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米・空軍生まれの研修テスト、日本管理職たちの“悔しい結果”

鳥原隆志・インバスケット研究所所長に聞く「仕事のリボ払い」

2013年6月11日(火)

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 「朝から晩まで働いているのに仕事が終わらないのはなぜですか?」「何も決めないで、無駄なことをしているからですよ。もし生産性を高めたいならば、まずメールを見ないと決めてはどうですか。特に、社内メールは開けないようにすることです」「え?」

 1950年代に米国空軍の教育機関で開発された意思決定のシミュレーションテスト「インバスケット」。この手法を基にした経営コンサルティングの第一人者、鳥原隆志氏に、日本企業の管理職が直面している課題について聞いた。

(聞き手は瀬川明秀)

「インバスケット」とは何でしょうか?

鳥原:机の上にある書類かごを思い出してください。その中には未処理の案件がたくさん入っていますよね。その「未処理案件が入っている書類かご」を「インバスケット」といいます。それらのうち、どの案件から処理していきますか? 「インバスケット」とは、制限された時間内に架空の人物の立場となって案件処理を行うゲームです。

鳥原隆志(とりはら たかし)
インバスケット研究所 代表取締役 1972 年 大阪府生まれ。大手流通業にて精肉や家具、ワインなど様々な販売部門を経験し、スーパーバイザー(店舗指導員)として店舗指導や問題解決業務に従事。昇進試験時にインバスケットに出合い、研究とトレーニングを開始。その経験と問題解決スキルを生かし、株式会社インバスケット研究所を設立。法人向けのインバスケット教材開発と導入をサポートする、日本のインバスケット・コンサルタント第一人者として活動中。著書に『インバスケット思考』(ビジネス書大賞2012 書店賞)

 もともとルーツは1950年代にアメリカ空軍の教育機関で開発されたシミュレーションテストで、習得された知識が戦場においていかに活用されたのかを測定するのが目的でした。

 現在の「インバスケット」は、管理者、リーダーの教育ツールとして大手企業だけでなく官公庁や中小企業でも活用されています。実際のインバスケットとはどんなものかというと、受験者は自分とは異なる業種、職種、役職に設定された主人公として案件を処理していきます。

与えられた時間は1時間、その中で20案件を処理しようというのは、明らかに無理のある設定ですよね。

鳥原:ええ。そうです。でも、日本の管理職の人たちは、優秀な人ほど全部処理しようとするんです。大半は、ほとんど処理できずに1時間が過ぎてしまいます。最初にこのテストをうけた時には、大半の方々がショックを受けるんです。

 でも、ここで大事なことは、「時間を意識する」「絶対的な正解がないことを理解する」ことなんです。1時間内で主人公になり20案件を処理するテストをすることでどんなことが分かるかというと、自分の思考や判断や行動の傾向を知ることができます。

 そして、それらがどのように表われているのか、今までの知識や経験が仕事の現場でどの程度生かされているのかということが明らかになります。

 さらに具体的にいうと、あなたの自分の思考や判断や行動の傾向を、下の10の観点から計ることで、それらの能力のレベルがわかり、自分の強みや弱点が見えてきます。

 具体的には「問題発見力」「問題分析力」「創造力」「意思決定力」「洞察力」「当事者意識」「ヒューマンスキル(対人能力)」「生産性」「優先順位設定力」です。

 案件を処理するための意思決定や判断までのプロセスで、自分がどの能力をどのように使っていたのかがわかるのです。インバスケットは自分の仕事を映す鏡だといえるでしょう。

コメント6件コメント/レビュー

インバスケットという用語初めて知りました。鳥原さん是非日本の大企業に出掛けてこの手法を広めて下さい。大企業には色々な切り口のメーリングリストというものがあり、管理職のアドレスは全てのリストに登録されています。開発を統括していた時期は開発グループ毎のメーリングリストにも登録されているので、一日当たりのメール数はゆうに100通を超え日によっては200通に達する時もありました。人事総務関連では、コンプライアンス、環境管理、輸出管理そして人事評価、人材育成教育関連などが山ほど有り本来の開発に関わるメールをまともに見れない状況でした。皆はメール発信で自分の職責を果たしたつもりでしょうがこちらはたまりません。そこで取った策はメーリングリストのメールは見ないこと。また、自分の開発部門内にはメーリングリストから自分のアドレスを消させました。このため、色々なトラブルが起きましたが本来業務は達成出来ました。しかし、私自身の人事評価は悪かった様です。是非、大企業に啓蒙を。(元通信システム技術者62歳)(2013/06/12)

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「米・空軍生まれの研修テスト、日本管理職たちの“悔しい結果”」の著者

瀬川 明秀

瀬川 明秀(せがわ・あきひで)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ビジネスアソシエなどを経て、日経ビジネスオンライン開設後はオンライン編集がメインの業務。2012年からは日経BPビジョナリー経営研究所の研究員を兼務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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インバスケットという用語初めて知りました。鳥原さん是非日本の大企業に出掛けてこの手法を広めて下さい。大企業には色々な切り口のメーリングリストというものがあり、管理職のアドレスは全てのリストに登録されています。開発を統括していた時期は開発グループ毎のメーリングリストにも登録されているので、一日当たりのメール数はゆうに100通を超え日によっては200通に達する時もありました。人事総務関連では、コンプライアンス、環境管理、輸出管理そして人事評価、人材育成教育関連などが山ほど有り本来の開発に関わるメールをまともに見れない状況でした。皆はメール発信で自分の職責を果たしたつもりでしょうがこちらはたまりません。そこで取った策はメーリングリストのメールは見ないこと。また、自分の開発部門内にはメーリングリストから自分のアドレスを消させました。このため、色々なトラブルが起きましたが本来業務は達成出来ました。しかし、私自身の人事評価は悪かった様です。是非、大企業に啓蒙を。(元通信システム技術者62歳)(2013/06/12)

GTDの考え方と相通じるものがあると思った。(2013/06/11)

身近な環境では「情報社会になった」という理由で、何でもデータを取ろうとする中間管理職がいる。業務が煩雑化し営業の気力を削ぐことが散見される。データが集まれば仕事をした気になれるらしいl仕事をやっているように見せる点数稼ぎのための仕事をする中間管理職が多い。大きな恐竜は恐竜の組織それぞれで「栄養と血液がこれくらい必要だ」と要求する。「これくらい時間がかかる」と主張する。それでも業績が上がる企業は、ふたを開ければ砂上の楼閣で、数字のバブルが発生している。本質的利益ではないのに数字マジックで見せることができる企業もある。がんばればなんとかなるという経営層がいるところはまた別の問題を抱えている。自分がやるしかないと頑張っている人から過労死する。日本は自らの決断ができない人の集団で、どこかで大量出血が起こっても、誰もその流血を止めようとしない勇気のない人の集団だ。筆者のように、「俺は無駄なことはしない!」という勇気のある人がいないのだ。集団自決をする気か?と思うことがしばしばある。死にたくなければ、無駄な体力も無駄な時間も無駄な経費もどこにもない、と自覚を深めよう。(2013/06/11)

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