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創業の遺伝子を「科学」したユナイテッドアローズ

【第4回】 接客キャンペーンで形にした「体験の価値」

2013年6月28日(金)

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 この連載では、日本企業において「ブランド」の重要性がかつてないほど高まっている今、ブランド戦略専門のコンサルティング会社インサイトフォースの山口義宏代表が、ユニークなブランド戦略に挑戦している企業の舞台裏を明らかにする。

 4回目は、セレクトショップ最大手のユナイテッドアローズ(以下UA)だ。2013年3月期に2期連続で連結純利益が過去最高を更新し、快進撃を続ける。2012年の秋冬シーズンには、「情熱接客」を合言葉に、お客様の世界を10分で変える試着キャンペーン「UNITED 世界を変える ARROWS」を展開。500人余りのユナイテッドアローズブランドのスタッフが顧客におしゃれな着こなしを提案するというイベントが業界で話題を呼んだ。同社のブランド・マネジメント全般を担う山崎万里子・執行役員経営企画室長に話を聞いた。

山口:昨年の接客キャンペーン「UNITED 世界を変える ARROWS」は、とても面白いと思いました。ユナイテッドアローズのショップスタッフがお客さんにコーディネートを提案するという内容です。セレクトショップという業態そのものが持つ提案力の伴った接客という、本来プロモーションとして打ち出さなくてもお店の皆さんが普段からしていることを、あえてキャンペーンとして打ち出したという。

山崎:実は、あれはトライアル(実験)なんです。私たちには今、社名でもある「ユナイテッドアローズ」の他にも多くのブランドを展開しているのですが、各ブランド間の提供価値の違いを十分に出しきれていないのではないかという問題意識がありました。改めて「ユナイテッドアローズ(UA)」というブランドのとるべきポジション、すべきプロモーションとは何だろうと考えた時に、ああしたお客様の「体験」を形にすることではないかと思い立ちました。反響も大変に大きかったので、今後UAの取るべき1つの方向性だろうと思っています。

動画:UNITED世界を変えるARROWS

山口:しかし、当たり前のことを敢えて大々的に宣伝すると、お客様の期待も高まりますから、お店のスタッフも緊張しますよね。

山崎:今回一番意識したのが、スタッフを盛り上げることでした。お客様がああした宣伝を見てお店にいらした時、スタッフが盛り上がっていないとお客様も盛り上がらない。事前のオリエンテーションや、説明する時の意気込みはすごかったです。普段のプロモーションだったら、概要はこうで、使うツールはこれで、いつからいつで、後で報告してください、などと淡々としたものです。でも今回はそうではなく、社内向けの週刊のメールマガジンで本部長をはじめ販売部長、クリエイティブディレクターなど色々な人がプロモーションにかける思いを自分の事として発信したのです。

4Pは「ヒト、モノ、ウツワ」

山口:このキャンペーンは、御社の経営理念(私たちは、世界に通用する新しい日本の生活文化の規範となる価値観を創造し続けます)や社是(店はお客様のためにある)を具現化したものでもあると思うのです。こういった価値判断や社是が具現化できるのは、何らかの暗黙知を、組織文化として持っているのですか?それとも、理念の浸透を途切らせない施策をしているのでしょうか。もちろん、UAを起業した重松理会長をはじめとする「創業チーム」の経営陣がずっといらっしゃったので、半分空気のようなものなのかもしれませんが…。

山崎:もちろん暗黙知はあります。でも、暗黙知を暗黙知のままにしない、理念も理念として説明しないのが私の役割です。たとえば、四半期ごとに社長が発信するメッセージに必ず理念につながる要素を追加したり、年度の経営方針や、創業世代の1人である栗野(宏文、上級顧問・クリエーティブディレクション担当)から出てくる全社ディレクションを伝える時に、意図的に理念との関係性を説明したりと、サブリミナル効果のように伝えてきています。

コメント1件コメント/レビュー

「情熱接客」という言葉を使われていますが、昨今のUAの店舗での対応で非常に管理的・マニュアル的なものを感じることがありました。一つは、以前は可能だった当該店舗で取り扱いの無いブランド・アイテムの他店舗からの取り寄せができなくなった(もちろん同じUA間の話です。B&Yから取り寄せてと言っているわけではありません。)。もう一つは、ZOZOで購入したUAオリジナル商品のサイズ交換をUAの店舗でお願いしたところ「ZOZOで購入された製品は交換できなことになっていますので、ZOZOで対応してもらってください」と言われたこと。(正論かもしれませんが、メーカーとして小売店に卸したものは関係ないと言ってしまう態度はいかがなものかと。)いずれの場合も「できないことになっている」という対応なのがとても気になりました。どちらもUAのお店に不利益が生じる話ではないので、現場の判断で柔軟に対応できる仕組みも作られてはいかがでしょうか?(2013/06/28)

「低価格競争からの脱却 ニッポン・ブランド強化作戦」のバックナンバー

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「創業の遺伝子を「科学」したユナイテッドアローズ」の著者

山口 義宏

山口 義宏(やまぐち・よしひろ)

インサイトフォース社長

1978年東京都生まれ。ソニー子会社にて戦略コンサルティング事業の事業部長、リンクアンドモチベーションにてブランドコンサルティングのデリバリー統括などを経て、2010年に「インサイトフォース」設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

「情熱接客」という言葉を使われていますが、昨今のUAの店舗での対応で非常に管理的・マニュアル的なものを感じることがありました。一つは、以前は可能だった当該店舗で取り扱いの無いブランド・アイテムの他店舗からの取り寄せができなくなった(もちろん同じUA間の話です。B&Yから取り寄せてと言っているわけではありません。)。もう一つは、ZOZOで購入したUAオリジナル商品のサイズ交換をUAの店舗でお願いしたところ「ZOZOで購入された製品は交換できなことになっていますので、ZOZOで対応してもらってください」と言われたこと。(正論かもしれませんが、メーカーとして小売店に卸したものは関係ないと言ってしまう態度はいかがなものかと。)いずれの場合も「できないことになっている」という対応なのがとても気になりました。どちらもUAのお店に不利益が生じる話ではないので、現場の判断で柔軟に対応できる仕組みも作られてはいかがでしょうか?(2013/06/28)

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三品 和広 神戸大学教授