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映画『選挙2』監督に聞いた「2011年以降の選挙」

ナレーションも音楽もつけない「観察映画」は何を撮ったのか

2013年7月9日(火)

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 参議院選挙を直前にひかえ、注目を集めているのが、日本の選挙運動を追ったドキュメンタリー映画『選挙2』(7月6日公開)だ。

 ナレーションも音楽もつけない“観察映画”という独特の手法で同作品を撮った想田和弘監督は、前作『選挙』で2005年の川崎市議会議員補欠選挙の落下傘候補、「山さん」こと山内和彦氏に密着。「電柱にも頭を下げる」典型的な日本のドブ板選挙の実態を浮き彫りにした。

 『選挙2』では、再び立候補した山さんを撮りつつ、原発事故直後の選挙を描く。撮影を通して、改めて日本の選挙と政治の何を見たか――を聞いた。

(聞き手は瀬川明秀、三木いずみ)

前作は2005年9月、今作は2011年4月と同じ川崎市の小さな市議選の選挙運動を映画にされました。映画で描かれていたのは、名前を連呼するだけの選挙運動ですべてが決まるという現実です。2005年の『選挙』も2011年、未曽有の原子力発電所の事故に遭遇した後の『選挙2』も、選挙運動はほとんど変わっていません。

想田 和弘(そうだ・かずひろ)
1970年生まれ、足利市出身の映画作家。東京大学卒業後に渡米し、ニューヨークのスクール・オブ・アーツ映画学科を卒業。現在までニューヨークに在住。ナレーションや音楽などを使わないドキュメンタリー“観察映画”の手法を提唱し、その第1弾「選挙」(2007年公開)は、約200カ国でテレビ放映され、米国のピーボディ賞を受賞。精神病の患者の姿を描き出した「精神」は、釜山国際映画祭やドバイ国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を獲得するなど受賞多数。気鋭の映画作家として、知られる。このほかの作品に「Peace」「演劇1」「演劇2」など。(写真:鈴木愛子)

想田:2005年の市議選を観察した時は平時でした。平時だから、一応、世の中は普通に回っている。だから、選挙で政策論議が起きず、どこに住んでいて誰にお世話になったかといった「地縁」「血縁」が大切で、それがものを言うドブ板選挙ですべてが決まってしまう…そんな現実も分からなくはなかったんです。そして、その状況を映像にしても「なるほど、そんなものか」とまだ笑っていられました。

 ところが、2011年の選挙は違いました。本来、あれだけの事故が起きたならば、選挙は「私たちは原発をどうするか」を問う機会であり、候補者が各自の主張をして、それをすり合わせていく格好の議論の場であったはず。そもそも、選挙とはそういうもの。原発を維持する維持しない、どちらに決めるにしても有権者も含めて議論くらいはするでしょう…。でも、そうはなっていませんでした。

変なものが映っていた

映画では、選挙運動中に原発についてはっきりと立場を示している候補者は主人公である「山さん」だけ。ほかの候補者はあいまいで、有権者も原発のニュースには反応しても、政策に対しては相変わらず全く無関心な姿が映し出されています。この状況をどう感じましたか。

映画『選挙2』より。7月6(土)からシアター・イメージフォーラムほかにて公開。公式サイト](C)2013 Laboratory X,Inc.

想田:実は、こうした状況を「何か変だ」「変なものが映っている」とは思っても、何が変なのか、言語化できませんでした。撮影した理由は、山さんがまた立候補するから面白そうだという単純な興味であり、「やはり、東日本大震災直後の日本を撮らねば」という思いからから始めたのです。ですが、撮影が終わっても1年半の間、編集できずにいたんです。

なるほど。

想田:でも昨年末の衆議院選挙の結果を見て、急に編集する気になったんです。

なぜですか?

コメント2件コメント/レビュー

議論が起きない制度…面白い観点です。補助が出ることだけをする主張することが出来ない。ネットで質問に答えることもできない。そして組織票で当選者が決まる。これじゃ民意は反映できるわけ無いですね。(2013/07/09)

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「映画『選挙2』監督に聞いた「2011年以降の選挙」」の著者

瀬川 明秀

瀬川 明秀(せがわ・あきひで)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ビジネスアソシエなどを経て、日経ビジネスオンライン開設後はオンライン編集がメインの業務。2012年からは日経BPビジョナリー経営研究所の研究員を兼務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

三木 いずみ

三木 いずみ(みき・いずみ)

出版局編集第一部

日経ビジネスアソシエ編集などを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

議論が起きない制度…面白い観点です。補助が出ることだけをする主張することが出来ない。ネットで質問に答えることもできない。そして組織票で当選者が決まる。これじゃ民意は反映できるわけ無いですね。(2013/07/09)

原発問題の「自民党vs民主党」においては、そう単純なものではないのではないでしょうか?投票率の低さは、「どちらもイヤ」とか「どちらも選べない」ということの現れでしょうし、投票に行った人だって、「自分が立候補しない以上、投票は国民の義務なので、選びようがない中でも一番マシと思えるところを選ぶしかない」といった理由で投票した人も少なくなかったと思います。かく言う私もそうです。民主党の凋落は、出だしから嘘が重なったこと、公約になかった消費税を言い出したこと、を含めて、この人達に任せておけば絶対日本がおかしくなる、と思ったことによる行動の現れであって、自民党の躍進は民主党のオウンゴール(自殺点)によるものであって、積極的な賛同ばかりではないのではないでしょうか?まぁ、選挙のときに応援に来たりする人は積極的な人ばかりなので、そういう人が目立つのかもしれませんけど。。。(2013/07/09)

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