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地主の収入を10倍に引き上げる市民農園

アグリメディア諸藤社長に聞く、新しい遊休農地対策

2013年8月27日(火)

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 15~30㎡ほどの区画を使って野菜栽培などを楽しむ「貸し農園」、いわゆる市民農園が増えている。国土交通省によると、全国で開設されている市民農園は2012年3月末で3968。ここ数年は、年平均200以上のペースで増えている。

週末菜園を楽しむ親子が増えている

 背景には、農園体験に関心を持つ層の増加がある。都市部では、子育て世代に入ったポスト団塊ジュニアや、60代以上のアクティブシニアがとりわけ強い関心を示している。子どもに農園体験をさせたり、余暇の時間を土いじりに使おうとしたりする人が、相対的に増えているのだ。

 一方、こうした消費者側のニーズとは別にもう1つ、農園増加を促す動きがある。遊休農地の新しい活用方法として、地主側が注目し始めているという変化である。従来塩漬けにされ、遊休農地・耕作放棄地として放置されていた農地が、市民農園に活用されることで、消費者・地主双方に価値を生む土地に生まれ変わる。

 このギャップに着目して事業を拡大しているのが、菜園の運営サービスを展開するアグリメディア。昨年、住友不動産と連携し、農園利用権付きマンションを開発するなど、耕作放棄地・遊休農地の新しい活用方法で話題を呼んだ。

 遊休農地は東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3県で約4万ヘクタール、全国で約40万ヘクタールともいわれる。その実情と事業展開を、アグリメディアの諸藤貴志社長に聞いた。(聞き手は蛯谷 敏)

諸藤貴志(もろふじ・たかし)氏
1979年5月生まれ、福岡県出身。九州大学経済学部卒業後、住友不動産会社入社。都心のオフィスビル・住宅等の開発などを手がける。2011年4月、地元の福岡で農業を営んでいた仲間と、アグリメディアを設立。首都圏を中心に300件の農家を周り農家のニーズや実態を調査、同時に都市住民が農業や食に対してどういったものを求めているかを調べ、事業検討した。最初の事業として、農産物と収穫体験・学びを組み合わせた「ノウジョウシェア」を2011年7月に開始。2012年1月にサポート付き市民農園「シェア畑」をスタート。「都市と農業をつなぐ」をコンセプトに、今後も農業を活性化する新たな事業を積極展開している。(写真:的野弘路)

週末に家庭菜園を楽しむ人が増えているそうですね。

諸藤:着実に増えていると思います。アグリメディアでは、首都圏の地主さんから遊休農地を預かり、農園の運営サービスを提供しています。1年前にこの事業を開始しましたが、9月開設予定の施設も含めると9カ所約1000区画まで広がり、現在約600契約をいただいています。

 利用者はだいたい、2つの層に分かれていて、1つは都心に住むファミリー世帯です。30~40代のいわゆるポスト団塊ジュニアと呼ばれる世代に1つの山があります。小さなお子さん連れで農園を見学に来られるケースがとても多いです。もう1つの山は、60代以上のアクティブシニアと呼ばれる世代です。「子供に野菜作りのプロセスを見せたい」と言った親御さんから、「プランターではあきたらない、本格的な野菜栽培をしたい」といった声まで理由は実に様々ですが、やっぱり皆さん土いじりが好きなんだなあと、申し込まれている方々の表情を見ていて実感しますね。

 栽培に関するあらゆる道具はこちらで用意していますから、土いじりの経験が全くなくても、すぐに始められます。野菜栽培の基本を解説した冊子も配布していますし、毎月1度は専門家による手ほどきもあります。すぐに農園経験を楽しめるようになるのが、このサービス魅力でしょうね。

都心でもちょっとした農業体験をしたいといったニーズにうまく合致しているんでしょうね。

 そうですね。一方で、この貸し農園事業は、実は土地を提供いただいている地主さんにとってもメリットが大きいんです。特に、都市部近郊で遊休農地を保有している地主さんにとっては、土地の有効活用になります。それに気づかれた方が、当社の申入れに応じていただいけるようになった、というのがここ最近の変化としてあると思います。

コメント2件コメント/レビュー

亡父がまだ健在だった頃、河川の近くの市民農園を借りて野菜を育てていました。私には土いじりの興味がなく、時には農作物が水に浸かってダメになってしまうこともあり、そのありがたみはイマイチ実感しにくいのですが、孫に自分の育てたトマトやキュウリが美味しいと喜んでもらえたことが、生きがいにつながっていたようです。耕作放棄対策に市民農園が活用できるのかは農地法の関連もあり、中々難しい問題もあると思いますが、個人的には非常に面白い取組だと思います。(2013/08/27)

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「地主の収入を10倍に引き上げる市民農園」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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亡父がまだ健在だった頃、河川の近くの市民農園を借りて野菜を育てていました。私には土いじりの興味がなく、時には農作物が水に浸かってダメになってしまうこともあり、そのありがたみはイマイチ実感しにくいのですが、孫に自分の育てたトマトやキュウリが美味しいと喜んでもらえたことが、生きがいにつながっていたようです。耕作放棄対策に市民農園が活用できるのかは農地法の関連もあり、中々難しい問題もあると思いますが、個人的には非常に面白い取組だと思います。(2013/08/27)

■借りたい人間からみれば、すばらしい事業形態だと思う。■但し、一般人から見たら、ありえないほどの恩恵を国から受けている「兼業」農家を、さらに儲けさせることは無いと思うが…(専業の方は本当に苦労されていますけど)■軽トラ以外は、高級車ばかりがずらり庭先に並んでいる名ばかり「兼業」がどれほど多いことか(2013/08/27)

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