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親を幸せに死なせるために、今考えておくべきこと

2013年8月12日(月)

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超高齢化社会で多くの人がいつかは直面する「高齢の親の最期」。いかに看取るか、末期医療の何を選択し、何を選択しないかの知識と準備が親の最期を大きく左右する。医師・作家の米山公啓氏に、親も家族も納得する「死なせかた」を聞いた。(聞き手は、秋山知子)

近著の『親の死なせかた 医者が父母の最期を看取って考えたこと』(PHP研究所)で、家族を看取る人が終末期医療について何を考えなければならないかを、個人的な体験に触れながら医師としての立場から率直に語っておられます。
 読んでつくづく思いましたが、終末期医療について通常は、例えば親がそうした局面にならないと考えないですし、かと言ってその真っ最中には考える余裕も選択肢もほとんどなく、後になってからああすればよかったかと後悔する。でも結局どうするのが良かったのかは分からない、ということが多いのではと思います。
 ただ、40代50代のビジネスパーソンは、他人には言わなくても親の介護や終末期医療の問題を抱えている人がとても多いのは確かで、知らなかった、考えてなかったでは済まないですね。ちょうどお盆の時期で、帰省して親の顔を見ることも多いでしょうからこの機会に考えておきたいと思いました。

米山 公啓(よねやま・きみひろ)氏
1952年生まれ。作家、神経内科医。聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を98年に退職。米山医院(東京都あきる野市)での診療の傍ら執筆や講演活動を続け、著書は250冊以上に上る。(写真:都築 雅人)

米山:終末期医療は、家族の立場から言えばある意味、葬式に似てるんじゃないかな。死んだら葬儀屋が来て、祭壇だの食事だのいろんなリストを見せられてあれこれ決められて、どんどん流れていっちゃうのでそこでは何も考えられない。

 終末期医療も同じで、後から考えればこうすればよかったと思うことがいっぱい出てくるんだけど、その時は判断力もきかなくて、医療サイドにずーっと押し切られていっちゃうみたいなね。なおかつ、当の本人、親なら親の死への意識がどうなのか、どういう最期が望ましいのかということがなかなか聞けていないことが多い。分からないまま終わっていってしまう。

 医者も、患者をいかに死なせるかなんて教育は受けてきていないから、仕方ないんです。診断と治療がすべてだったから。

お葬式は、最近は生前に自分で決めておく人が増えましたね。私も一度だけ「生前葬」に参列したことがありますがとても盛況(?)で、かなり事情が変わってきたようです。

米山:死に対する感覚は、この10年ほどでずいぶん変わってきたと思います。

 終末期医療も、最近では積極的に取り組んでいる病院が週刊誌に取り上げられるとか、事情はどんどん変わりつつある。介護保険制度が始まってから、介護については社会的にも認知や改善が進んできたので、今度はどういう最期を迎えるかということに焦点が当たってきたんだと思います。

ご両親の個人的なことについて、これまであまりお書きになったことはなかったんですね。

米山:僕の母親の「死なせかた」を考えてみると、当時はまだ介護保険制度はなかった。自宅で、父と僕で最期まで看取るつもりだったけど、2人とも現役の医師だったのでなかなか大変で、最終的には病院に入れました。もう少し、あと2、3週間家で看ていればそのまま看取れたのに、鼻に管を入れられて動けないままの9カ月間はかわいそうだったし、きっと母も望まなかっただろうと。それを悔やんでいます。

 父の場合は肺にリンパ腫がありましたが、ぎりぎりまで自宅で普通の生活をさせて、最期に病院に入院して3日で亡くなりました。病院とは事前に何度も話し合いをして、治療は一切しない、血圧上げたり人工呼吸器つけたりもしないと決めていた。何もしないというのもなかなか難しいんですが。それで父は、人間として尊厳を保った死に方というのかな、そういう最期だったので父については悔いがないんです。

その、「何もしない」という選択ですが、高齢者で口から食べられない、つまり飲み込めないとか、認知症で食べるという行動自体ができないという場合の点滴や中心静脈栄養や胃瘻による栄養投与を、海外ではしないところが多いと。それはつまり、餓死させてしまうということですね。それでいいわけですか。

米山:それでいいと考えているんですね。回復する見込みがない病気の患者に対して、延々と生かし続けるのは本人に対する虐待だという考えです。薬も口から飲めなければ与えない。点滴も何もしなければたぶん1週間ぐらいで亡くなってしまうでしょう。非人道的だと思うかもしれないけど、クオリティの高い死を迎えるにはそうするという考え方です。

生物学的には、例えば動物であれば口から食べられなくなったらもう寿命だとは思います。経管栄養にしたら、管を自分で外してしまわないように手足を拘束されたりもしてしまう。それでも、点滴すればまだ生きていてくれると思うと、家族にはなかなか受け入れがたい場合があると思いますが。

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「親を幸せに死なせるために、今考えておくべきこと」の著者

秋山 知子

秋山 知子(あきやま・ともこ)

日経ビジネス副編集長

1986年日経BP社入社。日経コンピュータ、日経情報ストラテジー、日経アドバンテージ、リアルシンプル・ジャパンの編集を担当。2006年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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安形 哲夫 ジェイテクト社長