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掛け捨ての保険って、本当は損なんじゃないの?

生命保険には玄人が素人のために書いた本がないという現実

2013年6月20日(木)

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 ライフネット生命を創業する以前、僕はコンサルティングの仕事をしていました。コンサルタントという仕事に専門分野はありません。通信会社のコンサルティングをするときには通信の、レコード会社のコンサルティングをするときにはその業界の研究から取り組みます。どう研究するのか?

 答えはシンプル。
 関連書籍を大量に買い込む。それを読んで勉強する。

 以上です。

 コンサルティング会社にはどんな秘術が隠されているのか、と思うかもしれません。でも仕事は膨大な読書からスタートするのです。いくつかの業界のコンサルティング業務をこなしていくと、だんだん「本読み」の要領が分かってきます。どんな本が役に立つのか。本から吸収した知識をどう組み合わせれば、コンサルティングにつながるのか。

 数年もコンサル稼業を務めると、大体20冊も読めば、その業界の全体像が見えてきます。

 ところが。生命保険業界は違いました。ライフネット生命保険を立ち上げるにあたって、僕はコンサルティング会社時代の経験を生かし、とにかく大量の保険関係の専門書を買い込みました。一気に読みました。名だたる本は大体目を通しました。なのに、いくら本を読んでも、わからなかったのです――保険業界とは、一体どんな仕事なのかが。

 まず、「言葉」がわからない。本に書いてある「専門用語」と、保険業界の人間が口頭で交わしている「口語」とが一致しないんですね。

大量に専門書を読んでも、生命保険が全然わからない!

 このため、あれだけ大量の専門書を読んだのにもかかわらず、生保業界出身の社長の出口治明とアクチュアリー(将来のリスクや不確実性の分析、評価を専門とする専門職)の野上憲一氏(設立時のライフネット生命保険副社長)の会話に全くついていけないんです。

 なぜかというと、会話では正式用語を使わずに、業界用語で話をするからです。

 たとえば、定期死亡保険のことは「テイキ」と呼びます。
 終身死亡保険は「シューシン」です。
 終身保険には終身医療保険もあり、こちらは「シューシンイリョウ」。
 ほかにも、「セキジュン」「フカピー」「ジュンピー」……。
 それぞれ、「責任準備金」「付加保険料」「純保険料」。

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「掛け捨ての保険って、本当は損なんじゃないの?」の著者

岩瀬 大輔

岩瀬 大輔(いわせ・だいすけ)

ライフネット生命保険社長兼COO

1976年埼玉県生まれ。98年に東京大学法学部を卒業後、ボストン・コンサルティング・グループなどを経て、2006年、副社長としてライフネット生命保険を立ち上げる。2013年6月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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