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「幸せな結婚」という偽装工作で男をハメる「タガメ女」とは

深尾葉子・大阪大学大学院准教授に聞く「家族関係の欺瞞の原点」

2013年5月10日(金)

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 高収入、大企業勤務、将来性あり――。こんな高スペック男性をがっちり捕まえ、“搾取”する「タガメ女」。様々な社会病理の背景に、欺瞞に満ちた男女・親子関係が作り出す呪縛があるという。深尾葉子・大阪大学大学院准教授に聞いた。

(聞き手は秋山知子)

早速ですが、『日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体』(講談社α新書)。いやーまいったな、と思いました。最初は単純な専業主婦攻撃の本かと思いましたが、読んでみるとそうじゃない。日本社会にたくさん存在する、あるタイプの夫婦・親子関係が、現代社会の様々な病理を生み出しているという指摘ですね。

 読んでいて、笑いと恐怖が交互にこみ上げてきたんですが、たぶん女性よりは男性、それもいわゆる「高スペック」男性にとっては、恐ろしい本でしょうね。

深尾:ある男性は、読んでいてお腹を下してしまったそうです。ちょうど「ママ友地獄」について書いてある章だったらしいですが。

タガメ女:田んぼに生息してカエルを捕獲するタガメのごとく、収入や社会的地位のある男性を捕獲し、「幸せな家庭」というタガにがっちりとはめて自由を奪い、リソースを吸い尽くす女性。夫だけではなく子供、ママ友など周囲の人間関係をもタガによって呪縛する。搾取される側の男性は「カエル男」と呼ぶ。

この手の女性って現実にたくさんいるし、しかもそういう要素はたぶん多かれ少なかれ誰にでもあるので、これまであまり意識していなかったと思うんです。でも、「タガメ女」という名前がついたら、これまでよく分からなかったいろいろなことが一気に腑に落ちました。

深尾葉子(ふかお・ようこ)
大阪大学大学院経済学研究科准教授。87年、大阪市立大学大学院前期博士課程東洋史専攻修了。中国内陸農村部における環境問題の社会的歴史的分析などを手がける。著書に『魂の脱植民地化とは何か』(青灯社)など。
(写真:山田哲也)

深尾:最初に気づいたのはもう10年も前なんです。当初はそれほどリアルな事例というのは知らなくて、例えば商社の海外駐在員の奥さん社会が結構すごいらしいとか、エリートと結婚した勝ち組の主婦が恐ろしい殺人事件を起こしたりとかはありましたけど、ごく一部の人たちの話かと思っていました。でも、自分も子育てをして、いろいろな事例を見聞きするにつけ、だんだんこれはちょっと尋常じゃないなと。これは一体何なのか、これを考えないことには日本社会の息苦しさみたいなものを解明できないと思い始めました。それで、事例を集め始めたんです。

タガメ女に搾取される側の男性をカエル男と呼んでいますが、これがまた「あるある」という感じの日本人男性像ですね。

深尾:私の研究室には中国からの留学生がたくさんいるんですが、彼らが「日本は男尊女卑の国って聞いたから、もっと男が偉そうにしてるかと思ったらびっくりした」と言うんです。中国語を勉強しに来るサラリーマンが「今日、コーヒー代300円しかないねん」とか、とにかくお金に関してえらくしみったれてると言うんですよ。

奥さんにがっちり財布を握られてて、お小遣い1カ月3万円とかだから。

深尾:中国の女性も強いんだけど、中国で男性がそんなしみったれた言動をするなんてあり得ないんですよ。メンツが立たないというか、人間として扱われない。その点、日本の男性は大きな子供みたいで、国際的にみても異様に映るというんです。

 いろいろ事例を集めるうちに、これは単なる夫婦関係だけの話じゃなくて、日本経済にも多大な影響を及ぼしているんだということが見えてきました。

コメント76件コメント/レビュー

タガメやカエルを擁護しているコメントがたまにありますが、本人が幸せかどうかはあえてどうでもいいですね。自己責任ですしね。こんな本で気づかされても、自分は違う、幸せだ、って言い聞かせてればいいんだし。どんな生き方でも自分の中での満足感は様々かと思います。それより、そんな枠で生きることを選ぶ人達が最終的には日本の利権構造を・・・という流れ、ちょっと楽しみです。(2014/05/12)

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「「幸せな結婚」という偽装工作で男をハメる「タガメ女」とは」の著者

秋山 知子

秋山 知子(あきやま・ともこ)

日経ビジネス副編集長

1986年日経BP社入社。日経コンピュータ、日経情報ストラテジー、日経アドバンテージ、リアルシンプル・ジャパンの編集を担当。2006年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

タガメやカエルを擁護しているコメントがたまにありますが、本人が幸せかどうかはあえてどうでもいいですね。自己責任ですしね。こんな本で気づかされても、自分は違う、幸せだ、って言い聞かせてればいいんだし。どんな生き方でも自分の中での満足感は様々かと思います。それより、そんな枠で生きることを選ぶ人達が最終的には日本の利権構造を・・・という流れ、ちょっと楽しみです。(2014/05/12)

このコンセプト面白いですね。私はいわゆるタガメ女ではないつもりです。 別の意味で勝ち組に仕分けされるかと思うんですが、それでも最近家庭生活を見直さなくてはと思うことも出来てきました。 つまり私にとって大事な仕事は夫をたて、彼が家で幸せだと思えるような環境にしてあげることだということです。私は現在2児の母、妻、そして専門職としての正社員という多忙な生活を送る(何だろう???)モノです。 仕事はFortune100内大企業でのITエンジニアで、私の年収だけでも1千万以上(夫も今は同じくらいかなぁ?)のまぁ一般的には恵まれていると思われている、しかしそれだけに責任もプレッシャーも重いという仕事です。 特にITは男社会なので(ちなみにエンジニアチームで女性は渡し一人)遣り合っていくにはもっと上の実力がないといけないので大変です。でも実はアメリカでの生活でアメリカ人の夫という裏技を使っているのでこんなことが出来るんですけどね。 周りの人はすごく良く出来る妻のように言ってくれて思い上がっていた面もあったんですが、最近になってもう一つ私にとって大事な仕事は夫を家庭でも幸せにしてあげることだと思うようになりました。アメリカで働いているのでつまりバイリンガルなんだと思うんですが、それほど英語が得意でなかった私。 学生の時にはドウセ英語なんて旅行でしか使わないのにお金をかけても仕方ないという態度で、お金をジャブジャブかけて英会話に行っている友達を見下していたバツが下ってアメリカで暮らす羽目に。(と自分でこれはカルマだと信じているんです。 つらい!!!) なので足りない頭をフル回転させて専門職の仕事にまた子供の学校の友達やPTAのお付き合いに使っているため、家ではいっつも疲れていてとげとげしい私。 自分の言語しか話さなくていい夫に逆恨みしたりして、必ずしも和やかな素晴らしい家庭という雰囲気でなかったのではと最近になって反省しています。タガメ女であってもそうでなくても幸せな家庭を作り上げれる人こそがいい奥さんなんじゃないでしょうか? と私は最近思うんですよ。 いかがでしょうか?(2014/04/19)

あっ。鋭い。うちの昭和一桁の両親も、あまり高スペックの夫でもないですが(笑)、「夫は子作りの道具、生活の手段」な母親の価値観を見て育った者からすると、これも一種のタガメ女だと確信します(だから多分新しい現象ではなく、日本の伝統)。子どもにすると、イヤなもんです。夫の諸君は自己責任もあるとして、子どもが不憫です。p.3にある通り。母親の意を体した父親に過剰に怒られることもですが、何より両親が愛情以外の計算でしか結ばれていないことのやるせなさ。「家庭内でカエル男とタガメ女が再生産され続ける」「タガメ女は自分自身も実は苦しんでいる」の指摘は、いわゆる「アダルトチルドレン(AC)」についてよく言われる通りで、膝を打ちます。読んだ最初は「『家族』を尊重したいらしいアベちゃんたちはタガメ女とウマが合うだろうアハハ」と笑っていましたが、これは笑いごとではない。真面目な話、こういう「家族」の闇を知らないのか見ないふりか想像力がないのか、家族家族と他人に押し付けたがるナイーブな人には心底うんざりしますが、本書の指摘が、扇情的にではなく、広く正しく社会に理解されることに希望を持ちたいです。(2013/06/05)

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