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「モノ」と「サービス」を分けるのはもう古い

価値づくりをサービスで捉えるサービス・マネジメントとは

2013年7月17日(水)

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 一般的に、企業経営の実務の現場においても、それを研究対象とする経営学などの議論においても、形のある「モノ」の経営と形のない「サービス」の経営を分けて考えることが当たり前になっている。この一般通念に異を唱えるのが、一橋大学大学院国際企業戦略研究科の藤川佳則准教授だ。モノとサービスを分けずに「価値づくり」の経営論理を明らかにしようとする「サービス・マネジメント」の最前線における取り組みについて聞いた。

(聞き手は篠原 匡)

藤川さんが研究されている「サービス・マネジメント」とはどういうものですか。

藤川:経済学に「ペティ=クラークの法則」というものがあります。これは一国の産業構造の中心が経済発展に伴って、第一次産業から第二次産業へ、そして第三次産業へと移行する現象を指しています。世界中のすべての国に例外なくあてはまる現象であるといわれています。

 実際、サービス分野における経済活動はGDP構成比や労働人口比率などの指標で見た場合、日本やアメリカなどの先進国ではおよそ7割から8割、中国やインドなどの新興国でも既に5割前後を占めるようになっています。しかも、最近では製造業がサービス化するという現象も急速に進んでいます。

コマツはサービス・マネジメントの典型例

藤川 佳則
一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。ハーバード・ビジネススクールMBA、ペンシルバニア州立大学経営学博士取得。ペンシルバニア州立大学講師などを経て、一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授(現職)。専門はサービス・マネジメント、および、マーケティング。(写真:村田和聡)

 例えば、建設機械のコマツなどはその先進事例といえます。同社は販売するすべてのダンプカーやショベルカーにGPS(全地球測位システム)とコンピューターを搭載し、KOMTRAXという機械可動管理システムを通じて管理しています。現在、世界では累計で約30万台近いコマツの建設機械が動いているといわれていますが、同社はそのすべてをリアルタイムで把握することができます。

 このKOMTRAXのデータをもとに、コマツは建設現場の生産性を分析し、顧客である建設会社の作業効率の改善やコスト削減につなげている。つまり製品の販売時において物財としての性能や機能のみに基づいてお客様に価値を認めてもらおうとするのではなく、販売後の段階において、製品の使用状況をもとに展開するサービス活動を通じて価値を実感してもらう取り組みです。

 このように世界経済が急速にサービス化しているなか、経済活動における価値づくりのあり方をサービスの視点からとらえようとするのがサービス・マネジメントの考え方で、近年議論が活発化しています。

 もっとも、サービス化の進行に比べて、日本ではサービスに関するイノベーションやグローバリゼーションに関する知見の蓄積が進んでいない現状があります。その背景には、モノとサービスを分けて考えるという私たちの「一般常識」が深く影響していると思います。こういったモノとサービスを分ける考え方は「グッズ・ドミナント・ロジック」(Goods-Dominant Logic、以下G-Dロジック)」と呼ばれています。

グッズ・ドミナント・ロジックについて、もう少し詳しくお聞かせください。

藤川:G-Dロジックとは、世の中で行われている経済活動を「モノ」と「サービス」に分けてとらえる世界観です。私も含め多くの日本人は、経済活動をG-Dロジックで見る習慣がこびりついていると思います。

 このG-Dロジックは、3つの視点から理解することができます。第一に、何をサービスと定義するかという「サービス観」に関する視点があります。

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「「モノ」と「サービス」を分けるのはもう古い」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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