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今は金儲けより規模拡大! 「収益装置のゲーム」に目もくれないLINEの本心

LINE社長・森川亮氏に聞く

2013年6月4日(火)

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 たわいもない、極めてシンプルなコミュニケーション・アプリとして誕生した「LINE」。ほんの2年足らずの間にユーザー数は全世界で1億5000万人を超え、日本発の「世界を狙えるネットサービス」という夢が、日に日に現実味を帯びている。これだけ巨大なユーザーベースを持つだけに、ゲームのプラットフォームとしての魅力が極めて高いことは言うまでもない。国内ユーザーだけでも4500万人以上。ソーシャルゲームの躍進やスマートフォンの普及を考えれば、ゲームがもたらすLINEの収益ポテンシャルは計り知れない。しかも、さかのぼれば同社の“母体”はオンラインゲーム会社だ。

 既に刈り取りの体制は整ったかと思いきや、LINEの森川亮社長は「今はまだ収益を追わない」と素っ気ない。ネットサービスのユーザーは移り気だ。競合サービスも登場している。それでもなお、コミュニケーションを軸とする価値の増大を優先し、慎重に駒を進める。しかも、現段階ではその戦略がうまくはまっているようにも見える。今後の展開とゲームの位置づけについて、森川社長はいったいどう考えているのか。

(聞き手/酒井康治=日経ビジネス、秦 和俊、写真/吉田明弘)

2011年6月にLINEをスタートして以降、今年1月には1億ユーザーを超え、(5月1日段階のユーザー数は1億5000万人)その急成長ぶりが世間でも広く知られるところとなりましたが、改めて成長の要因について聞かせてください。

LINE 代表取締役社長 森川亮氏

森川亮氏(以下、森川氏):元々インターネットでビジネスを行う中で、最初はPCで開始して、その後フィーチャーフォン、スマートフォンと来ているのですが、我々の「NAVER」、「livedoor」、「ハンゲーム」はフィーチャーフォンに関しては乗り遅れたところがありました。そうしたこともあり、その次のデバイスであるスマートフォンに関しては大胆に展開していこうと決めていました。

 PC、フィーチャーフォンとデバイスが変わる時に、必ず使われるのがコミュニケーション・ツールです。では、スマートフォンにおけるコミュニケーションはどうなるのかと考えた場合、メールサービスなどに変化のチャンスがあるかもしれないので、そこにまず注目しました。その流れの中で、「LINE」を生み出したわけです。

 その後の普及要因では、電話帳との連携やスタンプなどもありましたが、最も大きな点はスマートフォンのコミュニケーションに特化したということです。スタンプ以前に、まずはテキストでのコミュニケーションで始めましたが、それが今までのメールよりも使いやすいという点が受け入れられたのでしょう。

さまざまなOSで使える「LINE」のユーザー数は世界で1億5000万人を超える

無料通話の効果も大きかったのではありませんか。

森川氏:無料通話は後から追加した機能なので、まずはテキストによるシンプルなコミュニケーションというのが大きかったと言えるでしょう。ただ、無料通話はユーザーへのメッセージとして分かりやすい。LINEのようなコミュニケーション・ツールは、使ったことのない人にはうまく説明ができない。しかし、「電話が無料だよ」と言うと、それはいいねとなって、人に紹介したり説明する際に分かりやすいのです。

サービスの価値を高めることに邁進

急成長と言われますが、どの辺りから潮目が変わってきた感じがしましたか。

森川氏:一般にはスタンプのサービスを始めてからと言われているのですが、実際はスタート時の無料メールのみの時から既に伸びていました。“潮目”と呼べるようなものはなく、ずっと勢いよく伸びてきたというのが正直なところです。テレビCMを打った辺りからという見方もありますが、もちろんその効果もありますが、その前から結構増えていたので、コミュニケーション・ツールとしての元々の価値が高かったのだろうと思います。

 普及のためにいろいろ手は打ってきましたが、それよりも、サービスとしての価値をどれだけ高められるかという点に注力してきました。LINEの機能はシンプルなので、当たれば他社が似たようなものを出してくることは考えられます。どうやって新たな価値を加えていくのかというのを今も、日々考えています。

コミュニケーション・ツールとしては順調に拡大してきましたが、ゲームという要素は最初から意識して展開してきたのですか。

森川氏:ゲームだけではないですが、もちろん最初から意識して取り組んでいます。サービス開始当初から、LINEはプラットフォーム化することを前提に企画しましたから。今までもゲーム、検索、ブログなどのコミュニケーションを軸にずっとビジネスモデルを作ってきたのですが、単なるコミュニケーション・ツールで終わるつもりはありませんでした。着手のタイミングをどうするのか、というのが問題でしたね。

さかのぼればハンゲーム、そして検索のNAVERなどがありましたが、それらとLINEとのつながりはあるのですか。

森川氏:元々は検索サービスで、GoogleやYahoo!を超えるという思いを抱いてNAVERを始めました。我々の検索の強みというのが、ロボットが集めてくるのではなく、人の知識や経験を組み合わせて生かす点にありました。それで「NAVERまとめ」というサービスをスタートしたのですが、これはメディアサービスなんです。それで、もう少しコミュニケーションを喚起するようなものをやろうということで、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の「pick」などいくつかサービスを手がけてきました。

 しかし、PCのSNSというのは様々な会社がやり尽くしていて、まさにレッドオーシャンでした。その中で成長していくこと、No.1になることは非常にハードルが高かった。そこにスマートフォンが出てきたのです。それならスマートフォンの可能性に振り切ろうと方向を決めて立ち上げたいくつかのアプリの1つが、LINEでした。

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LINEは端末の連絡先データが吸い出され公私両方の人間関係まで把握されてしまうのでビジネス用途では使えません。(2013/06/04)

「キーパーソン激白! 進化するゲーム・ビジネス2013」のバックナンバー

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「今は金儲けより規模拡大! 「収益装置のゲーム」に目もくれないLINEの本心」の著者

酒井康治

酒井康治(さかい・こうじ)

日本経済新聞社 電子報道部

にっけいでざいん、日経マルチメディア、デジタルARENA、日経トレンディネットを経て、2013年1月から日経ビジネス副編集長。日本経済や地球の未来のことより、いつも猫のことを考えながら仕事をしている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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LINEは端末の連絡先データが吸い出され公私両方の人間関係まで把握されてしまうのでビジネス用途では使えません。(2013/06/04)

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三品 和広 神戸大学教授