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ドラッカーが語ったマーケティングとイノベーションの関係

巨人の言説をまとめた一番弟子、ウィリアム・コーエン氏に聞く(中)

2013年9月2日(月)

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 「マネジメント」の発明者とも称される経営学の泰斗、ピーター・ドラッカー氏。20世紀を代表するこの思想家はマーケティングに関する著作は残していないが、著者や論文などでは頻繁に論述していた。

 その言説をドラッカー氏の一番弟子、ウィリアム・コーエン氏が収集し、一冊の著書『ピーター・ドラッカー マーケターの罪と罰(原題:Drucker on Marketing)』にまとめた。そのコーエン氏に、シリコンバレー在住のフリージャーナリスト瀧口範子氏がインタビュー。コーエン氏が著書で改めて世に提示したドラッカー氏の卓見について聞いた。その内容を3回に分けてお届けする。2回目の今回は、マーケティングとイノベーション、リーダーシップの関係などに対するドラッカー氏の独自の見方を紹介する。

前回から読む)

著書の中では、「企業の目的は顧客創造である以上、企業の基本的な機能はマーケティングとイノベーションの2つしかなく、そのほかはすべてコストだ」というドラッカーの見方に触れています。マーケティングとイノベーションの関係を教えてください。

ピーター・F・ドラッカー(Peter F. Drucker)
 1909年オーストリア・ウィーン生まれ。31年独フランクフルト大学で法学博士号取得。33年英国に渡り、保険会社、銀行に勤務。37年英国の新聞特派員、投資信託顧問として米国に移住。43年から44年にかけて米ゼネラル・モーターズ(GM)の経営方針や組織構造を調査してまとめた『会社という概念』を46年に出版し、ベストセラーに。50年から71年まで米ニューヨーク大学教授。59年初めて訪日し企業や工場を視察。71年米クレアモント大学経営大学院教授。2005年11月11日、95歳で永眠(以上、日本経済新聞出版社刊『知の巨人 ドラッカー自伝 (日経ビジネス人文庫)』から引用)。『マネジメント』『ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる』など30冊以上の本を著した(写真:林 幸一郎)

コーエン:どのビジネスにおいても、基本的なコンセプトはマーケティングとイノベーションである。そうした彼の見方を知って私は考え込みました。というのも1960年代の有名なマーケティングの研究者であるジェローム・マッカーシーによると、マーケティングとは、「プロダクト(商品)」「プライス(価格)」「プレイス(場所)」「プロモーション(販促)」という「4つのP」で構成されることになっているからです。

 ただ、4つのPを少し考えてみると、それらのすべての中にイノベーションの側面が含まれているのが分かります。新しい商品やその売り方といった点で、すべてにイノベーションが関わっている。要は、イノベーションはマーケティングの中にあるということです。ただし、同等のものとして。

 ドラッカーが、この2つを分けてとらえたことに驚きました。マーケティングはビジネスのあらゆる側面を改良すると彼は言っていた。そして後にはNPO(非営利組織)なども含めて、組織の人間はすべからくマーケティングを考えなければならないとも述べています。

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「ドラッカーが語ったマーケティングとイノベーションの関係」の著者

瀧口 範子

瀧口 範子(たきぐち・のりこ)

ジャーナリスト

シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、社会、文化、時事問題、建築、デザインなどを幅広く日本のメディアに寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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