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日本食ブームを狙って海外に進出したい?十中八九失敗します

グローバル展開を成功させるための5つの条件

2013年7月23日(火)

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世界的な日本食ブームを狙い、海外を目指す日本の外食企業が目立っている。しかし順調に海外店舗を増やしている企業は、ひと握りに過ぎない。外食企業の海外進出に詳しいコンサルタントが、世界市場で成功する企業と、失敗する企業の違いをズバリ指摘する。(聞き手は宗像 誠之)

海外で日本の外食チェーンの店舗を目にする機会が増えてきました。今後もアジアを中心に、多くの日本企業の海外展開が加速しそうですが、何が成否を分けるのでしょうか。

小吹 雄一郎(こぶき・ゆういちろう)
ミュープランニングアンドオペレーターズ 海外営業部ディレクター
1998年早稲田大学政治経済学部卒業。金融機関や外食大手を経て2010年、サントリーグループの外食向けコンサルティング会社ミュープランニングアンドオペレーターズに入社。博多一風堂や元気寿司など、日系外食チェーンの海外進出コンサルティングを数多く手がけた実績を持つ。加えて、海外の大手外食企業の店舗プロデュースなど、海外の顧客も多く、国内外のプロジェクトのため、日本と海外を頻繁に行き来する日々が続く。

小吹:まずは、海外店舗を作る前に、海外事業の戦略を練っているかどうかにつきます。感覚としては、我々のところに海外進出の相談にくる9割の外食企業は、はっきりした戦略を持たないで海外を目指そうとしている。「国内が厳しいので、とりあえず海外1号店を出してみて、様子を見ながら増やしていこう」という感覚で海外に出ようとする日系の外食企業が大半です。

 事前に仮説設定や戦略もなく海外出店をしようとすると、ほぼ失敗して、2店舗目の出店もままならず撤退することになります。しかも、仮説も立てずに海外事業へ着手して失敗するわけですから、何が原因でうまくいかなかったのか、という事後検証のやりようもない。こうなると、次の挑戦につなげる教訓も得られず、本当にカネと時間の無駄になるだけです。

 このように、目立っている成功事例の裏には、失敗例が山のようにあるのです。

なぜ安易な海外進出が増えているのでしょうか。

小吹:2つあると思います。1つは、海外進出をする際の投資額が、メーカーなどに比べると少なくて済む点。メーカーが海外に工場を建設する場合の投資額に比べると、外食企業が海外店舗を作る投資額は格段に小さい。どうしても、慎重さに欠ける部分が出てきます。

 2番目は、日本の外食企業の経営者が海外出店を国内出店の延長として考えるケースが多いこと。これまでの経験や勘に頼ったトップダウンの施策が多くなりがちです。

急増する海外進出の支援依頼には、どのように対応しているのでしょうか。

小吹:海外事業についての相談が増えていることは確かですが、すべて引き受けるわけではありません。

 本格的な海外進出コンサルの引き合いは、年間150件程度と、10年前に比べると2~3倍に増えています。しかし、実際に我々が引き受けるのは、毎年同じくらいの数に厳選します。ここ数年は、毎年5~10件程度で推移している状況です。申し訳ないのですが、アドバイスはするものの、本格的な海外進出支援の依頼の8~9割の案件は、最終的にお断りすることになります。

 1番目の理由は、我々のリソースの問題です。ミュープランニングは私を含め、海外支援コンサルができる人材の数が限られています。日本企業の海外展開のコンサルだけでなく、海外の外食大手の店舗プロデュースなどの案件も手掛けています。海外店舗の設計だけのような案件でしたら、数多く引き受けられますが、本格的な進出支援となると、手掛けられる案件数には、どうしても限界があります。

 場合によっては、社内での根回しや「海外進出準備室」などを立ち上げる段階から、コンサルを始める場合もあります。こうなると、プロジェクトマネジメントは1年以上にわたることになります。

 2つめの理由は、冒頭の話にも関わりますが、あまりに海外戦略が曖昧なままで依頼してくる企業が多いことです。海外出店すること自体が目的になってしまっているケースについては、失敗事例を中心に情報提供をすることで、リスクが高いことを伝えて出店を踏みとどまってもらうようにしています。

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「日本食ブームを狙って海外に進出したい?十中八九失敗します」の著者

宗像 誠之

宗像 誠之(むなかた・せいじ)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日本経済新聞社産業部、日経コンピュータを経て、2013年1月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長