• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「男の壁」に躓いて、初めて男は鏡を見る

『男の壁 ED患者1130万人時代を生きる』の工藤美代子さんに聞く

2013年7月12日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「どうすればできるか」なんて考えたこともなかったから、いざできなくなると、どうしたらいいか分からない。

 思わせぶりは止めよう。今回は男性の勃起不全(ED)の話だ。2002年に発表された論文では「日本では40~70歳の男性の半数以上が何らかの原因でEDになっており、潜在的な患者数は1130万人に達する」という(*)。日本ファイザーの調査によれば、「30代の半数近く、40歳以上では約7割が、EDによりセックスがうまくいかなかったと回答している」とのことだ。治療薬を売っている企業の調査であることは差し引かねばならないが、相当数の男性がこの悩みを抱えていることがうかがえる。

*1 「わが国におけるEDの疫学とリスクファクター」丸井英二、順天堂大学医学部公衆衛生学教室「医学のあゆみ」201(6): 397 -400 2002

 職場で読む話題か? と思う方もおられるだろうが、私(男性です)は真面目にこの問題を考えている。そもそも私を初め日本の男性会社員は、社員としての自分をやりすぎなくらい真剣に見つめる一方で、生き物としての自分自身をあまりに見ていないのではないだろうか。自分自身の身体や心が何を求め、どう苦しんでいるかに無関心だったツケ、それが個人としての能力を抑え込み、商売下手、生き方下手、などなどの原因のひとつになっているのではないか。と、常々思っているからだ。EDにも、きっとこの無関心さが関係している…。

 そんな妄想にとりつかれた私の前に『男の壁 ED患者1130万人時代を生きる』(工藤美代子著、幻冬舎)という、ぐさっとくるタイトルの本が現れた。不倫相手のEDに悩む熟年女性の相談をきっかけに、著者の工藤さんが日本、そしてアジア各国の治療例に踏み込んでいくルポだ。「男の壁」は、愛する人と男性自身、との壁なのだろうけれど、自分自身と自意識とを隔てる壁でもあるのではないか。などとぶつぶつ考えながら、著者の工藤さんにお話を伺った。(聞き手は山中浩之)

よろしくお願い致します。工藤さんは笹川良一氏(『悪名の棺 笹川良一伝』)や岸信介氏(『絢爛たる悪運 岸信介伝』)や山本五十六氏(『山本五十六の生涯』)など、戦前戦中の人物評伝で知られる一方で、『快楽』や『炎情』など、熟年女性の性についても赤裸々なルポを書いてこられました。

工藤:そちらもお読みになったんですか、うわ、恥ずかしい…。

ものすごく勉強になりました。「女性の更年期について何も知らなかった」と驚きました。今回の本は一転して男性のED治療のルポですが、こちらもびっくりしました。特に韓国の手術の話…。

工藤:ああ、スイッチですね。

150万円でスイッチ、付けたいですか?

工藤美代子さん

EDに悩む男性に、手術で股間にスイッチを取りつけて、ボタンを押すだけで起動、と。その手術代が150万円。あまりの素直さに爆笑してしまいましたが、実は「それがあれば確かに気楽だ」とも思いました。保険が効くなら、と思う男性は多いと思います。

担当編集者Oさん(以下O):戦中戦後史から、ED治療の現場まで取材する、そこが工藤さんの懐の広さです。そうだ、工藤さんといつも話していたんですけど、この本は中年以上の男性の受けが非常に悪いんです。

そうなんですか?

O:この本の内容に、20代、30代の男の人は全然抵抗感がないようなのですけど、50代、60代の男性にはかなり引かれてしまった感じがあるんです…。

どんな感じで引くんですか。

O:何か「これは自分とは何の関係もない事だ」という振りをされます。社内でも、企画を通して、最後に本ができるまでずっと「ふーん、ああ、そういう本を出すんだね」と、ちょっと距離を置くような。

絶対、強がりだと思います。

O:「これはたぶん、すごく意識しているな」という様子も実はよく分かるんですよ。ゲラを読んで「あ、俺も、実は」みたいなことをちょっと言ってきたりとか。でも、それ以上にすごく距離を取った感じの態度を示す。

何とか自分と関係ないことにしたいんですよね。わかる。

工藤:なので、取材のお話を頂いたときに、勇気があるな、すごいな日経ビジネス、と思いました(笑)。

コメント12

「キーパーソンに聞く」のバックナンバー

一覧

「「男の壁」に躓いて、初めて男は鏡を見る」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「絶対これしかありません」というプランが出てきたら、通しません。

鈴木 純 帝人社長