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モンゴル人が揚げる天ぷらでもノルウェー人の握る寿司でもいい

世界一有名な日本食店「ノブ」のオーナーシェフに聞く

2013年7月16日(火)

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 ニューヨーク、ロンドン、モスクワ、東京など世界で31店舗の日本食レストランを展開する「NOBU(ノブ)」。仏「ミシュラン」や米「ザガット」で高く評価され、世界で最も有名な日本食チェーンとして知られる。寿司職人として日本で修行した後に、ペルー、アルゼンチン、米国を渡り歩き、日本食をベースに独創的な料理を生み出してきたノブのオーナーシェフの松久信幸氏。世界のセレブの舌を魅了する第一人者に、日本食のグローバル化に関する見方を聞いた。

(聞き手は山崎 良兵)

日本人以外が経営する日本食レストランが海外で爆発的に増えています。日本人の目から見ると不思議なメニューを出すレストランも多く、日本では「誤った日本食が世界で広まっている」と批判する声もあります。

松久信幸(まつひさ・のぶゆき)氏
NOBU(ノブ) オーナーシェフ
1949年埼玉県生まれ。寿司職人として東京・新宿「松栄鮨」で修行した後、ペルーに渡り、現地で日本食レストランを開業。その後、アルゼンチンを経て、米アラスカ州に渡り、レストランをオープンさせたが、開業直後に火事で廃業した。その後米西海岸に移り、複数の日本食レストランに勤務した後に、1987年にロサンゼルスでレストラン「Matsuhisa」を開店。1994年に常連客だった俳優のロバート・デ・ニーロ氏と共同でニューヨークに「NOBU」を開業。日本食をベースにした創作料理が人気になり、その後、ロンドン、ミラノ、モスクワなど世界の主要都市に多数の店舗を出店する。(写真:陶山 勉)

松久:日本食ブームが世界に広がり、日本食の認知度は非常に高まっていますが、それが「正しい日本食なのか」とつい日本人は考えてしまうようです。でも何が正しくて、何が誤っているのかと悩む必要が本当にあるのでしょうか。私は日本という国の食文化が世界に広がっていることを、もっともっと素直に評価すればいいと思います。

 ノルウェー人が寿司を握って、モンゴル人が天ぷらを揚げてもいいじゃないですか。これはダメ、あれはダメではなくて、お客様が喜んでくれる料理を工夫して作って出せばいい。現地で手に入る食材や、調理方法と組み合わせることで、新しいメニューが生まれる。こうして料理は進化し、発展していくものです。

ノブの料理は日本食をベースにしていますが、世界各国の様々なアイデアを取り入れてユニークなメニューを生み出してきました。

松久:何をすればお客様は喜んでくれるのかをずっと考えてきました。私は18歳で寿司の世界に入り、それ以来、寿司に対する姿勢はずっと同じです。23歳の時にペルーに渡って日本食レストランを始めましたが、最初は日本の寿司をそのまま持っていきました。レストランなので、すき焼きも天ぷらも勉強して出しましたが、あくまで日本に近いものでやっていました。

 でも国が変われば、食文化も食材も変わる。ペルーで出会ったのは「セビーチェ」という料理です。日本だと生魚をしょうゆとわさびで食べますが、レモンジュースを使い、わさびの代わりに唐辛子やコリアンダーで、生魚をマリネする料理です。

 出会った瞬間、「これもありだな」と思いました。日本の寿司屋の気持ちを持ちながら初めて食べて「目からうろこ」でしたね。その後、アルゼンチンやアラスカに行きましたが、世界中を旅するとたくさんの発見があります。

日本料理の常識から考えるとセビーチェは異端かもしれませんが、ノブのメニューでは定番になっています。

松久:私には、もはや料理はこうでなければならないという感覚はありません。もちろん本業は寿司で当然、日本の料理はこういうものだと理解しています。でもそれをあえて追求して日本のやり方を海外でやろうという意識はありません。その土地にある材料を、最大限使って自分なりに表現する。ベースが日本食なだけです。

 日本なら寿司の魚は鮮度のいいものを使いますが、海外ではいい魚がなかなか手に入らないことも珍しくない。1987年にロサンゼルスでお店を出した当時は、魚の流通に問題があり、生魚は臭いというイメージが現地の人にはありました。

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「モンゴル人が揚げる天ぷらでもノルウェー人の握る寿司でもいい」の著者

山崎 良兵

山崎 良兵(やまざき・りょうへい)

日経ビジネス記者

日経ビジネス編集部、ニューヨーク支局、日本経済新聞証券部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士