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ウナギのことを何も知らずに食べる罪

東京大学農学生命科学研究科の海部健三・特任助教に聞く

2013年8月2日(金)

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 8月3日は二の丑。夏の土用の丑と言えばウナギだが、近年は稚魚(シラスウナギ)の不漁とそれに伴う値上がりが盛んに報じられるようになっている。ウナギをおいしく食べ続けるためには何が必要なのか。河川や沿岸におけるニホンウナギの生態などを研究しており、『わたしのウナギ研究』の著者でもある東京大学農学生命科学研究科の海部健三・特任助教に話を聞いた。

(聞き手は小平 和良)

近年、シラスウナギの不漁が大きな話題になっています。今年2月には、ニホンウナギが環境省のレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)に入り、資源枯渇も懸念されています。一方、幼生(レプトセファルス)の餌が分かり、完全養殖に成功するなど、ウナギの生態の研究は進んでいます。

海部:確かにウナギの海での産卵生態については、日本の研究は世界のトップを走っています。しかし、陸の周辺に来てからの生活については、身近なはずなのに、まだ意外と知られていません。例えば、何を食べているのかについても、最近までまともな報告がありませんでした。どのようなスピードで成長しているのか、どのような住みかを好むのかといったことも同様です。こうしたことは、漁師さんが何となく知ってはいましたが、研究としては行われていませんでした。このあたりは欧州や米国の方が進んでいて、日本とは正反対です。

海部 健三(かいふ・けんぞう)
東京大学農学生命科学研究科特任助教
1973年、東京都生まれ。98年に一橋大学社会学部を卒業後、社会人生活を経て2011年に東京大学農学生命科学研究科の博士課程を修了。同年より現職。2012年に東アジア鰻資源協議会(EASEC)の事務局を担当。専門は保全生態学および水中生物音響学。河川や沿岸におけるニホンウナギの生態のほか、頭足類(イカやタコの仲間)の聴覚を研究している。(写真:竹井 俊晴)

 ウナギが減っている現状を変えるために人間ができることは、海に対してよりも身近な川に対しての方が大きい。そのためには、陸の近くに来てからの生活をもっと知らなければなりません。その研究を進めています。

 研究でいくつか分かったこともあります。例えば、ウナギには海だけで過ごすものと川に入ってくるものがいるというイメージがありましたが、海だけで過ごしていると考えられていたウナギも、一度は川に入っているのです。海水と淡水が混じり合う汽水の部分までは来て、そこから川を上るものと海へもう一度下っていくものがいます。

 このことは、ウナギが非常に川に依存している魚であるということを意味しています。これまで「川はダメージを受けているけれども、海で生活しているウナギもいるのだから問題ないじゃないか」といった考え方もありましたが、そうではありません。川に依存しているのですから、人間の活動の影響を大きく受けていると言えると思います。

川の環境変化がウナギ減少の一因になっているのですね。

海部:要因の1つだと思います。

コメント4

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「ウナギのことを何も知らずに食べる罪」の著者

小平 和良

小平 和良(こだいら・かずよし)

日経ビジネス上海支局長

大学卒業後、通信社などでの勤務を経て2000年に日経BP社入社。自動車業界や金融業界を担当した後、2006年に日本経済新聞社消費産業部に出向。2009年に日経BP社に復帰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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