゃ人生の〆切を決めろ』の一部を掲載し、高岡氏の逆算の人生哲学を紹介する。

「外資系企業」ネスレに入社する

 ネスレ日本というと今でこそ、多少知られた会社かもしれません。しかし、私が入社した当時はほとんど無名に近い会社でした。当時はフランス語読みのネスレではなく英語の発音で「ネッスル」と呼ばれていましたが、そうしたこととは関係なく、そもそも外資系企業に就職するという発想が学生にほとんどなかったのです。

 私にはもともとブランドを作る仕事をしたいという「志」がありました。そうした「志」を持っていたので、ブランドを作ることに優れているネスレを選びましたが、実は大手の広告代理店からも内定をもらっていました。

 その広告代理店には、母の弟、つまり叔父が勤めていました。母が若い時にある会社の役員秘書をしていて、そのつてで叔父が広告代理店でアルバイトをするようになったのがきっかけだったそうです。まだその会社がそれほど知られていない時期です。叔父はそのまま社員になり、広告代理店の急成長とともに会社員人生を歩んできました。

 父が亡くなった後はずっとこの叔父が父親代わりでした。当然、進路の相談もしていました。そんな成り行きもあって、叔父も母もその広告代理店に入ってほしかったようです。

 でも、私の頭の中には42歳という自分で決めた寿命があります。確かに叔父が勤めている会社はいい会社かもしれません。私が志していたブランドを作る仕事もできるでしょう。でも、日本の会社で42歳というと課長ぐらいの年齢です。せっかく就職するのに、係長とか課長で終わってしまっては「ブランドを作る」という「志」が達成できないと考えたのです。

 そこで外資系の企業に入ることを考えました。先ほども書いたように、当時は誰も外資系企業に見向きもしない時代でしたが、賭けてみたいと思ったのです。外資系であれば、きっと実力主義だろうと。そして、その結果、どこかの時点で会社を去ることになるかもしれないが、それも仕方ないと。実際のところ、欧州の企業であるネスレは米国企業と違って、そこまでの実力主義ではないのですが、当時はそこまでの知識はありませんでした。

 ネスレに惹かれたのは、年金が手厚かったことも理由の一つです。何しろ42歳で死んでしまうかもしれないわけですから、家族には苦労をかけたくないと思っていました。ネスレは基本給の半額を本人が亡くなるまで支払い、本人が亡くなった場合は基本給の4分の1を配偶者が亡くなるまで支払う年金制度が当時からあったのです。

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「ネスレ日本社長 高岡浩三の「逆算力」 成功したけりゃ人生の〆切を決めろ」のバックナンバー

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「安易に大企業に就職してはいけません」の著者

高岡 浩三

高岡 浩三(たかおか・こうぞう)

ネスレ日本社長兼CEO

1983年、神戸大学経営学部卒、ネスレ日本入社。ネスレコンフェクショナリーマーケティング本部長として「キットカット」受験キャンペーンを成功させる。2010年11月ネスレ日社長兼CEOに就任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

おちまさと

おちまさと(おちまさと)

プロデューサー

1965年東京都生まれ。ヒット番組やWEBサイトの企画、企業ブランディングまでジャンルを越え活躍。「対談の名手」としてインタビュアーを務めることが多く、ブログやツイッターも高いアクセス数を誇る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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