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東大院生、「売春島」を行く

迫真のルポを書き続ける理由

2013年7月8日(月)

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 売春島、偽装結婚、移動キャバクラ…。現代社会の「見過ごされる真実」に食い込み、迫真のルポルタージュを描き、同時にアカデミズムの視点で俯瞰して分析する。3・11直後に出版した『「フクシマ」論』で一躍、脚光を浴びた東京大学大学院生の著者、開沼博氏に新作『漂白される社会』の舞台裏と、そこから見えてくる現代日本の病理を聞いた。

(聞き手は金田 信一郎)

社会が目を背けて「見えないようにしている」人々を、「周辺的な存在」として追いかけて、『漂白される社会』(ダイヤモンド社)を出版されました。売春島からホームレスギャル、シェアハウス、生活保護受給者、右翼・左翼などへの潜入ルポが書き込まれていますが、一番反響があったのはどのテーマでしたか。

開沼:やっぱり、マック(マクドナルドで眠る2人のホームレスギャル)でしたね。

どうやって彼女たちにアプローチしたんですか。

開沼:普通に店にいたんですよ、マクドナルドに。たまたまです。

 深夜一時。池袋のマクドナルド。
 終電を逃した飲み会帰りの大学生たち、パソコンを広げるビジネスパーソン、休憩中の客引き……。その中に、腹より下を毛布で覆って眠る二人の少女がいた。

(中略)

 目を覚ましたリナは、携帯電話で時間を見ながらボンヤリと思う。
 「最近は深夜二時になると四時までとか五時まで清掃とか言われて追い出しくらうからな。二四時間営業って言ってるくせに。また公園行って寝るか……」
 カネが無くなったら一〇〇円マック。マイカが飲み物を一つ注文したら、リナはハンバーガーを一つ頼む。それを互いに半分ずつ分け合って飢えを凌いでいる。

(『漂白される社会』より)

確かに道にはホームレスが座り込み、店に入れば外国人が働いている。正視すれば目に飛び込んでくる人々を、無意識のうちに視界から外しています。そこに、開沼さんは目を向けている。

開沼 博(かいぬま・ひろし)
東京大学大学院学際情報学府博士課程在籍、福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任研究員。1984年福島県いわき市生まれ、東京大学文学部卒。文藝春秋、AERAなどにルポルタージュや評論、書評などを執筆。著書に『「フクシマ論」 原子力ムラはなぜ生まれたのか』(青土社)、『漂白される社会』(ダイヤモンド社)など。

開沼:そうですね。多くの人が好奇心をかき立てられる対象であるにも関わらず、見ていない。そのギャップが広ければ広いほど面白いと思って、突っ込んでいったところがあります。

 森達也さんがアーレフ(旧オウム真理教)のドキュメンタリー映画を撮った時に、「何でそんなものが撮れたのか」とか、「怖い思いをしなかったのか」と言われて、「誰もそこに行ってなかっただけです」とおっしゃっていました。その通りだと思うんですよね。そこに行けば、大抵はどんな取材対象でも、いきなり恫喝してくることはなくて、とりあえずいい人だったりする。すごく有名な人でも誰も(取材に)行ってない、という状況はどうなのかな、と疑問に思います。

まず行くということが重要ですよね。

開沼:そうですね。

それで売春島も行った、と(笑)。

コメント17件コメント/レビュー

一番目のコメント、「多様性」ではなく、「多文化共生」という言葉に胡散臭さを感じた人たちの一部が先鋭化して、デモと言う実力行使を行ったのでしょう。ネット世界から飛び出して、敵地とも言うべき新大久保で。「ヘイトスピーチ」は実際不穏当な発言がデモ参加者からあったそうですから、そう言われても仕方ないです。ただ、「レイシズム」はおかしな評価です。仮に日本人が在日朝鮮人の排除を叫んでも、それはレイシズムではありません。だって同じ人種だから(黄色人種)。レイシズムと言う言葉の定義を知らない人が、レッテル貼りに使ってるのはどうかと思います。そうやって、見たくないもの(見てほしくないもの)にふたをするつもりなんでしょうか。(2013/07/11)

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「東大院生、「売春島」を行く」の著者

金田 信一郎

金田 信一郎(かねだ・しんいちろう)

日経ビジネス編集委員

日経ビジネス記者、ニューヨーク特派員、日経ビジネス副編集長、日本経済新聞編集委員を経て、2017年より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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一番目のコメント、「多様性」ではなく、「多文化共生」という言葉に胡散臭さを感じた人たちの一部が先鋭化して、デモと言う実力行使を行ったのでしょう。ネット世界から飛び出して、敵地とも言うべき新大久保で。「ヘイトスピーチ」は実際不穏当な発言がデモ参加者からあったそうですから、そう言われても仕方ないです。ただ、「レイシズム」はおかしな評価です。仮に日本人が在日朝鮮人の排除を叫んでも、それはレイシズムではありません。だって同じ人種だから(黄色人種)。レイシズムと言う言葉の定義を知らない人が、レッテル貼りに使ってるのはどうかと思います。そうやって、見たくないもの(見てほしくないもの)にふたをするつもりなんでしょうか。(2013/07/11)

相対性や多様性が結局のところないがしろにされるのは、そこに潜在的な価値観のモノサシが横たわっているからであり、ホンネとタテマエの葛藤が発生しています。キレイごとしか言わないマスコミには欺瞞を感じるし、だからといって現実追認だけでは能がない。(2013/07/11)

多様性を認めあう。ルールを押しつけあわない。それでいてストレスを感じない。それはつまり自分と価値観が違うヒトを切り捨てることです。(2013/07/11)

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三品 和広 神戸大学教授