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「イクメン議長」、2度目の挑戦

働き方を変えて育休取得へ、議会にもワークライフバランスを

2013年7月4日(木)

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「選挙で選ばれてるんだから休むな」と遠距離の電話

土日も当然のように公務が入っているわけですが、そもそも議員の方の休暇とは、議会などがない時にそれなりに調整して休むということになるんですか。法律上はたぶん休日とかは決まっていないんですよね。

戸枝:そうなんです。我々、特別職には勤務の規定がないんです。極端な話、いつ働こうがいつ休もうが各自の責任の範囲でやってくださいということです。

つまり、休暇を取ったからといってその分の報酬を返納するとかいう規定もないのですね。

戸枝:規定はありませんし、欠席などを理由として報酬を返納すると、公職選挙法で禁じている寄付行為に該当してしまうんです。ですから、育休を取った分の報酬を返しますというのは難しいんです。

 なぜ報酬の返納や寄付行為が法律で禁止されているかというと、選挙での人気取りを防ぐためなんです。私は安い報酬で働きますとか、無報酬で働きますとか。あるいはこれから立候補しようという人が、私は自治体にこんなに寄付をしていますとかアピールするのは望ましくない。こういう法の趣旨がありますので、法律を改正して報酬返納ありの育休制度を可能にするというのは難しいでしょうね。ですからあくまで現在の枠組みの中で何とか工夫して、仕事の質を高めることによって休みの時間をひねり出す。そうして定義はされていませんが「育休」を取るというのを自分の基本的な姿勢にしています。

前回、2010年に(第一子誕生で)育休を取得された時もあったと思うのですが、男性議員が育休を取ることについて、まだ否定的な意見もありますね。

戸枝:今回も賛否両論はあります。ただ肌感覚としては、前回よりも世の中が寛容な雰囲気になりつつあるかなという印象ですね。実際の世の中の育休取得率では、男性は確かまだ3%弱しかなくて、女性に比べれば本当に少しずつ匍匐前進で進んでるという感じですが。

 否定的なご意見というのはほぼ2通りあって、1つは選挙で自分たちが選んだんだから、報酬は税金から出ているんだから休まずに働けというご意見。もう1つは世代的な価値観だと思いますが、男は外で働くものだから育児は奥さんに任せなさいというご意見ですね。

それは区民の方からですか。

戸枝:区民の方からも、区外の方からもありますね。電話やメールなどでご意見をいただくんですが、電話だと着信番号が表示されるので、ずいぶん遠方からお電話いただいているんだなと思うことがあります。お声から想像するに壮年以上の男性の方ですね。

そういう方にはどのように説明されるんですか。

戸枝:基本的には議会の運営に支障ない範囲でお休みをいただくという説明をして、男性が育児休暇を取りにくい社会的な雰囲気を変えたいという主旨なのでご理解を賜りたいと。それでもやはり、「それはそれで分かるけど、選挙で選ばれてるんだから休むってのはどうなんだ」とおっしゃって、なかなか話がかみ合わないですね。ただ前回に比べると件数はずっと少ないですし、逆に励ましの声が多いように感じます。

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「「イクメン議長」、2度目の挑戦」の著者

秋山 知子

秋山 知子(あきやま・ともこ)

日経ビジネス副編集長

1986年日経BP社入社。日経コンピュータ、日経情報ストラテジー、日経アドバンテージ、リアルシンプル・ジャパンの編集を担当。2006年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト