• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

世界遺産はいいけれど地元の意識が追いついていない

富士河口湖町「上の坊プロジェクト」代表、外川真介氏に聞く

2013年5月9日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 富士山が世界文化遺産に登録されることが確実になり、このゴールデンウィークは観光客が殺到した。地元も熱望した20年来の快挙。だが世界遺産として世界中からの熱視線を受け入れるインフラが整備されているのか、本当の意味での遺産としての富士山周辺の遺跡の「再発掘」につながるのか。中世から近世にかけ富士登山の道者を指導してきた「御師(おし)」の末裔であり、富士河口湖町で町おこし担う「上の坊プロジェクト」の外川真介代表に話を聞いた。

(聞き手は小板橋太郎)

JR大月駅から富士急行を乗り継いで伺ったのですが、富士急の車内は私以外は全員外国人でした。富士山が世界遺産に登録される影響は大きいですね。地元の町おこしを担う立場として率直な感想は。

外川真介(とがわ・しんすけ)氏
1973年生まれ、39歳。河口湖町河口地区で生まれ育ち、父方の祖母が、かつて富士山に登拝する修験者たちの拠点となった「御師」の家の出だった。地元の飲食店「峠の茶屋」を経営する傍ら、「上の坊プロジェクト」のリーダーとしていにしえの富士山信仰の拠点としての河口湖町の復権に情熱をかける。(写真:都築雅人、以下同)
外川:観光業に身を置く者ですから率直にうれしいです。すごく良いことだと思います。私は「上の坊プロジェクト」と題して、富士山の有力な登山口だった河口湖町の町おこしを担っています。こうした活動ともリンクしているので、露出度が上がるのは大歓迎です。でも地元のインフラや受け入れ体制ができていないと痛感しています。商売が先に立って無理を押し通したりする人もでてくる。それによってこれまでの仕事に支障が出てくる観光業者もいます。喜びが大きいのと同じぐらい不安もあります。

観光客が押し寄せれば渋滞やゴミ問題も輪をかけてひどくなる。痛し痒しですね。

外川:いえ、そういう意味ではないんです。私が危惧しているのは観光客の意識の低さではなくて、むしろ観光客を迎える側の、地元の住民の意識の低さなんです。

観光客は犯人ではない

というと?

外川:さきほど、河口湖北辺の産屋ヶ崎というところにお連れしましたでしょう?富士周辺でももっとも富士山の景観が良いと我々が自負しているスポットです。富士山の祭神として有名な木花咲耶姫(このはなさくやひめ)がここで出産をしたという伝説から、こう呼ばれるのですが、江戸時代には松尾芭蕉が訪れ、「雲ぎりのしばし百景つくしけり」という句を残したことでも知られます。湖面が凪ぐ朝方には、逆さ富士がとてもきれいに映るんですよ。この湖畔にはクルマが20台ほど停められる駐車場があったのを憶えていますか?

ええ、さすがにほとんど満車でしたね。

外川:でも観光客が写真を撮っていたりしていましたか?

いいえ、そう言えば、いませんでした。

産屋ヶ崎からの富士は芭蕉も句を詠んだほどの名勝だが、格好の撮影スポットになる駐車場を占拠しているのは・・・。

「キーパーソンに聞く」のバックナンバー

一覧

「世界遺産はいいけれど地元の意識が追いついていない」の著者

小板橋太郎

小板橋太郎(こいたばし・たろう)

前日経ビジネス編集委員兼副編集長

1991年立教大学文学部史学科卒、日本経済新聞社入社。整理部、社会部、産業部などを経て2011年から日経ビジネス編集委員。現在は日本経済新聞社企画報道部デスク

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

すきま時間を活用できることに気づいた消費者は、時間価値をかつてないほど意識している。

松岡 真宏 フロンティア・マネジメント代表