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20世紀、保険営業職員はなぜあらゆる会社を闊歩していたのか

「顧客の開拓は必要ない」と言えるほど効率のいい営業方法とは?

2013年6月11日(火)

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 突然ですが読者の皆さん、生命保険の営業にはどんなイメージを持たれていますか。

 学校を卒業し、新入社員として働き始めたオフィスには、なぜか生命保険会社の営業職員が待ち構えていて、先輩社員にも「入れば」と言われ、あまり深く考えることもなく契約。こういう経験のある方は、けっこう多いのではないでしょうか。

 そもそも、なぜ営業職員はオフィスに自由に出入りできていたのか? 最近は企業のオフィスビルもセキュリティチェックが厳しくなり、外部の人間が自由に入ることは困難になりましたが、少し前まで、保険の営業職員の女性が、各社のオフィスの中を闊歩している、というのは日本の企業の日常風景でした。

 これには歴史があるのです。

 生命保険会社が、長期資金を潤沢に保有している業態であることは、既にお話ししました。そのころも今も、長期資金を大量に保有しているのは、銀行を除いては保険会社くらいしかありません。

 この長期資金は、政府にとっても民間企業にとっても魅力的です。銀行や生命保険会社というのは、一度株主になってもらえれば、長期にわたる安定的な株主になってくれることが多く、ありがたい存在なのです。

 ただし、ご存じのように、銀行には出資規制があります。ですからここは、生命保険会社の独壇場となります。

 ちなみに、全国の一等地に生命保険会社の建物が多いのも、理由は同じで長期資金をたくさん持っているからです。不動産は、長期資金の投資先として適していたのです。これは日本だけの話ではありません。イタリアのヴェネツィアのサン・マルコ広場を囲む建物の3分の1を保有していたのは、ゼネラリという現地の保険会社でした。

大株主になった生命保険会社

 話を日本に戻します。株を大量に取得した生命保険会社は、かくしてさまざまな企業の大株主に収まります。そして、「大株主なので」と、企業に入館証の提供を求めます。その入館証は、自分の会社の営業職員の手に渡ります。

 かくして、株を持っている会社の社内を独占市場として、保険各社は営業をしてきたのでした。これほど効率のいい営業方法はありません。多くの会社は社員の健康診断を義務化していますから、潜在顧客の身元も健康も保障してもらっているようなものです。

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「20世紀、保険営業職員はなぜあらゆる会社を闊歩していたのか」の著者

出口 治明

出口 治明(でぐち・はるあき)

ライフネット生命保険会長兼CEO

1948年生まれ。京都大学を卒業後、日本生命保険に入社。同社を退職後、2006年にネットライフ企画設立、代表取締役就任。2008年にライフネット生命保険に社名変更。2013年6月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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