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設備投資の拡大に特効薬はない

田中賢治・日本政策投資銀行経済調査室長に聞く

2013年9月12日(木)

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 アベノミクス効果から取り残されてきた企業の設備投資がようやく動き始めた。安倍晋三政権は政策的に設備投資の押し上げを狙うが、田中賢治・日本政策投資銀行経済調査室長は「特効薬や奇策はない」と指摘する。

(聞き手は渡辺 康仁)

4~6月期のGDP(国内総生産)は設備投資の増加を主因に上方修正となりました。設備投資の状況をどう見ていますか。

田中 賢治(たなか・けんじ)氏
日本政策投資銀行産業調査部経済調査室長。1991年日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)入行。1995年日本経済研究センターへ出向。日本開発銀行調査部、日本政策投資銀行設備投資研究所副主任研究員などを経て2004年青山学院大学非常勤講師。2007年内閣府経済社会総合研究所主任研究官。2013年6月から現職。(撮影:清水盟貴)

田中:設備投資はなかなか上がってきませんでしたが、ようやく動きが見られ始めました。1つの統計が先般発表された4~6月期の法人企業統計です。ソフトウエアを除く季節調整値で前期比2.9%増となり、これは年率に換算すると10%程度の伸びになります。設備投資は上下に振れますから1期だけの動きをもって確実に伸び始めたと見るのは早計です。今は下げ止まって上がり始めている。慎重な見方ですが、そう見ておいた方がいいのではないかと思います。

 そもそも企業の設備投資計画はどうなっているのか。日本政策投資銀行の調査では、2013年度は全産業で10.3%増える計画です。設備投資を増額する理由として多いのが、「足元の収益改善」や「中長期的な期待収益率の改善」です。昨年末の政権交代以降、為替が円安方向に振れて株価も戻しました。マインドが変わり、ビジネス環境が整ってきたと受け止めた企業の前向きの動きが出ているのでしょう。

政投銀の調査では、製造業、非製造業ともに2ケタ増の計画です。いずれも改善が見込めますか。

田中:非製造業が2ケタの増加になるのは、1991年度以来です。今年度は非製造業がかなり伸びるという印象があります。特に、不動産や卸売・小売では能力増強の割合が高まっています。

 これに対し、製造業では能力増強のウエイトが下がっています。その代わり増えているのが維持・補修や合理化・省力化です。リーマンショック以降、やらなければいけない維持・補修や更新を先送りしてきた面もあったのだろうと思います。

製造業と非製造業の設備投資の中身はどうして異なるのでしょうか。

田中:今回の景気回復局面はこれまでとずいぶん違う特徴があります。よく見られるパターンは輸出や経済対策に伴う公共事業から持ち直すというものです。今回は消費マインドが上向き、個人消費が良くなって経済が回復するという珍しいパターンです。

 つまり、内需が動き出しているのです。これまで二の足を踏んでいた商業施設の整備に踏み切る企業が増えています。さらに、消費形態の変化によって、電子商取引に関連した物流センターの整備も勢いづいています。内需が動き出すと非製造業を中心に投資が動き出すということです。

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「設備投資の拡大に特効薬はない」の著者

渡辺 康仁

渡辺 康仁(わたなべ・やすひと)

日経ビジネス副編集長

1994年日本経済新聞社に入社。2002年から2004年まで日経ビジネス記者。日経新聞に戻り、編集局経済部などを経て2013年から日経ビジネス副編集長。アベノミクスの行方に関心を持つ。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官