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日中は過去5回も戦争をした経験から学ぶべき

元外交官で『日本のアジア外交 二千年系譜』の著者、小倉和夫氏に聞く

2013年8月30日(金)

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 日本と中国との戦争というと、日中戦争ばかりを思い浮かべがちだが、両国は663年の白村江の戦い、豊臣秀吉による朝鮮出兵に伴う明との戦争などを含め、これまで5回も戦火を交えている。いずれも、朝鮮半島における勢力争いがその始まりだった。

 韓国大使やベトナム大使を務めた元外交官である小倉和夫氏は今春、過去2000年の歴史を「日本の外交」という視点から分析し、なぜ日本が5回も中国と戦争をするに至ったのかを読み解いた『日本のアジア外交 二千年の系譜』を出版し、日本は歴史から学び、「外交を考えていくための視点を根本から問い直すべきだ」と提言する。

 昨年来、尖閣諸島や竹島、従軍慰安婦問題を巡り日中、日韓の関係がぎくしゃくする中、日本の外交を考えるうえで必要な視点について聞いた。

中国との戦争と言えば、近代史以降の日清戦争と日中戦争がすぐ思い浮かびますが、白村江の戦い、元寇、秀吉による朝鮮出兵と、それに伴って明と戦争をしたことを含めると、確かに過去2000年の歴史において5回も戦火を交えていた――。この事実は、新鮮でした。特に白村江の戦い、元寇、朝鮮出兵は日本史の中の出来事であって、日本外交の結果というイメージはあまりありませんでした。そもそも、なぜこのような本をまとめようと考えられたのでしょう。

小倉:いくつか動機があって、1つは日本は外交と言うと大体、明治維新から始まるが、それがそもそも間違っているという問題意識です。そこに何ら論理的必然性はないのに、本も論文もほぼどれもが明治維新から論じている。日本の外交を見る学者もそうだし、政治家もジャーナリストもそう。

遣唐使、遣隋使派遣も外交ではないか

小倉和夫(おぐら・かずお)氏
1938年東京都生まれ。62年3月東京大学法学部を卒業し、同年4月外務省入省。64年ケンブリッジ大学経済学部卒。北米第2課長、北東アジア課長、経済局長、駐ベトナム大使、駐韓国大使、駐フランス大使、外務審議官(経済担当)などを経て、2003年10月~2011年9月まで国際交流基金理事長を務める。現在は東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会評議会事務総長を務める一方、青山学院大学国際政治経済学部特別招聘教授、立命館大学特任教授も務める。
著書に『パリの周恩来――中国革命の西欧体験』(1992年、中央公論新社、吉田茂賞受賞)、『中国の威信 日本の矜持 ――東アジアの国際関係再構築に向けて』(2001年)、『吉田茂の自問』、『記録と考証 日中実務協定』『秘録・日韓1兆円資金』など多数。(写真:菅野勝男)

 しかし、聖徳太子が遣隋使を派遣したのも、その後630年から遣唐使を派遣したのも、蒙古襲来に伴って蒙古といろいろ交渉したのも、徳川家康や豊臣秀吉が南蛮人の到来に伴ってキリスト教が入ってきた時に欧州と交渉していたのも、あれらは全部、外交ではなかったのかということです。

 日本ではそれらを外交とは呼ばず、東洋史や日本史の世界に押し込めてきた。まず、そこに日本の外交の重大なる盲点がある。日本の外交は、欧州や米国と付き合うことから始まったと思い込んでいる。それではアジア外交は成り立たない――。それをかねて指摘したかった。

 もちろん、ウエストファリア条約や西洋的秩序、今の国際法に基づく秩序があるのは分かります。しかし、ヨーロッパ的な国際法秩序というものに日本がどう対応したかというのは外交の一面でしかない。なのに、青い目が見たアジアというところに、我々の発想もはまり込んでしまっている。これは、まったくもっておかしい。

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「日中は過去5回も戦争をした経験から学ぶべき」の著者

石黒 千賀子

石黒 千賀子(いしぐろ・ちかこ)

日経ビジネス編集委員

日経BPに入社後、英LSEに留学し修士取得。日経ビジネス、日経ナショナルジオグラフィック、日経ベンチャーを経て、2003年日経ビジネスに編集委員として戻る。主に、本誌の「世界鳥瞰」の欄を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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