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権力者は「負ける勝負」を回避できる

「ロンゲスト・ヤード」(1975年 ロバート・アルドリッチ監督)

2013年6月18日(火)

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既報の通り、押井監督はいま新作(「The Last Druid:Garm Wars」、2014夏公開予定)の準備に入っています。ロケなどで少し間が開いてしまって、久しぶりの更新となりますが、今回もよろしくお願いします。

押井:前にも一度「飛べ!フェニックス」でやったんだけど、今回はもう一本アルドリッチでもいいかな?

構いませんよ。

押井:だったら「ロンゲスト・ヤード」で。これもやっぱりアルドリッチの典型的な映画のひとつです。

 主人公、バート・レイノルズ演じるポールは、昔はアメフトのプロ選手だったんだけど、八百長で追放された過去があって、今は金持ちの女のヒモになってるんです。どういういきさつで八百長をしたのかは明らかにされないんだけど。

 あるときその金持ち女と喧嘩して、手切れ金代わりにもらったスポーツカーをかっ飛ばして、パトカーとチェイスやって、結局捕まって刑務所に放り込まれるんだよ。そこまでが冒頭10分ぐらい。で、刑務所に入るところからが本編。

展開が早いですね。

押井:刑務所に入るときにトレードマークだった口ヒゲを剃られちゃうんだけど、そしたら急に若返るんだよね。それまで口ヒゲを生やして、アル中で酒浸りでしょうもない奴だったのが、口ヒゲを剃って髪も短くすると精悍な顔になるんだよ。刑務所に入ることで往年の名選手だったときの精悍さが少し戻るという、うまい演出なんだけど。

 その刑務所の所長(エディ・アルバート)は、フットボールに異常な執念を燃やしてるんです。看守たちをメンバーにしたセミプロのフットボールチームを作って、地区のチャンピオンシップを争ってる。だから最初からポールに目をつけてるわけ。入所するなり所長室に呼ばれて「今年は優勝を狙えるチームを作る。お前も一丁噛め」と、チームのコーチとして誘われるんです。

 だけど、そのチームを率いる看守長が、所長に会う前にポールに「コーチに誘われても断れ」って脅かすんです。

 ぬるま湯な感じでやりたいから、もしくは囚人に偉そうな顔をされたくないから、ですかね。

押井:ポールは所長に「俺はもうアメフトなんかやらないんだ」って断る。すると、途端にひどい仕打ちが始まる(笑)。

権力者にすり寄るのか、反抗するのか

押井:基本的に看守と囚人の間にはやっぱり危険な緊張関係があるんです。所長がフットボールに執念を燃やしてるということは、囚人もみんな知ってる。

 もうすぐリーグの開幕で、今年は何とか勝ちたい所長はしつこくポールを口説くんだけど、そこでポールは「本番前に仕込みの試合をして勝たせたらいい」って言っちゃうんだよね。要するに噛ませ犬と戦って自信をつけさせろと。そしたら所長から「お前が囚人のチームを作れ」という話になるわけ。その囚人チームに、看守のチームの練習試合の相手をしろというさ。当然、囚人相手だからラフプレイはやり放題で、囚人を痛めつけてやるのと同時に練習も兼ねるというわけです。

なるほど。ひどい話だ。

押井:アルドリッチの映画には絶対的な権力者がよく登場するんだけど、所長というのは刑務所のなかでは神様だよね。そこでポールはどうするのか。

コメント3件コメント/レビュー

『コブラ』のラグボール編を思い出した。(2013/06/18)

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「権力者は「負ける勝負」を回避できる」の著者

押井 守

押井 守(おしい・まもる)

映画監督

1951年生まれ。東京都出身。大学卒業後、ラジオ番組制作会社等を経て、タツノコプロダクションに入社。84年「うる星やつら2」で映像作家として注目を集める。アニメの他に実写作品や小説も数多く手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

『コブラ』のラグボール編を思い出した。(2013/06/18)

一言だけ。押井さん、かっこいいです!(2013/06/18)

魂の自由、いいなあ。でも、所詮は組織の価値観と個人のそれとは同心円ではないのだから、個人の自己実現が会社の価値の極大化をもたらすのは難しいのではないだろうか。効率性より創造性を重んじる会社なら別だが。(2013/06/18)

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