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同業他社が“潰し”に来たらどうするか?

カクヤス 佐藤順一社長

  • 安田 育生

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2013年6月21日(金)

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【対談前に一言】

 10年くらい前だったろうか、ある駅の商店街の片隅に「カクヤス」という店を発見した。ネーミングに釣られて入ったが、殺風景な内装で商品も雑然と置かれている。聞いてみれば宅配をする酒屋だという。既存の酒販流通に風穴を開ける暴れん坊なのではないか、下手すると業界から潰されるのではないか、と見ていたら、今や1千億円の売上高を持つの巨大チェーンに成長した。さぞかし既得権益からの反発、嫌がらせもあったろうに、同社をここまでの企業にした佐藤さんのお話をぜひ聞いてみたい。

(安田育生・ピナクル社長兼CEO)

安田:ご無沙汰してます。本社(東京都北区豊島)に伺うのは初めてなんですが、ここがカクヤスさん創業の地ですか。

佐藤:ええそうです。創業と言いましても、私が創業したわけじゃなくてですね、私は3代目ですので、祖父も父も、ここでお酒の飲食店向け、業務用卸の商売をやってきたということです。

安田:跡取りの方というのは、家業を継ぐということを当然のこととして受け止め、継がれる方もいますが、反発して別の仕事に就かれたり、反発しながらも継がれる方と、いろいろですよね。佐藤さんはどうだったんでしょうか。

佐藤順一(さとう・じゅんいち)1959年生まれ、1981年 筑波大学卒、カクヤス本店(現カクヤス)入社、1993年に代表取締役社長就任(撮影:大槻純一 以下同)

佐藤:まあ少なくとも「当然のこととして継いだ」というわけではないです。イヤイヤでもないんですが。

 実は私、中学・高校が立教でして、そのまま立教大学に進学するという道もあったのに、筑波大学に進学したんですよ。お酒の業界は慶応と立教の人がなぜか多くて、素直に継ぐ気があったら立教大学に進学してたでしょう。別にどうしてもイヤ、というわけではなかったのですが、じゃ、さりとて素直に継ぐ気があったかというとそれも違う。酒屋の商売というものに微妙に抵抗感を感じていたのは確かです。

安田:抵抗感というと?

佐藤:そのころの弊社は社員が15~16人で、大卒は一人もいませんでしたし、人を評価する基準が、「酒が強い」こと、たとえば一晩で業務用の樽1本空けられるから佐藤さんはすごい、とか、あとは「力が強い」。地べたからビールケース4ケース持ち上げられるとかね。商品知識とか、マネジメント能力があるとか、そういうこととは全く無縁の世界だったんです。そもそも私はお酒が強くなかったんで、酒飲みがエライという世界に入ったら、おもしろくないことになりそうじゃないですか。

安田:なるほど。じゃ、どうして筑波に?

佐藤:自宅から離れて、つまりお酒の世界とは無縁の世界に身を置いてみたくなったんです。筑波じゃ自宅から通えないですからね。

 でも、離れてみたら、たまに帰れば歓待してくれますし、うるさいことも言わずに学費だけじゃなく生活費まで送ってもらえる。感謝の気持ちが沸いてきて、「これも親父が酒屋をやってるおかげだ、酒屋も悪くないな」なんて思うようになったんですよね。

安田育生・ピナクル社長兼CEO

安田:まんまと術中に。でも筑波だと、皆さん一流企業に就職するのが当たり前みたいな世界だったんじゃないですか?

佐藤:そうですね。特に私が入学したころはキャンパスも出来たばかりでしたから、結構人気があって、私のゼミは当時学生の就職先人気企業ランキングトップだった一流商社への推薦枠がありましたからね。

安田:なのに家業を選ばれた。いつごろ継ごうと決めたんですか。

佐藤:卒業の1カ月前です。

安田:そんなに間際になって? じゃ、ご両親も驚かれたでしょう。

佐藤:父は継がないと思ってたみたいですね。だから、酒屋の跡取りなら必ずやる、「大手のお酒のメーカーに2~3年修行」も私はやってないんですよ。そんな間際じゃ頼めないですし受け入れる方だって無理ですし。まあ半ばなし崩し的に弊社に入社してしまったわけです。

バブル崩壊で崩れた同業者間の馴れ合い体質

安田:そういう展開だと、入ってから迷いというのはなかったんですか。

佐藤:それがですね、弊社は実に素敵なところでして、「社長の息子が入ってきたぞ。こりゃいいや、何でもあいつにやらせちゃえ」、という会社だったんですね。ですので、猛烈に忙しくて迷ってるヒマなんかなかったですね。

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