• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

バイトが「ジャブを連打」してくるレストラン

2013年6月11日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 生産者と店舗を直結した外食店を展開するAPカンパニーの米山久社長と、オイシックスの高島宏平社長の対談、最終回の今回は、人材育成と、低成長時代の外食産業のサバイバルについて語り合います。

(前回から読む

高島:僕らも生産者の畑に行くときには「自宅用に作っている畑を見せてください」とお願いをするんです。すると、自分用の畑には、安定供給は難しいかも知れないけど、旨い地元の野菜を育てていたりするんですよ。古くからある地場のニンジンだとか。

 で、聞くわけです。「それ、うちに出荷しませんか?」「いやいや、こりゃ自家用だよ。形も悪いし」「だからこそ、ほしいんですよ。なんとか量産してもらえませんか」とお願いをするんです。

米山 久(よねやま・ひさし)
APカンパニー社長。1970年東京・八王子生まれ。2001年、ダーツバーから飲食業に参入。2004年に自社自ら地鶏(みやざき地頭鶏)を育成、店舗で使用する製販直結のビジネスモデルで業界の注目を集める。12年9月、東証マザースに上場。(写真:丸毛 透 以下同)

米山:うちは野菜ではなくて、魚や鶏ですが、やっていることは一緒ですねえ(笑)。かつては飲食店が築地市場より川上の食材の現場にまで顔を出すことは、まあなかったわけです。だから、生産者の方々も、自分たちが普段食べているもの、自分たち用に育てているものの価値がわからなかったりする。そこにまだまだ「食の発見」がある、と思うんです。

高島:伝統的な食べ物の世界って、工業製品以上にサプライチェーンがものすごく長かったりしますよね。農業や漁業の生産者がいて、農協や漁協が間に入って、加工業者が入って、地域の市場に出荷されて、小売店が間に入って、外食の場合は飲食店が入って、ようやく消費者の胃袋に届く。

米山:ええ。だから、生産地という川上と小売りや飲食といった川下の間に立つバイヤーは、生産の現場に顔を出しても、発想が中間流通業者どまりなんです。コスト意識はすごく強いし、安定供給をきっちり考えてくれるけど、最終消費者、つまり実際に食べる人の視線が欠けていたりする。

高島:結果、地野菜に気づかないし、漁師料理にも気づかない。

米山:そのとおり。一方、消費者目線で商品開発をしている連中を、生産地につれていくと、「お、その食材、おもしろい」「この料理、うまいじゃないですか」と勘が働くケースが多い。食べ手の発想だからです。

高島:理想は、食べ手の視線で生産者を尋ね歩き、かつコスト意識のあるバイヤーですね。野菜に関しては、オイシックス自身がそういう役割を果たしたいなあと思っています。

米山:これまでの飲食店は、安定的に手に入る素材を使って、皿の上で商品開発をしてきました。どの店もいかにウチの料理長が自慢の料理を作るかが「勝負の分かれ目」だった。ただし、素材そのものはどの店も築地のような卸売市場経由。つまり食材を供給する生産地からお店までの物語が、メニューには練り込まれていなかったんですね。

ヨネスケのようなバイヤーが欲しい

高島:せいぜい「××産の野菜を使ってます」、といった産地表示で終わりでしたね。

米山:そこまでは誰でも思いつくんですけど、僕らはむしろ産地とメニューの間の物語づくりにこだわりました。たとえば、先ほどの「たたっこ揚げ」の場合ですが、まずは、僕がやったように、生産地で地元の漁師たちが自分たちのためだけに作っていた「たたっこ」という料理を「再発見」することができないとダメです。

 でも、見つけただけじゃ、まだ物語になっていない。この「たたっこ」をお店でどうやって料理の形にして、どうやってメニューに載せて、お客さんが思わず注文したくなるような「色気」をまとわせるか。ここまでバイヤーにはやってほしいんです。

「賢者の食卓」のバックナンバー

一覧

「バイトが「ジャブを連打」してくるレストラン」の著者

高島 宏平

高島 宏平(たかしま・こうへい)

オイシックスCEO

神奈川県生まれ、東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻修了後、外資系経営コンサルティング会社のマッキンゼー東京支社に入社。2000年6月にオイシックスを設立し同社代表取締役CEOに就任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

小池さんがこの言葉(排除)を述べたことで、「風」が変わっていきました。 ただし、小池さんが言ったことは正論です。

若狭 勝 前衆院議員