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日本版IFRSが抱えるこれだけの問題

審議会企画調整部会の斎藤静樹・東京大学名誉教授に聞く

2013年6月25日(火)

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 企業の行動に大きな影響を与える会計基準で、金融庁の企業会計審議会が日本基準を一部に残した日本版IFRS(国際会計基準)の導入を事実上決めた。昨年までは、欧州を中心に世界に広がるIFRSを将来、少なくとも一部の上場企業に強制適用する方向で動いていたが、方向は一転した。しかし、国内にはこれで日本基準を始め4基準が乱立することになり、混乱も予想される。審議会企画調整部会の臨時委員で、かつて日本の企業会計基準委員会の委員長も務めた斎藤静樹・東京大学名誉教授に、日本版IFRSの課題を聞いた。

(聞き手は本誌主任編集委員 田村賢司)

日本版IFRSの導入が事実上決まった。ただ、IFRSの一部基準を適用しない“日本仕様”となる。これにどんな意味があるのか。

斎藤 静樹(さいとう・しずき)東京大学名誉教授
1942年3月生。専門は会計学。東大教授、同大経済学部長などを経て、退官後は明治学院大学教授も務めた。2001年8月から2007年3月まで企業会計基準委員会委員長を兼務。

斎藤:元々、わが国は日本の会計基準とIFRSとの差異を縮小していって、最終的にはIFRSを上場企業に強制適用するかどうかを2012年に判断するとしていた。

 しかし、この判断は、主要国では日本と並んでIFRSの未適用国である米国が昨年から消極的な姿勢を鮮明にし始めたことなどで先送りとなった。(IFRSを適用するかどうかの方針策定を主導する)金融庁も、経団連もそれ以後、方向を転じて強制適用には慎重になったようだ。本来、すべての企業にIFRSを強制適用するのが難しいのは分かっていたことだが。

 日本にも、グローバルに活動しているわけではなく、資金も国内で調達する上場企業は多い。そこに純粋なIFRSが一律に必要かというとそうでもないだろう。

 しかし、日本版IFRSがIFRSの重要な基準を適用しないものになるのなら、それを使うことにどういう意味があるのか。共通の会計基準を使うことで、投資家にとって企業の比較がしやすくなることが狙いだと言ってきたのに、日本では日本基準のほか、任意適用で米国基準、IFRSが使えるようになっているところへ、日本版IFRSが加われば4つの基準が存在することになる。

 IFRSやそれに近い基準を使う会社の数を増やすというだけで、本当に投資家の利便が向上するのかは疑わしい。

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「日本版IFRSが抱えるこれだけの問題」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト