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農業再生には地方の現場を動かす仕組み作りが不可欠

野村アグリプランニング&アドバイザリー社長、西澤隆氏に聞く

2013年5月13日(月)

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 安倍晋三政権は経済政策アベノミクスの3本目の矢、成長戦略の柱の1つとして、農業の再生を検討課題に挙げている。農業生産者の活性化や、企業が農業に参入しやすくするための規制緩和などを期待する声が少なくないが、実際に政策としてどこまで踏み込めるかは未知数だ。

 そんな議論が持ち上がる前の2010年、金融機関・証券会社という異色の業態としての農業参入で話題になったのが、野村ホールディングスだ。

 その担い手として設立された野村アグリプランニング&アドバイザリーは、実際に農産物の生産を手掛け、その経験を生かしながら、農業に参入したい企業だけでなく、農業生産者、新たにアグリビジネスの展開を模索する自治体などへのコンサルティングで実績を積み上げている。

 農業生産者と企業、自治体、地域金融機関などが連携し、お互いに実を取ることができるアグリビジネスの実現に向けた課題や求められる政策などについて、エコノミスト出身の西澤隆社長に聞いた。

(聞き手は松村伸二)

2010年に野村グループが金融機関、とりわけ証券会社として農業分野に参入した狙いは?

西澤:野村はグローバル展開をしている一方、日本国内にも170カ所以上の拠点がある。各地域で資金需要が出てこないと、金融業そのものが成り立たない。地域でお金が回るような新しいシステム作りは欠かせない。

 とは言え、これまでの企業・工場誘致を中心とする地域の活性化策がうまくいっていたかというと、そうとも限らなかったのが実情だ。ある地域で積極的に企業を誘致しても、その会社の工場がそこに100年居続けるとは言い切れない。

 そういう中で、「地域に根ざした産業」「逃げない産業」とは何かを改めて考えると、農林水産業を軸とした「アグリビジネス」にたどり着いた。野村も金融業としてタッチしてこなかった分野だったこともあり、将来の可能性が大きいと判断した。

地方を活性化させる「逃げない産業」、それが農業

エコノミスト出身の西澤社長が農業参入に携わった経緯は?

西澤隆(にしざわ・たかし)
野村アグリプランニング&アドバイザリー社長
1964年生まれ、49歳。89年、早稲田大学大学院で経済学修士、野村総合研究所入社。以来、日本経済担当のエコノミストとして活躍。2004年野村證券金融経済研究所経済解析課長。2010年10月から現職。著書に『人口減少時代の資産形成』(2005年、東洋経済新報社)、『日本経済 地方からの再生』(2009年、同)など。

西澤:私は長らく、中長期の日本経済予測を主に担当するエコノミストだった。5年先、10年先、20年先を予測する際、ほぼそうなるであろうとの前提として、最も注視したのが人口動態だった。今後、人口が減っていくという傾向だ。少子高齢化が確実に進むと見られる中で、金融機関としては、そもそも家が余るのでローンや頭金を貯める必要があるのかなど、実物・金融資産を含め資産形成をどう提案すればよいかなどを考えていた。

 残念ながら、人口減少の影響を推し量ろうとしても、ほかの先進国には例がないため、どこからも学ぶことができなかった。そんな時、気付いたことが、「我が国、日本の中に学ぶ場があるではないか」ということだった。つまり、地方の人口減や高齢化が、日本全体の先行きを示唆するはずだと考えた。そこから、地方活性化の方策を考えるようになった。

 地方の活性化策は街づくりから入ることが多い。高齢者の単身者や夫婦のみ世帯が多くなると街中への集住が進み、郊外に土地が余ってくる。その土地をうまく利用する産業があるのではないかと考えた際、それが農業だった。

 こういったことを当時の営業担当役員へ定期的に報告していたのが6~7年前のこと。その後、会社の狙いが重なったことで、実際に自分自身がアグリビジネス参入の旗振り役となったわけだ。

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「農業再生には地方の現場を動かす仕組み作りが不可欠」の著者

松村 伸二

松村 伸二(まつむら・しんじ)

前日経ビジネス副編集長

日刊紙の日本経済新聞、リアルタイム速報の日経QUICKニュース(NQN)、テレビの日経CNBC、週刊誌の「日経ビジネス」と、日経グループの様々な媒体を渡り歩き、マーケット記事を中心に情報発信を続ける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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