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三度目の正直は「特別じゃない」4Kテレビ

東芝 商品統括部 TV商品部 日本担当の本村裕史氏に聞く

2013年6月14日(金)

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 ソニー、シャープ、東芝と、各社の最新「4Kテレビ」が出そろった。今回、ようやく普及の1つの目安とされる「1インチ1万円」を切るモデルも登場し、その売れ行きが注目される。

 中でも4Kテレビに“前のめり”なのが東芝だ。2011年末、家庭用としては世界で初めての4Kテレビ、REGZA「55X3」を市場投入し、昨年6月には「55XS5」を発売した。“次世代”を打ち出す野心的な2モデルだったが、売れ行きは決して満足のいくものではなかった。そんな紆余曲折、試行錯誤を経てこの6月下旬に発売するのが、「Z8Xシリーズ」だ。同社の最高峰モデルを表す「X」型番を捨て、あえて下の「Z」型番を採用した背景には、4Kテレビにかける開発者の強い決意があった。

 今年はブレークする(?)と言われる4Kテレビ普及のシナリオと、“三度目の正直”として送り出す「Z8X」はこれまでと何が違うのか。同社テレビ部門のキーパーソンである本村裕史氏に聞いた。

(聞き手は酒井康治)

「次世代」と「大画面」、2つを整理する必要がある

各社新製品の投入で、夏のボーナスシーズンから本格的な「4Kテレビ」の商戦が幕を開けようとしています。「価格が高い!」「コンテンツがない!」「規格が決まってない!」「置けない」「そもそもテレビなんか見ね~よ」「もう買い替えか?」などなど、ネット上では早くも批判的な声で盛り上がっていますが、“4K時代”の到来について、世界で初めて一般家庭向けに4Kテレビを世に送り出したメーカーとしてどうお考えなのか、見解をお聞かせください。

本村裕史(もとむら・ゆうじ)
東芝 商品統括部 TV商品部 日本担当 参事。1985年入社。デジタル技術者としてAV機器開発に従事した後、商品企画、マーケティング担当として現在に至る。レグザの商品戦略・マーケティング戦略を担当。

本村裕史(以下、本村):もう今年は4Kテレビがブレークする年だと思いますよ。まず4Kテレビについては、全体を整理しないといけないと思っています。これには大きく2つの話があります。

 まず、当初4Kテレビとして盛り上がったのは、コンテンツ配信サービスを含めた「次世代テレビ」としての4Kです。テレビのネクストジェネレーションは4Kの時代になる、4Kテレビを使って4Kコンテンツを見る、という考え方です。それとはもう1つ別な考え方があって、4Kとは直接関係の無い話ですが、「大画面テレビが市場で受け入れられ始めた」ということです。この2つについては、ぜひ分けて説明させていただきたい。ここを中途半端にしたまま4Kの話を進めているから、4Kが要るとか要らないといった短絡的な議論になるのだと思います。

分かりました。何かいろいろと思うところがおありのようですね。それではどちらから始めましょうか。

本村:まず、次世代テレビとしての4Kテレビについて話した方が分かりやすいでしょう。東芝は2009年に「CELLレグザ(55X1)」を発売した時、「次世代テレビはこうなっていくんだ」という形で紹介しました。その年のCEATECH JAPANでは、さらなるCELLレグザのステップとして「4K CELLレグザ」を展示し、東芝として初めて4Kテレビを世間に公開しました。サンプル機を作る際、当時、50インチクラスのパネルだけで1枚200万円したのを覚えています。そこで話したのは、「次世代テレビで4Kコンテンツを見る時代が来る」という内容でした。

 2011年には世界で初めて商品化した4Kテレビ「55X3」を発売し、続いて昨年は「55XS5」を投入しました。でも、その時も国際見本市などではネイティブの4Kコンテンツを見せたり、パソコンから4K出力した映像を表示したりして、テレビの次世代の姿として4Kテレビをアピールしていました。来場者からは「次世代はこうなるんだ」「解像度すごいね」と、非常に高い評価を受けたのを覚えています。また先日、総務省も4K/8Kの放送サービスに関するロードマップを明らかにし、そのマイルストーンの中での次世代テレビとして、4Kテレビを位置付けています。

コメント7件コメント/レビュー

うんざりだ。もう、製品の高性能化などやめてもらえないだろうか。なぜか。高性能化は必ず、ユーザの資産の消失を伴ってきたからだ。テレビは単なる受像機ではない。運用上は録画装置と一体となっている。しかし、技術が進歩する度に、過去に記録した媒体にアクセスできなくなっていく。VHSや8mmなどのビデオテープのようにハード的に形状が変わったものもそうだし、デジタル化してからはDRMにより不便になっている。これは自分で購入したコンテンツも同じだ。かと言って、テレビ局は過去の番組にアクセスする手段を(不充分にしか)用意しない。つまり、技術的には優れたものを作れて満足しているかも知れないが、切り替わって困ることも多いのだ。メーカーはそこのところをわかっているのだろうか。(2013/06/14)

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「三度目の正直は「特別じゃない」4Kテレビ」の著者

酒井康治

酒井康治(さかい・こうじ)

日本経済新聞社 電子報道部

にっけいでざいん、日経マルチメディア、デジタルARENA、日経トレンディネットを経て、2013年1月から日経ビジネス副編集長。日本経済や地球の未来のことより、いつも猫のことを考えながら仕事をしている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

うんざりだ。もう、製品の高性能化などやめてもらえないだろうか。なぜか。高性能化は必ず、ユーザの資産の消失を伴ってきたからだ。テレビは単なる受像機ではない。運用上は録画装置と一体となっている。しかし、技術が進歩する度に、過去に記録した媒体にアクセスできなくなっていく。VHSや8mmなどのビデオテープのようにハード的に形状が変わったものもそうだし、デジタル化してからはDRMにより不便になっている。これは自分で購入したコンテンツも同じだ。かと言って、テレビ局は過去の番組にアクセスする手段を(不充分にしか)用意しない。つまり、技術的には優れたものを作れて満足しているかも知れないが、切り替わって困ることも多いのだ。メーカーはそこのところをわかっているのだろうか。(2013/06/14)

結局はコンテンツ不足、コンテンツ貧弱という話に対してきちんとした説明ができていない。人間ってそんなに長い時間綺麗な画面を見続けたいという欲求なんてありませんからねうちも40インチを超えるTVを買った時から、今に至るまでドンドンTVを見る時間が減ってきてますね。昔なら「ながら視聴」していた時間も、画面が大きくて「鬱陶しい」から消すようにしました。周りの人に聞いても、TVが大画面化してから視聴時間が減ってる人が多いような気がします。どうも視聴者・消費者の心が未だにわからないみたいですな(2013/06/14)

少なくとも今のテレビという枠組みをターゲットにするのは苦しいでしょう。もっと高解像なものが必要なものを見つけ、それを育ててゆくといったやりかたじゃないとうまくいかないでしょう。(2013/06/14)

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